OPPOから派生、「realme」日本参入のインパクト スマートフォンの投入はどうなる?

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2021年04月10日 06:12  ITmedia Mobile

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写真OPPOの兄弟会社となるrealmeが、4月15日に日本に上陸する
OPPOの兄弟会社となるrealmeが、4月15日に日本に上陸する

 グローバルでシェアを伸ばすrealme(リアルミー)が、日本市場に上陸する。同ブランドの製品を扱うのは、シンガ・ジャパンという会社だ。OPPOの兄弟会社であるrealmeは、OPPOとは別の若年層向けブランドとして誕生した経緯があり、現在は会社自体も分け、兄弟のような関係でそれぞれがスマートフォンやスマートフォンに接続するアクセサリーを展開している。



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 若年層にターゲットを絞っているだけに、リーズナブルな製品が多い一方で、デザイン性も高いのが特徴だ。バッグやスーツケースのようなファッションアイテムまで開発しているのは、OPPOとの大きな違いといえる。日本では、まずワイヤレスイヤフォンやスマートウォッチ、モバイルバッテリーを展開する一方で、スマートフォン市場への参入も視野に入れているという。そのインパクトを読み解いていきたい。



●海外で急成長するrealme、魅力は価格やデザイン



 もともとはOPPOのサブブランド的な存在だったrealmeだが、2019年に単独の会社として独立。現在は、OPPOの兄弟会社として、スマートフォンやアクセサリーを手掛けている。OPPO以上に、若年層向けの色合いが濃いブランドで、スローガンには「DARE TO LEAP」を掲げている。シンガ・ジャパンの営業本部 田中優也氏は、「臆することなく飛び込み、未来に挑戦することを後押しする気持ちが込められている」と、その意味を語る。



 realmeが得意とするのは、「高い品質と手の届きやすい価格、目を引くデザイン」(同)だという。実際、日本市場参入の第1弾として用意したワイヤレスイヤフォンは、最安のものが3480円(税込み、以下同)と驚くほど安いが、製品自体はきれいなデザインでまとめられている。デザイン性を高める狙いもあり、realmeは著名なデザイナーを起用。ひとクセあるデザイン性を備えた製品を打ち出し、話題を集めている。



 例えば、日本からは、INFOBARでおなじみの深澤直人氏がrealmeに参画しており、海外では同氏が手掛けたスマートフォンも販売されている。ニンニクや玉ねぎといった野菜からインスパイアされた「realme X Master Edition」は、そのモチーフの珍しさからも注目された端末だ。低価格を売りの1つにしているrealmeだが、ハイエンドの5Gスマートフォンも開発しており、その1つである「realme X50 5G Master Edition」も深澤氏がデザインを担当した。



 スマートフォンメーカーとしては新参者のrealmeだが、こうしたコンセプトが受け、グローバルでのシェアは急増している。カウンターポイントの2020年第3四半期出荷レポートでは、世界シェア7位を獲得。ユーザー数も5000万を超えたという。参入した国や地域は61に達し、特にフィリピンやマレーシアではトップ3に食い込むなど、存在感を発揮している。一方で、展開地域はまだ新興国が多い。日本市場への参入は、realmeが徐々に進める先進国進出の一環と見ていいだろう。



●日本ではスマートフォン連携の周辺機器から展開



 ただし、日本に投入するのは、急成長しているスマートフォンではなく、ワイヤレスイヤフォンやスマートウォッチなどの周辺機器だ。日本では「IoTの製品に先頭に立ってもらってマーケットに進出し、需要を見たい」(代表取締役社長 カ・メンショウ氏)というのがその理由だ。「コロナの影響もあり、消費者が多くのつながりを求め、ヘルスケアに対しての需要が高まっている」(同)ことも、スマートフォンの周辺分野での参入を後押ししたという。



 realmeは、スマートフォンメーカーとしてスタートしたが、現在は「スマートフォンとIoTという2軸で、それぞれのマーケットに進出していく」(同)戦略を取る。スマートフォンをコントローラーとして使えるワイヤレスイヤフォンやスマートウォッチ、スマートスピーカーはもちろん、スマートプラグや電動歯ブラシといったホームIoTにまで、製品群を拡大。それぞれが連携するエコシステムを作ろうとしている点は、同じ中国メーカーだとXiaomiに近いかもしれない。



 日本で発売されるのは、ワイヤレスイヤフォンの「realme Buds Air Pro」「realme Buds Q」「realme Buds Wireless Pro」と、スマートウォッチの「realme watch s」、モバイルバッテリーの「realme 20000mAh Power Bank 2」の5製品。前掲の3480円で投入されるのはrealme Buds Qだが、その安さに反し、デザインはかつてエルメスなどで活躍したフランス人デザイナーのジョゼ・レヴィ氏が手掛けている。



 スマートウォッチのrealme watch sも1万1800円とリーズナブルだが、血中酸素レベルを測定できたり、最大15日間駆動したりと、必要十分な機能を備える。その他の製品も、モバイルバッテリーを除けばおおむね1万円前後で手に取りやすい。OPPOのスマートウォッチやワイヤレスイヤフォンも、リーズナブルな価格を売りにしているが、コストパフォーマンスの高さは、それ以上といえそうだ。販路はネットが中心になり、AmazonやひかりTVショッピング、楽天市場で展開される。



●スマートフォン市場に進出する可能性も、鍵になるのはデザインか



 ただ、こうした製品群の中心に置かれるスマートフォンを発売する計画は、現時点では決まっていないという。「日本市場には、さまざまなブランドのスマートフォンが発売されている」(カ氏)ためだ。確かに、ここ数年でOPPOやXiaomiなどが新規参入を果たし、徐々にシェアを伸ばしている他、日本にはソニーやシャープ、京セラなどのメーカーもスマートフォンを展開している。中国や台湾、韓国などの一部を除けば、ここまで現地のメーカーが充実している国や地域は少ない。



 少なくとも、海外メーカーにとってハードルが高い国の1つであることは確かだ。人口は1億人超で市場規模は大きいものの、FeliCaや防水・防塵(じん)などへのニーズが高く、グローバルとの差があり、ローカライズにも時間がかかる。OPPOには、こうしたノウハウがある一方で、「製品もオペレーションもマネジメントも完全に独立している」(同)ため、流用は難しい。特にrealmeがターゲットとする若年層は、iPhoneのシェアが高いため、端末を問わず連携できる周辺機器から展開するのは、戦略として合理的だ。



 とはいえ、スマートフォンは同社の主力製品。発売のタイミングは、虎視眈々(たんたん)と狙っているようだ。カ氏も「スマートフォンは大事」としながら、「まずIoT製品を投入し、一定の獲得をして認知を高めてから、スマートフォンを提供していきたい」と語る。realmeのスマートフォンは、「ローエンド、ミドルレンジ、ハイエンドも3つがそろっている」といい、バリエーションも豊富。得意とするデザインで差別化していけば、OPPOとの違いも出すことができ、勝算はあるかもしれない。特に、日本では、realmeが起用する深澤直人氏の知名度が抜群に高い。



 深澤氏は、かつてauでINFOBARをデザインし、同モデルはスマートフォンやAndroidベースのフィーチャーフォンとして復刻するなど、根強い人気を誇る。au初のAndroid端末となる「IS01」を手掛けたのも同氏で、スマートフォンのデザインは得意とするところ。realmeが参入済みの諸外国以上に、日本市場での反響は大きくなりそうだ。こうしたデザインが武器になれば、キャリアとタッグを組むこともできる。その第一歩になる、スマートウォッチやワイヤレスイヤフォンの販売動向は、期待して見守りたい。 


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