恐竜×神父×ニンジャ カッコイイ要素をバカ正直に掛け算した映画「必殺!恐竜神父」にアーメンダブツ!

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2021年04月08日 19:17  ねとらぼ

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ねとらぼ

写真恐竜×神父×ニンジャな映画「必殺!恐竜神父」
恐竜×神父×ニンジャな映画「必殺!恐竜神父」

 誰だって恐竜はカッコいいと思うはずだ。そして同じぐらい忍者も。じゃあそれを戦わせたら滅茶苦茶カッコいい映画ができるのでは? そんなおもいつきをマジで実現してしまった作品が4月8日にリリースされた。その名も「必殺!恐竜神父」だ。



【動画】予告編を見る



 あらすじはこうだ。



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敬虔な神父であるダグは自動車の爆発事故で両親を失い、傷心の旅で中国を訪れる。そこで忍者に追われる謎の女性から牙の化石を受け取るが、その牙は人間を恐竜に変身させる力を秘めていた。強大な力を得たダグは娼婦キャロルと協力し街のために悪人退治を始めることとなる。彼らは悪党たちとの戦いの末にチャイニーズ・ニンジャ軍団が全ての黒幕だと知る事になるが……。



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 意味が分からない? 当然だ。日本語字幕を担当した私ですら意味が分からない(従ってこの記事は翻訳者によるダイレクト・マーケティングでもある)。だが本編はもっとすごいのだ。なぜ神父が恐竜に変身するのか? なぜ中国に忍者がいるのか? なぜ忍者は恐竜神父と戦うのか? そんな疑問は「必殺!恐竜神父」の本編を前にすれば些細なものにすぎない。



 冒頭から襲い来る衝撃のVFX(視覚効果)に、まずめまいを覚えるはずだ。恐竜に変身するという「大いなる力」を手に入れた神父ダグが、最初こそその力を持て余すものの、最終的には殺りくマシーンに変貌するというガバガバな脚本にも魅了されることだろう。あまりにもアメリカナイズドされたチャイニーズ忍者たちも必見である。



 どうせいつものZ級映画だろうと高を括ったそこのあなた。確かに配給会社はあのコンマビジョンだ。昨年から「ランドシャーク 丘ジョーズの逆襲」や「スノーシャーク 悪魔のフカヒレ」を日本市場に流入し、つい最近も「ウィジャ・シャーク 霊界サメ大戦」をリリースして忍耐強いといわれる日本のサメ映画ファンをぶちのめしてきたあのコンマビジョンだ。だが待って欲しい。「必殺!恐竜神父」は違うのだ。アメリカ本国でのウケ方を知れば少しは視聴に前向きになってくれるはずだ。



 例えばForbes誌は「シャークネード」や「ザ・ルーム」と並び称して絶賛し、ハリウッド・リポーターもその人気に迫る記事を書き、アメリカの大手ホラー映画サイトであるドレッド・セントラルやブラッディ・ディスガスティングもいち早く注目していた。極め付きは(例え一瞬であろうと)アメリカのAmazonプライムで人気急上昇作品1位を獲得した事だろう。



 「必殺!恐竜神父」は俗に言う“So Bad It’s Good”(酷すぎて逆に面白い)という哲学を真剣に考え抜いた「意図的に」ダメな映画であり、郷愁を誘いつつ「ダメ映画」そのものを監督の抜群のセンスでパロディー化したコメディー作品なのだ。



 そこがどう見てもアメリカだろうと字幕で「中国」と表示してしまえばそこは中国だし、往年の“ニンジャ”映画に見られたデタラメ忍者が殺陣を披露し、着ぐるみの恐竜が暴れ回る……多少なりとも1980〜1990年代にVHSで乱造されたアヤシゲな映画やアメリカン忍者映画に親しみを覚える人なら愛おしくて堪らないシーンの連発である。



 「必殺!恐竜神父」は低予算作品とはいえ(だからこそ)、監督たちの熱すぎる情熱がこもっている。若き鬼才ブレンダン・スティアー監督にとっては今作が初めての長編となるが、アイデアは偶然やってきたらしい。メールで“Velociraptor(ヴェロキラプトル)”と打とうとしたところ、誤って“VelociPastor(ヴェロキラプトル+Pastor:牧師)”と打ってしまった。この語感に衝撃を受けた彼は、いっそ映画にしてしまおうと立ち上がったのだ。



 当時の彼は映画学校に通う学生であり、自ら製作した映像をYouTubeにアップしても全く再生数が伸びずに悩んでいた。しかし“The VelociPastor”のフェイク予告編をアップしたところ再生数が1000倍に増えた(45回再生→4万5000回再生)ことが製作の決め手となったそうだ。



 その後2回のクラウドファンディングの失敗を経て、母親の友人から個人的な融資を得て製作にこぎ着けたのである。主要な登場人物の1人であるステュワート神父は監督の実の父親だし、恐竜の着ぐるみは監督が高校時代に映像製作の為に外注したものだ。こうした裏事情も何とも愛らしいと思わないだろうか。



 昨今のレンタル市場の縮小により、街のレンタル屋にあった誰が見るかも分からないような洋画の配給が極端に減ってきているのは周知の事実だ。いまあなたが大手のレンタル店を訪れたとしても、そこに広がっているのは奇妙なまでに整い画一化された空間でしかない。あの妙なタイトルやジャケットの作品に出会える可能性は限りなく低い。事実、「必殺!恐竜神父」も大手レンタル店に並ぶことはほぼ無いだろう。



 答えは単純、売れないからである。だがそうした事を分かった上で、レンタル市場を捨ててでも配給に踏み切ってくれたコンマビジョンの漢気をどうか理解して欲しい。そしてDVDを買うか、各種配信サービスでレンタルをして欲しい。豪華なキャストと美麗なCG、そして派手なアクションでできた「良い」映画だけではダメなのだ。多様性こそ映画の本懐なのだから。



(サメ映画ルーキー)


このニュースに関するつぶやき

  • 一見の価値ありだな。🦖+�뺧��日曜日はダメにょ。
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  • VHSレンタル時代、もうね、ジャケ騙されから始まり、開き直りでジャケ騙されでたくさんレンタルしたよ。B級もZ級もな!けど!当たりなんて、砂浜から一粒の砂を探すのと同じだったぜ!笑笑
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