「新聞の押し売り」コロナ禍でも減らず、認知症の高齢者らがターゲットに 報道NGOが警鐘

308

2021年04月07日 17:21  弁護士ドットコム

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

弁護士ドットコム

写真記事画像
記事画像

新聞販売の現場で、高齢者を狙う悪質なトラブルが頻発しているとして、元新聞記者が編集長を務めるジャーナリズムNGOが警鐘を鳴らしている。


【関連記事:お通し代「キャベツ1皿」3000円に驚き・・・お店に「説明義務」はないの?】



4月7日、都内の日本外国特派員協会(FCCJ)で会見が開かれ、海外のジャーナリストに向けて、実態が報告された。



認知症や一人暮らしの高齢者が執拗な勧誘にあい、契約させられるなどしており、国民生活センターには毎月100件ほどの相談が寄せられているという。



●「何度も断ったが押し切られ」

会見を開いたのは、今年3月に「ワセダクロニクル」から改称した「特定非営利活動法人Tansa」の編集長・渡辺周氏。元朝日新聞の記者で、2020年12月から「高齢者狙う新聞販売」という探査報道を続けている。



渡辺氏らが国民生活センターに情報公開請求をしたところ、高齢者への新聞販売に関する相談は毎月100件ほどあり、緊急事態宣言中だった2020年4月では148件、同5月で126件あったことがわかったという。



中には次のようなものもあったという。




「介護施設でヘルパーをしているが、認知症の利用者が強引に契約させられ、代わりに解約交渉しているが不安になった」(2020年1月)







「一人暮らしの母の所に新聞勧誘員が来て30分くらい粘られた。目が悪くて字が読めず、何度も断ったが押し切られ契約してしまった。解約したい」(同4月)







「母親が認知症なので、知らない間に新聞の契約をしてしまい、何社も契約している。今日、契約書を見つけた。どうしたらいいか」(同5月)






渡辺氏は、「家族や介護ヘルパーがいたから相談できるが、家族と疎遠だと難しい。月100件の苦情はごく一部でしょう」と指摘する。



●「新聞はまったくペナルティーを受けません」

悪質な営業の背景には新聞社の厳しい経営状況があるという。



全国紙・地方紙・スポーツ紙を合わせた2020年の発行部数は3509万部で、前年から272万部減った。前年比7.2%減で、減少幅は過去最大だ。



Tansaでは、全国の新聞社50社に対し、こうした高齢者との販売トラブルを把握しているかなどについて、今年1月に質問状を送っている。その結果も踏まえて、渡辺氏は次のように分析する。




「『お悔やみ欄(死亡記事)』など地域に密着した情報がある分、地方紙の方が(相対的に)経営は安定している。



全体的に見ると、全国紙を中心に行われている話なのではないか」




そのうえで、「かんぽ生命(保険)の不正販売では、お年寄りを狙った押し売りで業務停止命令を受けた。新聞はまったくペナルティーを受けません」と強く批判した。



●文春砲の背景「新聞は内部告発者の信頼も失っている」

会見では、海外の記者から、日本の新聞ジャーナリズムをめぐる質問も飛んだ。



たとえば、昨今の社会的スクープの多くは、新聞発ではなく、「文春砲(週刊文春)」であることが多い。この点について見解を訊かれた渡辺氏は、以下のように話した。




「日本の新聞は読者の信頼を失っているだけでなく、内部告発者の信頼も失っている。文春は戦うが、新聞は途中で折れてしまう。自分たちは戦っていると思っているかもしれないが、外からはそう見えていない。だから文春に情報が集まってしまう」


このニュースに関するつぶやき

  • うちの生協だって委託の配送員使って押し売り三昧してるよ?今の時期は「新茶」。メディアが取り上げないのは、取り扱っても誰も食いつかないから。だよね?
    • イイネ!4
    • コメント 0件
  • 某放送協会による電波の押し売りにも警鐘を鳴らして下さいよお願いしますよ
    • イイネ!143
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(221件)

前日のランキングへ

ニュース設定