羽生結弦、震災10年での世界選手権「何か心が動くきっかけになれば」 試合前の会見全文公開

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2021年04月11日 16:00  AERA dot.

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写真フリーで崩れて総合3位。「点数ほど大きなミスではなかった」と語った (c)朝日新聞社
フリーで崩れて総合3位。「点数ほど大きなミスではなかった」と語った (c)朝日新聞社
 フィギュア世界選手権で世界中から視線を集めた羽生結弦。その試合前には何を思い、何を語ったのか。試合前の会見コメント全文を掲載した、AERA 2021年4月12日号の記事を紹介する。

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*  *  *
【2021.3.22 試合前】

――全てが特別だったシーズン。その最終決戦の直前です。

何か、わりと淡々としてるというか。出るまで、自分自身、いろいろ思うことはあったんですけれども、でも、ここの現地に来て、滑るからには、やっぱり、何かしら意味のあるものにしたいなとは思います。

――まずサブリンクで練習でしたけど、ジャンプの感触などは?

来るときに実は地震があって、出ようとした、出ようとする直前に地震があって、本来新幹線で来る予定だったんですけど、新幹線が使えなくなったりとかして、まあ飛行機に変えたりとかちょっと大変でした。

なので、練習プランとしては、ちょっとズレてるかなとは思うんですけど、でも、まあこちらの氷とも、しっかり対話できたと思いますし、いい感覚で、最後、終われたかなあと思ってます。

――後半のほうが4回転、だいぶ上がってきた印象でした。

最初ちょっと、まあ気合入りすぎというか、まあいつもの空回りみたいなものが一瞬あったんで、それからまあ自分のことをいろいろコントロールしながら、もちろん今回ブライアンもトレーシーもいるので、しっかり話、聞きながら、自分のペースも守りながらやれたと思います。

――コーチ陣とは久しぶりでしたが、どのような話を?

いや、特に何か、久しぶりだから何かの話だっていうことはなく、まあ淡々と自分のことをやってますし。あと、そうですね、「今日何する?」とか、「明日の練習こうしよう」とか、そういう話をしました。

――コーチ陣がいると違う?

まあいろいろ自分でやらなきゃいけないことが、全日本のときにはあったので、やっぱり、そばでしっかりサポートしてくれる人がいるっていうのは、すごいありがたいです。

――本大会は、(感染防止のため)バブルという環境を作っての大会運営。ストレスは?

 うーん。まあ、特に僕にとっては何も変わらないというか。まあマスクしなきゃいけないなとか、あとは常にその、人との距離感だったり、あとは、そうですね、まあ手指の消毒だったり、そういったことはかなり注意はしますけれども、まあ僕にとって、試合のときは、いつもこのような感じでやってはいるので、特に影響はないかなと。影響はないというか、何も変わらないなって思いながらやってます。

――全日本選手権から3カ月ほどたって、さらなる上積みは?

うーん。そうですね。まあ、うーん。もちろん、いい演技したいとは思ってますけど。うーん。何か、全日本みたいにとかっていう気持ちは特になく、ここはここで、やっぱり練習してきたことを、しっかり出せればいいと思いますし。

あとはまだこっち来て、感覚がすごい整ってるわけではないので、毎日ちょっとずつ、感覚、整えながら、体も整えながら、いい演技したいなっていうふうに、今は思ってます。素直な気持ちはそこかなと。何か、これをやりたいとか、あれをやりたいとか、こういう演技したいっていう感じでは、今はないです。

――対ネイサン・チェン、王座を取り戻す大会、枠取りへの思いは?

まあ、枠取りに関しては、最大限貢献したいなとは思ってます。あとは、そうですね、まあ僕にとっては、今のところ、それだけですかね、この大会については。あとは、とにかくまあ、自分が目指しているいい演技を、毎日一つずつ重ねてって、グラデーションのようによくなっていってくれればなと思います。

――チェンに対しては、これまでは「僕がスケートを滑るモチベーション」という話でした。

 いや、率直に彼に対して、新型コロナウイルスに対しての、その対策だとか、あとは考え方っていうのが、やっぱりすごいものがあるなっていうか、しっかりしてるなっていう尊敬みたいなものがあって。

もちろん彼みたいに、僕自身もいろいろ気をつけながら、ただ、まあ本来の試合とは、ちょっと違うような形で、今回、試合をやっているので、まあとにかく自分の演技ももちろんなんですけど、注意するところはしっかり注意しながら、まあ最終的にいい演技ができればいいなっていう感じでは思ってます。

――そこまで意識はないですか。

そうですね。まあ、結果出てから考えればいいかなっていう感じと、あとは何か、そんなに今回、何か結果結果っていう感じがあまりなくて。とにかく無事に、何の不安もなく、日本にしっかり帰って、しっかり健康な状態でこの試合を終えられたらいいなっていうふうに思ってます。

――今回は世界中に見てもらえます。

うーん。まあとにかく、今、自分ができることが、やっぱり、今回滑るショートだったり、進めればフリーだったり、あったらエキシビだったりすると思うので(笑)。とりあえず、まあ三つのプログラム、しっかり滑りたいなって思いますし。その三つのプログラムから、何か、まあ僕なりのこの世の中に対して、メッセージのあるものにもできたらなとは思いますけど、まあそれよりも、まずは自分がしっかりと納得できる演技をすることが大前提だと思うので、しっかり今の自分の体と会話しながら、整えながら、最終的には、あの、最終的に、そこまでたどり着いてこそ、みなさんに何か伝わる演技だと思うので、そこまでしっかり、今やるべきことたちをやっていきたいなっていう思いでいます。

――震災10年での世界選手権です。

いろいろ思うところはありますし、僕に何ができるんだろうっていう考えももちろんあるんですけど、でも、そうですね、震災のときに出したコメントが全てかなって、僕の中では思っていて。

やっぱり、うーん、まあ僕自身もいろいろ、アクセル挑戦したりとか、苦しいときもいろいろありましたし、大変だった時期とかもいろいろあったんですけど、それは、僕はスケートのことで、いろいろ大変だったなとか思うことはあるんですけど、復興に関しては、やっぱり、何だろう、うーん。その人の命とか人生がそこにあるので、やっぱり無理やりでもやらなきゃいけないことだったりとか、戦わなきゃいけないことだったりとか、いろいろあるんだろうなっていうことを考えてはいて。

まあ、気持ちとしては、ソチの記者会見のときに言ったこととあまり変わらないのかもしれないんですけど、やっぱり僕はスケートをしているだけで、直接みなさんに何かしているわけではないので、そこは変わらないなとは思うんですけれども、ただ、この間の全日本みたいに、または全日本あとに、世界選手権に出るならと言ったときみたいに、やっぱりこのプログラムたちを通して、この子たちを通して、何か、10年だからこそとかではなくて、このプログラムたちを通して、この時期のこの子たちを通して、何かのメッセージだったり、何か心が動くきっかけになってればいいなっていうふうには思います。

――全日本から演技構成の変更は?

とりあえず予定としては、変更はないです。

※AERA 2021年4月12日号より抜粋

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