YOASOBI「ここまでヒットするとは…」社会現象化に戸惑いも

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2021年04月10日 11:30  AERA dot.

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写真YOASOBI  [撮影/写真部・高野楓菜、衣装協力/HATRA、Christian Wijnants、スタイリング/藤本大輔(tas)]
YOASOBI  [撮影/写真部・高野楓菜、衣装協力/HATRA、Christian Wijnants、スタイリング/藤本大輔(tas)]
“小説を音楽にする”をコンセプトに誕生し、爆発的な人気を誇る音楽ユニット「YOASOBI」。楽曲制作を手掛けるAyaseさんと、ボーカルのikuraさんからなる男女2人組の初パフォーマンスは昨年の「紅白」。瞬く間にスターダムを駆け上がりました。2人の素顔に、林真理子さんが迫ります。

【YOASOBIと林真理子さんの写真はこちら】

*  *  *
林:人気者というより、もはや社会現象になっているお二人ですけど、デビュー曲の「夜に駆ける」の再生回数もものすごいですね。

Ayase:大変ありがたいことに、先日4億回を超えました。

林 ひょえ〜! 4億といったら、日本の人口が約1億だから、赤ん坊も含めて全員が4回以上聴いてるってことですよね。

ikura:そういうことになりますね。

林:「夜に駆ける」って今まで聴いたことがないような不思議な曲で、私が若いころ、YMOが出てきたときと同じような衝撃でしたよ。今までのものとまったく違う世界が開けているという感じがしました。

Ayase:光栄です。

林:YOASOBIさんは「小説を音楽にする」というコンセプトのユニットで、「夜に駆ける」も、投稿サイトでグランプリをとった小説(「タナトスの誘惑」星野舞夜)を題材につくった曲なんですよね。

Ayase:はい、そうです。

林:リリースした直後の反応ってどうだったんですか。

Ayase:正直なところ、ここまでとんでもなくヒットするとは思ってなかったです。楽曲をリリースしたのが2019年で、いろいろな賞をいただいたのが20年、NHKの「紅白歌合戦」に出させていただいたのも20年です。ジワジワと1年かけて皆さんに知ってもらえる曲になったので、いつの間にか僕らの想像も及ばないような現象が起こっているなというのが、少し俯瞰的な位置から見たときの印象でしたね。

林:でも、「これ歌ってる人、誰?」というリアクションは、すぐあったんじゃないですか。

ikura:ミュージックビデオもアニメーションで、自分の顔を出しているわけではなかったので、「歌ってるのは誰だ?」みたいなリアクションはすごくありました。私自身はシンガー・ソングライター「幾田りら」として名前も顔も出してソロで活動していましたが、その私と「ikura」が同じ人だとは、ぜんぜん知られてなかったです。

林:小説を題材にされているユニットということですけど、いま人気の若い作家の小説からは、あんまりインスピレーションを感じなかったんですか。

Ayase:楽曲にするにあたって、既存の小説に対して僕たちが依頼をするという形はとってなくて、「夜に駆ける」にしても、「monogatary.com」という小説投稿サイトで僕らが主体となってイベントをやって、そこでグランプリをとった星野舞夜さんの小説を僕らが楽曲にしたんです。

林:YOASOBIの主導で小説を募集するんですか。

Ayase:そうですね、基本的には。

林:普段からご本はお読みになるんですか。

Ayase:僕、漫画とかは読むんですけど、正直あんまり小説は読まないんです。小説に対するハードルの高さみたいなものは感じていて。ですが小説投稿サイトで投稿されている小説は、書いている人の多くは一般の方で、自分の中から出てくるものを何とか形にしようとしているものが多くて、僕みたいに小説にハードルを高く感じている人間も踏み込みやすかったんです。

林:なるほど。古典には興味ないですか。太宰治なんかおもしろい世界が開けそうな気がしますけど。

Ayase:まだ考えたことないですけど、興味はありますね。僕自身、ふだん小説は読まないといっても、好きではあるというか、実際に読み進めると、結局「おもしろかったな」となるので、興味はあります。

林:ikuraさんも本はあまり読まないですか。

ikura:私は漫画より小説のほうをよく読みますね。宮下奈都さんとか。好きなのは『ふたつのしるし』という作品です。

林:しかし、YOASOBIの主導で小説を募集したら、ものすっごい応募数が集まるんじゃないですか。

Ayase:最近も一つテーマを決めてコンテストを開催しましたが、約5千通応募がありました。

林:5千通! YOASOBIさんに歌にしてもらえるとなったら、そりゃ若い人たち張り切りますよね。

Ayase:ものを書くことに興味があっても、なかなか書く機会がない人が「YOASOBIが楽曲をつくるんだったら、私もちょっとやってみようかな」と思って、それが書き始める一歩になって、もしかしたらいずれ作家に……という話もあると思うので、扉を開ける一つの手助けができたらいいなと思っています。

林:別の人の表現と、お二人の表現とが重なってケミストリー(化学反応)となって、とんでもないものができていくわけですね。「夜に駆ける」のあとの「群青」という曲も評価が高いですけど。

Ayase:あれはお菓子のCMとのコラボでもあったので、『ブルーピリオド』という山口つばささんの漫画を元にした、CMのストーリーテキスト(「青を味方に。」)を原作にして楽曲にしました。

林:今度のシングル「怪物/優しい彗星」も聴かせていただきましたけど、すーっと入ってくるようなやさしいメロディーでした。詞が素晴らしいですよね。たとえば「強く強くなりたいんだよ 僕が僕でいられるように」とか。これは実際にテレビアニメ(「BEASTARS」)の中にある言葉なんですか。

Ayase:具体的にこのワードがあるわけではないです。読み進めていくうちに、レゴシという主人公のハイイロオオカミの感情みたいなものを、僕が感じ取った言葉として表現したという感じです。

林:「誰かに救われたい」と多くの人が思っている時代だからこそ、こんなふうに研ぎ澄まされた言葉って真っ直ぐ心に刺さってくる感じがしますよ。

Ayase:そう言っていただけると光栄です。

(構成/本誌・松岡かすみ 編集協力/一木俊雄)

YOASOBI/コンポーザーのAyaseとボーカルのikuraによる2人組の音楽ユニット。小説・イラスト投稿サイト「monogatary.com」に投稿された小説を音楽にするプロジェクトから2019年に誕生。星野舞夜の小説「タナトスの誘惑」を原作としたデビューシングル「夜に駆ける」がストリーミング再生回数4億回を突破、Billboard Japan 総合ソングチャート“HOT100”2020年年間チャート1位をはじめ、配信チャートを席巻。最新CD「怪物/優しい彗星」が好評発売中。

※週刊朝日  2021年4月16日号より抜粋

>>【対談2:「夜に駆ける」再生4億回、給料アップ YOASOBI「ぶっちゃけて言うと…」】へ続く

このニュースに関するつぶやき

  • 夜に駆ける、は良かったけど…ひょいひょいとメディアに出てくる人より、出てこないで音楽活動している人の方が好きだなぁヽ(´・ω・`*)
    • イイネ!17
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  • さすがに世代じゃないが、娘に片方ねじ込まれるイヤホンからは確かに「才能」と「心地好さ」を感じる。業界のお約束デビューよりも、こういう確かな才能が評価される時代になったのは良いことですよね。
    • イイネ!40
    • コメント 2件

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