本間成美プロが語る「女子プロボウラーあるある」。ボウリング界の現状と収入源も聞いた

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2021年03月28日 11:31  webスポルティーバ

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ボウリング本間成美インタビュー

その抜群のスタイルと美貌から"アプローチのアイドル"として人気を集めるプロボウラー・本間成美さん。プロとして活躍する傍ら、YouTubeの活動も展開する本間さんに、ボウリングとの出会いや、プロボウラーを目指したきっかけ、女子プロボウラーの"あるある"などを語ってもらった。

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―― プロボウラーを目指したきっかけについて教えてください。

本間成美(以下、本間) 高校卒業後、地元・秋田から上京して、エステのお店で働いていました。でも、20歳の時にそのお店が潰(つぶ)れてしまって。どうしよう......と途方に暮れていたなか、たまたまボウリング場でアルバイトをはじめたんです。そこではプロボウラーの方々が所属していて、私もアマチュアとして大会に参加するようになりました。

―― そこでボウリングの面白さに目覚めたんですね。

本間 そうですね。小さいころからよく家族でボウリングに行っていて、少しだけ腕には自信がありました。でもプロの方々と試合をすると、50スコアくらいハンデをつけてもらっても、全然勝てない。たまにまぐれで勝てても、ハンデがあるのであまりうれしくないんです(笑)。それがすごい悔しくて、練習をするうちにどんどん夢中になっていきました。

―― その後、プロボウラーになるため、24歳のときに日本プロボウリング協会(JPBA)のライセンスを取得したんですよね。

本間 ほかのスポーツでは20代が活躍するケースが珍しくありませんが、プロボウリングの世界では、下は16歳から、上は上限なしでプロテストを受けられます。なので、70、80代でプロボウラーの方も少なくありません。実際、私と同時期にプロライセンスを取得した方のなかには、50代の人もいました。

―― なるほど。シニア層でボウリングを趣味にする人でも、スキルを磨いていけば、プロの世界に"入れる"競技なんですね。

本間 そうなんです。プロになるのが遅くても、ライセンスを取得した時点でものすごくうまい選手もいます。だからプロになった時、私は年齢的にも、実力的にも、本当に最下層でした(笑)。

―― 本間さんが目標とするプロボウラーはいますか?

本間 うーん、たくさんいますが......、一番は姫路麗(ひめじ・うらら)プロです。年間の公式戦で、順位ごとにもらえる「ポイント」と「獲得賞金」、スコアの平均「アベレージ」の3つのランキングで一位になることを"三冠"と言うのですが、姫路プロはすでに3回も三冠になられています。人柄も優しくて、本当に素敵で。

 実は、2017年に一度、姫路プロと対戦する機会がありました。3ゲーム先取で試合をしたのですが、私が奇跡的に1ゲーム目を取ったんです。でも、2ゲーム目から、姫路プロが本気モードになって着実にスコアを積み重ねるなか、私は気迫とプレッシャーに圧倒されて、負けてしまいました。「これが真のプロなんだ」って痛感しましたね。

―― メンタルが結果に大きく影響するんですね。

本間 そうですね。ボウリングって"頭脳戦"なんです。だから試合中、気持ちを落ち着かせて、考え続けなきゃいけなくて。それができないとなかなか勝てません。

―― 頭脳戦とは?

本間 ボウリング場のレーン(床)にはボールが滑るようにオイルが塗られていますよね。試合前の試し投げや、試合中の一投一投から、各レーンの滑り具合を把握しないといけないんです。それによって、立つ位置や投げる位置、ボールの軌道を変えています。しかも、試合が進むにつれて、オイルにムラができるので、1投ごとにボールの滑りやすさが変わる。そうしたことを試合中は意識し続けるので、試合が終わると体の疲れより、『考えすぎて疲れたー』って感覚のほうが大きいんです。

―― 一投ずつ、緻密な戦略を立てて、ボールを投げるんですね。

本間 そうですね。ボウリングは頭脳戦という要素が強いので、試合後は頭が疲れて、甘いものが無性に食べたくなります。だから、油断するとついつい食べすぎて太っちゃいます......(笑)。

―― 一方、本間さんの握力の強さがネット上で話題になりました。

本間 はい(笑)。プロボウラーは重いボールを長時間持つので、自然と握力がつきやすいんです。ただ、小さいころから握力は強いほうだったと思います。高校の時に利き手の右が35kgくらい。女子校だったのですが、クラスで1位でした(笑)。今はアベレージで、だいたい45 kgくらいは出せます!

