ゲーマー向けチャットアプリ「Discord」、マイクロソフトと1兆円超えの買収交渉か

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2021年03月23日 14:01  リアルサウンド

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(画像=Unsplashより)

 米メディア『Broomberg』は、Microsoftがゲーマー向けのチャットアプリ、Discordを100億ドル(約1兆870億円)以上で買収する交渉を進めていると報じた。Xboxのチーフ、フィル・スペンサー氏が、取引についてDiscordと話していると噂されている。


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 Discordは、ゲーマー向けのボイスチャットアプリで、テキストメッセージや、複数人での通話、画面共有なども簡単に行うことができる。リアルタイムでのオンラインマルチプレイに利用されることも多いツールだ。


 この件に精通している情報筋によると、Discordは複数社からの買収への意欲を受け、選択肢を模索しているという。また「バイヤーたちは、100億ドルを投じることができる状態にある」と語っており、このことからバイヤーにはMicrosoft、Amazon、Twitter、Google、などの名前が上がっていた。一方で別の情報通によれば、同社は1つの企業と独占的な買収交渉に署名したとされ、その相手はMicrosoftだと見られているようだ。


 Discordの広報担当者は、本件についてコメントすることを拒否している。


 米メディア『THE WALL STREET JOURNAL』は、3月初め、2020年にDiscordが1億3000万ドル(約140億円)の収益を上げたと報告した。Discordは、他のゲーム会社と同様、新型コロナウイルスの自粛期間中に大きな利益を上げた企業の1つだ 。


 しかし同社は、まだ十分な利益を上げられていないことを認めている。モバイルゲームを開発するPlaytikaと比較すると、同社は今年1月に114億ドル(約1兆2400億円)の評価額となり、2020年には23.7億ドル(約2570億円)の利益を上げている。多くのDiscordプレーヤーがプレミアムサブスクリプション未登録の無料ユーザーなのに対し、Playtikaは、ゲーム内課金で収益を上げられているのが大きいだろう。


 2018年にも交渉の話は持ち上がっており、当時の買収価格は20億ドル(約2170億円)から60億ドル(約6520億円)ほどだった。しかし多くのバイヤーたちは、広告を入れるなどDiscordのポリシーに反する提案をしたため、交渉は決裂した。Discordのポリシーは、独立を維持することによって守られると感じる関係者もいたようだ。そしてこの件は、今回もDiscordが買収に応じない可能性があることを意味する。


 情報筋は、「Discordが、真剣に買収を考えているのか、冷やかしなのか判断するのは難しい」と述べている。また「交渉が決裂する可能性は大いにある。現在Discordは本当に順調に成長していて、彼らが会社を売りたいと思う理由がわからない。決定権は完全にDiscord側が握っている」と続けた。


 買収交渉において一歩リードしたと見られるMicrosoftは、買収を実現できるのだろうか。(堀口佐知)


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