BMW、GTLMに代わり2022年開始のGTDプロを「非常に魅力的」と評価/IMSA

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2021年03月23日 19:11  AUTOSPORT web

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BMW Mモータースポーツの下、開発が本格化しているBMW M4 GT3
BMWは2022年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権において、新たに登場するGTDプロクラスへの参戦を目指している。メーカー責任者はファクトリーチーム、またはワークスがサポートする可能性がある取り組みに対して「非常に魅力的である」と述べた。

 2009年からIMSAのGTクラスに出場しているドイツのメーカーは、GTEカテゴリーのGTLMに代わるGT3ベースの新クラスで、2022年のフルタイム参戦チームとして復帰する可能性がある。

 4月1日付けで新しいグローバル・モータースポーツディレクターに就任する、BMWモータースポーツのレースおよびテストエンジニアリングオペレーション責任者であるマイク・クラックによると、BMWは今年1月に発表された新しいGTカテゴリーの初年度シーズンに向け、同クラスでの存在感を示すことに「取り組んでいる」という。

「それは非常に魅力的だ」とクラックはSportscar365に語った。「私たちはすべての議論に参加している」

「いいことはIMSAが耳を傾けてくれていることだ。IMSAはつねにパートナーやチーム、メーカーの話を聞いている」

「他の組織やプロモーターも、IMSAのように顧客の声に耳を傾けてほしいものだ。彼らは非常に持続可能なモデルを持っている。グリッドはいっぱいだしテレビ(のパッケージ)も良好だ」

「彼らがGTDプロを実行し、カスタマークラスを維持するのはいいことだと考えている。(プロ・アマのGTDと)混在させないのもグッドアイデアだと思う」

 IMSAはGTDプロとGTDを、同じGT3ベースの規制内に維持する方針を示しているが、プロクラスがミシュランの“コンフィデンシャル(機密を含む)”タイヤを採用するかどうかの決定は、まだ行われていないようだ。

 クラックによると、BMWは同じドイツメーカーであるポルシェと同様に、コスト面での理由から両方のクラスで同じ仕様の商用タイヤにすることに賛成しているという。

 またBMWは、シボレーが来年のGTDプロクラスで、GTE仕様のコルベットC8.Rの修正バージョンを走らせることにも賛同するだろう。これはGMがIMSAとの最近の交渉で要求していることだ。

 IMSAは以前、BMW M6 GT3がGTLMカーとして2シーズンにわたってGTLMクラスで走ることができるよう、ナショナル・ホモロゲーションを認めていた。

■BMWの参加プログラム決定は2021年後半

「私たちは皆レーサーであり、レースをしたいと思っている。なのでそれをサポートする」とクラックは述べた。「コルベットがレースをしたいのなら、そのクルマを押し出そうとするのは完全に間違っていると思う」

「我々はIMSAがこれを正しくバランスさせると信じている。議論の一部にはコルベットの件だけでなく、GTDチームがプロにステップアップしたり、SROのような他のシリーズからクルマを持ってくることを容易にすることも含まれている」

「グリッドを大きくするためには、出来の悪いBoP(バランス・オブ・パフォーマンス)やエントランスバラストなどの障害物を配置するべきではない」

「私たちはつねにコルベットと交流している。レーストラック上では、私たちは互いに大きなライバルだが、プロとアマ、またはGTDとGTレース全般の利益を考えるとなれば私たちは話し合い、建設的な態度をとるように務めているんだ」

 クラックは、BMWの参加の可否とプログラムの範囲についての最終的な決定は、今年の後半になるだろうと述べている。

■“巨漢”M8 GTEはプチ・ル・マンが最終レースに

 BMW M8 GTEは今年11月に開催されるシーズン最終戦『モチュール・プチ・ル・マン(ロード・アトランタ10時間)』を最後に以後、レースへの参加計画はないとクラックは語った。

 北米シリーズでM8 GTEを走らせているBMWチームRLLは今季、デイトナ24時間とセブリング12時間、ワトキンス・グレン6時間、プチ・ル・マンの4レースで構成されるMEC“ミシュラン・エンデュランス・カップ”でのみプログラムを実行し、追加レースの可能性はない。
 
 2018年にデビューしたM8 GTEは、BMWチームRLLとデイトナで2度GTLMクラス優勝を達成。1シーズン限りではあったがWEC世界耐久選手権のLM-GTEプロクラスにもBMWチームMTEKのキャンペーンで参戦した。

「IMSAは今季限りでGTEクラスを廃止し、我々は他の場所に行く予定がないので、M8でのプログラムはこれで終了となる」とクラック。

「これは現在の時代を反映したものでもある。GTEや(DTM/スーパーGTの)クラス1プログラムはあまりにも高額だ。その両方に加えてフォーミュラEもあり、かなりの予算が必要だった」

「まるで自然淘汰されるかのようにクラスが消えていくんだ」

 クラックはIMSAとACOフランス西部自動車クラブの間で以前から交わされていた、現役のGTE仕様車を集めてウェザーテック選手権やWECの主要イベントに合わせてレースを開催するという議論があったことを認めた。、

「私たちは今シーズンの前にIMSAと何度も話し合いをしてきた。ACOと一緒に何かをして、それらをまとめようとしたんだ。それによって少なくとも4〜5のブランドでレースができるようにしたいと思っていたのだが、向こう(アストンマーティンが撤退したWEC)も瀕死の状態だからね……」

「今よりも良い状況を作ることができなかったのは残念だ」

「いまWECには4台、IMSAには5台のクルマがいる。我々がそこに居なければ、ふたつか3つのクルマしかグリッドに着かないことになる。それは良いことではない」

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