渡邊雄太は米国で“話題”となるプレーも! NBA日本人選手の前半戦を振り返る

0

2021年03月09日 17:00  AERA dot.

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AERA dot.

写真ラプターズの渡邊雄太(写真/gettyimages)
ラプターズの渡邊雄太(写真/gettyimages)
 コロナ禍で開幕したNBAの2020−21シーズンは、現地時間4日に前半戦を終えた。各チームは35試合前後を消化し、ここまで各カンファレンスでトップに立っているのは、東がフィラデルフィア・76ersで西がユタ・ジャズ。新型コロナウイルスの安全衛生プロトコルにより延期になる試合も多かったが、なんとか全チームは足並みを揃えてオールスター休みに突入した。

 日本から世界最高峰の舞台で活躍している八村塁と渡邊雄太は、それぞれ2年目、3年目のシーズンを迎えているが、ここではシーズン折り返しということで、2人のここまでを振り返っていきたい。

 まずはワシントン・ウィザーズでプレーしている八村。ルーキーシーズンの昨季は48試合に出場して1試合平均13.5得点、6.1リバウンド、1.8アシストだったが、今季はここまで27試合プレーして12.5得点、5.4リバウンド、1.7アシストのアベレージ。やや数字を下げているが、今季はブラッドリー・ビールと並ぶスーパースターのラッセル・ウェストブルックがチームに加入していることを考えると、昨季と比べて単純に見劣りするスタッツとは言えないだろう。

 ディフェンス面では、どのポジションでも守れることから高評価を受けており、数字に表れない部分での貢献は大きい。ビールとウェストブルックに次ぐプレータイム(平均30.1分)なのは、チームからの信頼も厚いということ。ウェストブルックからも八村のディフェンスについて「塁はしっかり集中してディフェンス面でやるべきことをやっている」(ウィザーズ公式ツイッターより)と評価されており、結膜炎で開幕戦に間に合わず安全衛生プロトコルで戦線離脱するというアクシデントがあったものの、シーズンを順調に過ごしている。

 そして特筆すべきは、2月以降のプレーだろう。同1月11日のフェニックス・サンズ戦を最後に6試合連続で延期となり、その後の2試合はそれぞれ9得点と精彩を欠いたが、2月2日のポートランド・トレイルブレイザーズ戦では12本中10本のシュートを決め、シーズンハイの24得点をマーク。イレギュラーな形で試合が6戦も延期になりコンディショニングが難しかったはずだが、そうしたことを全く感じさせず、8日のシカゴ・ブルズ戦からは25日のデンバー・ナゲッツ戦で挙げた20得点まで、自身最長の10試合連続二桁得点を記録してみせた。

 ウィザーズは開幕5連敗でスタートし1月までは3勝12敗と低迷していたが、2月以降は5連勝を含め11勝8敗と持ち直し前半戦は14勝20敗。ここにきて課題が多かった守備面も機能してきており、この調子をキープできればプレーオフ進出も見えてくる。

 特に今季は、昨季に続きプレイイン・トーナメントの実施が決まっており、現在カンファレンス8位と2ゲーム差のウィザーズにはその可能性が十分にあるということ。3シーズンぶりのプレーオフ進出を果たすためにも、八村にはこれまで以上の活躍が求められるだろう。

 一方、トロント・ラプターズで奮闘する渡邊は、日本のファン、そしてトロント市民が想像する以上の活躍を見せているのではないだろうか。

 2ウェイ契約の渡邊は、前半戦で22試合に出場し1試合平均12.2分のプレーで2.7得点、3.2リバウンドのスタッツ。今季の2ウェイ契約選手は、出場可能上限数が50試合となっており、チーム状態によっては、メンフィス・グリズリーズ時代よりも出場機会に恵まれると思われていたが、常に全力投球で献身的なプレーがチームの信頼を集め、今ではローテーションに加わっている状態となっている。

 1月24日のインディアナ・ペイサーズ戦では21分間プレーすると、29日のサクラメント・キングス戦では24分間コートに立ち、12得点、6リバウンド、2スティールと見事なプレーを見せた。また3月3日のデトロイト・ピストンズ戦では、パスカル・シアカム、フレッド・バンブリートら主力が安全衛生プロトコルにより欠場する事態はあったものの、キャリア初の先発出場。日に日に現地メディアやファンからの評価も高くなっており、ファンからは本契約を望む声が大きくなっている。

 そして最近になって、渡邊人気を結果的にさらに後押したプレーがある。このプレーが起こったのは、2月19日のミネソタ・ティンバーウルブズ戦第3Q残り10.2秒。左サイドからゴールに向かってきた今季のドラフト1位指名のアンソニー・エドワーズは、ブロックを試みた渡邊の上から強烈なスラムダンクを決めた。このダンクは、その豪快さから、SNSなどで「ダンク・オブ・ザ・イヤー」として広く拡散された。

 結果としてエドワーズに吹き飛ばされる形となった渡邊は、ダンクの映像や画像がバズったことでこのプレーの「被害者」として嘲笑の的となりイジられ役になってしまったが、SNSのコメントの中には渡邊を擁護するコメントも多く寄せられている他、これに対し渡邊が、オンラインインタビューで次のようにコメントしたことで風向きが変わる。

「(エドワーズのダンクについて)話す機会があれば、と思っていました」と切り出すと「ああいうダンクをかまされると、笑い物にされますし、悪い意味で有名になったりもするんですけど、僕の場合、あのダンクをブロックにいかないという選択肢は絶対にあり得ない。もし同じシチュエーションが今後あれば毎回飛びますし、100回のうち99回ダンクされても、1回ブロックできる可能性があるなら、僕はああいう場面では必ずブロックに飛びます」。

 ESPNが、こうした渡邊の発言を切り取ってSNSに投稿すると、今度はNBAでプレーする渡邊の姿勢を賞賛するコメントが多数集まる結果となったのだ。

 現在の渡邊は、チーム内での役回りを理解し、どんなプレーにも積極果敢に挑む姿がチームやファンから評価されている。後半戦でも、こうした渡邊らしいプレーが続けば、本契約を勝ち取ることは間違いないだろう。(文/田村一人)








【おすすめ記事】“規格外”のグッズ売り上げ! 未だ現役選手より稼ぐM.ジョーダンの「金持ち伝説」


    ニュース設定