まるで『恋つづ』の佐藤健……美しい夫は、浮気を繰り返した。舐められまくった田舎妻が思い描く復讐計画

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2021年04月04日 19:02  サイゾーウーマン

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サイゾーウーマン

 家庭を持っている女性が、家庭の外で恋愛を楽しむ――いわゆる“婚外恋愛”。その渦中にいる女性たちは、なぜか絶対に“不倫”という言葉を使わない。どちらの呼び名にも大差はない。パートナーがいるのにほかの男とセックスする、それを仰々しく “婚外恋愛”と言わなくても、別に“不倫”でいいんじゃないか? しかしそこには、相手との間柄をどうしても“恋愛”だと思いたい、彼女たちの強い願望があるのだろう。

 今回は特別編として、夫に「婚外恋愛された」妻の声を紹介する。

 長期にわたるコロナ禍の影響で、婚外恋愛事情も大きく変化した。

 筆者が本連載で取材対象とする女性は、半数以上が「共働き夫婦」。急速に拡大したテレワーク導入により出社することを制限された人が多く、なかなか恋人に会える時間が作れず、自然消滅した婚外恋愛カップルも多いと聞いている。逆にいうと、パートナーと向かい合う時間が増え、関係が深まったというケースもあるのかもしれない。

 しかしそんな中、今回話を聞かせてくれた萌美さん(仮名)は、この度、結婚生活を打ち切り、新しい人生を送るための準備をしている。原因は、長年にわたる夫の婚外恋愛だという。

「周りには、『コロナ禍のステイホーム期間で、夫婦の価値観の違いが浮き彫りになったのが原因』なんて言いましたけど、実際のところは浮気です。というか、最初から冷めた関係だったんだと思います。新しい人生を切り開くきっかけを与えてくれた、このご時世に感謝しますよ」

 リモート取材のパソコン画面の向こうで、萌美さんは苦笑しながら、そうつぶやいた。

 色白で柔らかな雰囲気の萌美さんは30代半ばで「もう旦那がハナクソほじってても何とも思わなくなりました」と言うほど、ご主人との結婚生活は日常となっている。

「20代半ば過ぎの頃、遊び仲間つながりで旦那と知り合った時には、驚きました。キレイな顔で、中性的なルックスも浮世離れしていて……私より肌が綺麗で。まあ、飲みの席でしたし、実は夫は、ファンデを濃く塗ってただけなんですけど。大学進学と同時に上京して、その後、数年たっても田舎育ちが抜けていなかった当時の私は、ちょっと綺麗な人を見ると、すぐポッとなっていたんですよ」

 きらびやかな東京で、右往左往しながら暮らしてきたという萌美さん。

 学生時代は、東京での暮らしについて行くためにバイトを詰め込み、大学卒業後も、新卒で入社した会社に馴染むために必死で、恋愛経験は大学時代に数カ月交際した男性だけだという。

「だから、旦那との出会いは、たとえるならば、TBSでやってる火曜夜10時のドラマみたいな展開でした。夫はまるで、『恋はつづくよどこまでも』で佐藤健が演じた天堂先生、私はさしづめ上白石萌音が演じた七瀬でしょうか。私のような冴えなくてモテない女の前に、あんなに綺麗な男性が現れたんです」

 出会った当初は舞い上がっていた萌美さんだが、結婚を経て数年たった今振り返ると、「旦那が私と付き合った理由は、『この女は、俺のアプローチを絶対断らない』と思ったからでは」という。

「だって『容姿ヒエラルキー』って、一度決まったら、もう二度と覆らないじゃないですか。一生、上に立てると思ったんでしょうね。交際当時から、旦那は何度も浮気を繰り返し、結婚後もデリヘルに通いつめたり、素人やらも食い散らかしてる。最近は婚外恋愛もしているようで、旦那の外での様子は、かなり把握してます」

 萌美さんは容姿に加え、「田舎出身」「恋愛経験が浅い」という点も、夫に舐められたポイントだろうと語る。しかし、夫がどうあがいても萌美さんに「勝てない」部分があった。それは「金」である。

「詳しくはお話できないんですけど、私、地元ではちょっと有名な外食チェーン経営者の娘なんです。ごく親しい友人には打ち明けていましたから、旦那もそれを耳にして、私を『釣ろう』と思ったんでしょうね。まあ、まんまと釣られたわけなんですけど……」

 容姿で萌美さんにマウントを取った夫は、萌美さんの「金」も手中に収め、「勝てたつもり」でいたのだろうか。しかし萌美さんは、こんな復讐を思い描いているそうだ。

「今は離婚のため、浮気の証拠集めをしているところです。愛なんてとっくに冷めてますよ……旦那にとって、私の最大の存在価値が『金』だとしたら、逆に1円でも多く慰謝料をふんだくって、絶望させたい。それで、まったく興味のないホストに貢いで一晩で使い果たしたいですね。そんなふうに、悠々自適に男遊びしようかなって思ってます。あまり選り好みできる年齢ではなくなってしまいましたが、それはもうしょうがないことなので」

 夫への復讐心に燃える萌美さん。結婚生活を送る中で、恋人を作りたいという気持ちは芽生えなかったのだろうか。

「旦那以外に拠りどころを見つけたいのはやまやまでしたけど、踏みとどまっています。裁判で不利になることは絶対に避けたいですし。旦那には、この数年間、私を女として見下してきたことへの制裁を与えたいです。ザマアミロ、って」

 そう言って萌美さんは笑った。

 容姿に絶対の自信を持ちすぎた男の哀れな結末を見たような気がした。舐められる妻から卒業した萌美さんの、これからの人生を応援したい。
(文・イラスト/いしいのりえ)

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