―― 45kgはすごいですね! そうした握力の強さがボウリングにも活きてくると。

本間 あくまで私の感覚としてですが、握力が強ければボールを投げる瞬間に、軌道の"微調整"ができます。ただ、私より握力が弱くてボウリングがうまいプロボウラーもたくさんいるので、握力よりも、足腰とか体幹の力のほうが大事ですね。

―― 普段、プロボウラーとしてどんな活動をしているんですか?

本間 JPBAが公認する公式戦以外は、全国のボウリング場が主催する(リーグ戦やチャレンジマッチなどの)イベント出演と、練習の繰り返しです。イベントはだいたい平日の夜か土日に開催されることが多いので、平日の昼間はだいたい練習しています。

―― となると、さすがにオフの日はボウリングから離れたくなりますか?

本間 そんなことないですよ。たまに友だちとやります。これ、"女子プロボウラーあるある"かもしれませんが、「ボウリングには自信がある!」って言う男性に勝負を挑まれても、まあ、勝っちゃいますよね(笑)。あと、「オフの日だから楽しんでボウリングをやろう」と思っても、フォームの癖が出ちゃうのか、「プロの方ですか?」ってよく声をかけられます(笑)。

―― ある種の"職業病"かもしれませんね(笑)。基本的にはイベントへの出演や公式戦での賞金がプロボウラーの収入源になると。

本間 トップクラスになると年収約3000万円の人もいるそうですが、それはほんの一部ですね。多くのプロボウラーは特定のボウリング場に所属していて、そこでスタッフとして働いたり、一般の方向けにレッスンをしたりしてます。男性プロボウラーのなかには、ボールに(指を入れる)穴を開ける作業を仕事にしている方もいます。

―― 3000万円! 夢がありますね。ちなみに本間さんの年収はどれくらいですか?(笑)

本間 私ですか!? イベントなどの入り具合によってだいぶ変わるのですが、だいたい"プリウス2台分"とだけ言っておきます......(笑)。

―― ありがとうございます(笑)。ただ、イベント収入が中心となると、コロナ禍の影響も大きかったのではないでしょうか?

本間 そうですね。地方を中心に潰れたボウリング場も少なくありません。コロナ以前は北海道から沖縄までイベントにお呼びいただいていたのですが、一時期はまったくなくなって、昨年の4〜5月はイベント関連の収入がほぼゼロでした。最近少しずつ開催されるようになってきたので、早く元通りになってほしいと切に願っています......。

―― そんななか、昨年からYouTubeの活動をスタートしましたね。

本間 はい。昨年(2020年)の2月にはじめました。自粛期間中は、主にYouTubeで動画を配信していました。少しでもプロボウラーの世界を知ってもらえれば、と思い、よく聞かれる質問に答えたり、おもしろ系の動画を配信したりしています。動画を見て、興味を持った視聴者さんがイベントに参加してくれることもあるので、自分も楽しみながら、ボウリングの魅力を普及していけたらと思っています。

―― 今後の目標を教えてください。

本間 まずはやっぱり、公式戦で優勝すること。あと、ポイントのランキング(76位 ※2021年3月現在)で言えば、シード権が得られる36位に入ることですね。この2つの目標を、遅くとも3年以内には......と思って日々練習しています。

―― 最後に読者にメッセージをお願いします!

本間 ボウリングの良さは、"一人カラオケ"のように一人でも楽しめれば、おばあちゃんとそのお孫さんが一緒にプレーするなど、世代を超えて楽しめるところ。エンタメとして、ボウリングがもっと一般の方々に浸透してほしいと思っています。

 もっと上達したいという方には、シューズを買うことをおすすめしています。マイシューズがあれば、足裏のパーツを張り替えて、ボウリング場ごとに滑り具合を調整できるので、スコアがグンと上がると思いますよ。そこまで本格的にやらない方でも、毎回300円くらい払ってシューズをレンタルするなら、買ったほうが絶対におトクです!(笑)

【Profile】
本間成美(ほんま・なるみ)
1990年2月3日生まれ。秋田県出身。アイキョーボウル所属。2014年にJPBA(日本プロボウリング協会)の47期生としてプロライセンスを取得。現在(2021年3月)のランクは76位。身長171cm。

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