◆ 失策も絡んだ序盤の失点が響く
オリックスが誇る22歳の右腕・山本由伸でも開幕戦の連敗を止めることはできなかった。
オリックスは26日、メットライフドームで行われた開幕戦で西武と対戦。開幕戦のマウンドを山本に初めて託したが、バックのミスもあり7回を投げて6安打4失点で降板となり、2010年以来の開幕白星を手にすることはできなかった。
エースらしからぬ立ち上がりだった。1回、先頭の金子侑司をショートへの内野安打で出すと、送りバントを決められて一死後、打ち取った森友哉の打球を二塁手・太田椋が後逸し、先制を許した。その後、山川穂高を空振り三振に仕留めたが、今度は暴投で走者が進塁。二死三塁から栗山巧にセンター前に弾き返され、2点目を失った。
試合前日、「とにかく、勝ちたいという思いが強い。開幕戦に勝っていい流れをつけたい」と話していた若き右腕の投球からは、やや気負いが見られ、山本自身も「1試合目ということで立ち上がりから少し力みが出てしまった」と振り返った。
3回には、森に内角低め142キロのカットボールをうまく右翼席に運ばれた。打った森も「めちゃめちゃいいカットボール。空振りかと思った」と驚いた技ありの本塁打。切り替えは可能だったが、今度は遊撃・紅林弘太郎が山川の打球をファンブル。栗山の中前打でピンチを広げ、中村の左前打で4点目を献上した。
いつもであれば、「ピンチで1点を与えても、そこで抑える」と、苦しい時こそ本領を発揮してきた山本だったが、開幕戦の気負いからか、7回、100球で降板となった。
それでも4回以降は無安打。走者は死球による1人だけと素晴らしいピッチングを披露しただけに、ピンチでの投球が悔やまれた。「良くないボールもあったけれど、途中から修正をしてガタガタと崩れなかったのは良かった。今日負けたことは悔しいけど、ここから始まる。早く気持ちを切り替えたい」と、中5日での登板が予定される本拠地でのソフトバンク3戦目に照準を当てていた。
文=北野正樹(きたの・まさき)