庵野秀明監督が語る、「シン・エヴァ」制作秘話&本編に隠された小ネタ【レポート】

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2021年04月11日 16:12  アニメ!アニメ!

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写真『シン・エヴァンゲリオン劇場版』大ヒット公開中/(C)カラー
『シン・エヴァンゲリオン劇場版』大ヒット公開中/(C)カラー
2021年4月11日、『シン・エヴァンゲリオン劇場版』大ヒットを記念した、「大ヒット御礼舞台挨拶」が新宿バルト9で開催され、『エヴァンゲリオン』シリーズで初めて庵野秀明総監督が舞台挨拶に登場した。

登壇者は、庵野秀明(総監督)、鶴巻和哉(監督)、前田真宏(監督)、緒方恵美(碇シンジ役)の4名。主演の緒方恵美が司会進行となり、本作の制作秘話を聞いていった。

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』は、庵野秀明監督の「ヱヴァンゲリヲン新劇場版」シリーズ最新作にして完結編。1995年から1996年にかけてTVで放送された『新世紀エヴァンゲリオン』の物語を再構築し、新たに劇場版4部作として制作された。



舞台挨拶は、まず3人の監督が来場者向けて熱い感謝の念を述べた。

庵野監督は、『エヴァンゲリオン』を公の場で語るのは、制作発表の時と、97年の劇場版が間に合わなかった時の謝罪会見以来だと語り、さっそく観客の笑いを誘っていた。緒方も庵野氏と一緒に『エヴァンゲリオン』関連で登壇するのは、その謝罪会見以来だそうだ。



鶴巻は、NHKの『プロフェッショナル 仕事の流儀 「庵野秀明スペシャル」』の放送以来、体調を心配されることが多くなったそうだが、いたって健康とのこと。前田は、新参者ながらこの舞台挨拶に参加できて光栄だと思いを語った。

最初の質問として、緒方は現在興行収入70億円を突破していることについて率直な気持ちを訪ねた。庵野は、本当にありがたい、『シンゴジラ』を超えれば(自身の)記録更新となるし、これが100億円を超えればアニメ業界の活性化にもつながる、『鬼滅の刃』や新海誠監督の作品なら100億円以上を売り上げるのは当たり前だが、『エヴァンゲリオン』のようなロボットアニメはそこまで売れたことがないからとその正直な心境を語ってくれた。

続いて、制作が終わった時にどういう想いが去来したのかとの質問に、鶴巻は、スタッフ向けの初号試写の時に涙しているスタッフもいたが、自分はとにかく終わって良かったなと思ったという。前田は、最終版は修正の作業が多かったそうで、本当にもう修正はないのかなと疑心暗鬼だったそうだ。庵野も、安堵が一番大きかったと言い、スタッフにお礼を言って回ったそうだ。



続いて緒方は、総監督と監督の役割分担について質問。鶴巻は、この映画の監督は基本的に庵野で、前田や中山勝一、鶴巻らは助監督的なもので、セカンドユニットのような立場で現場を支えていたと証言した。

緒方はさらに制作の実態について質問を続ける。NHKの『プロフェッショナル』でも紹介されていた通り、本作に制作工程は一般的なアニメの現場とは異なる点が多々あったが、それはどういう狙いなのかと質問。

庵野は、自分の手で描いて済むものだけにしたくない、実際に存在するものを切り取ることでアニメーションを作りたいという思いが『:序』の時からあり、それが技術の向上でようやくできるようになったのだと語った。それはとても予算がかかるやり方なので、自主製作だからできることなのだとも付け加えていた。



鶴巻は、庵野が実写映画の現場を経験して実写とアニメのハイブリッド的な作り方をしているのだと補足。ただ、スタッフに実写経験者が少ないので、苦労した面が多かったと語ってくれた。前田が担当したのは、主に後半のシーンだったそうで、前半とは異なり、後半は従来のアニメの作り方ができたという。

なぜそのようなやり方をするのかについて、庵野は、自分の考えだけで作りたくない、他の人がどうやるのかを見ておきたいのだと狙いについて語ってくれた。そして、そういう作り方ができたのは、『シン・ゴジラ』を経験したからこそだそうだ。

緒方は自身も参加したアフレコについても質問。コロナ禍で各自バラバラに収録しているが、庵野はそれでもバラバラになっている印象は受けないはず。センテンスごとに切って繋げるようなこともしているが、力のある声優がそろっているので大丈夫だろうと思っていたと、長年ともに作り上げてきた声優たちへの信頼を語った。

鶴巻は、鈴原サクラ役の難しい状況での台詞がどうなるのか不安だったが、沢城みゆきは一発OKだったと証言。それについて、庵野はあのテイクはテストのテイクであったことを明かした。庵野は沢城みゆきについて、台本を読んで用意して貯めたものを最初に出すタイプだと説明、だから最初のテイクが肝心なのだと語る。



続いて、話は映画本編のディテールに及ぶ。観客が気づきにくい小ネタはあるかとの質問に前田は、アスカがビースト化した時にオリジナルのアスカが迎えに来るシーンには、脚本では13号機に残っていたカヲルのクローン的な存在がいることになっていた、(完成映像では)ほとんど見えないが、目を凝らすとなんとなく人影が見えるかもしれないと披露。鶴巻は、ゲンドウが脳みそを拾うシーンは脚本にはなく、あれは前田の描いたイメージボードから絵コンテに取り入れたのだと、経緯を明かした。

庵野は、『エヴァンゲリオン』の画面について、物語に必要なものと、画として美しいもの、そして自分の人生に関わりがあるものの他、スタッフの好みも入っているのだと語る。アニメは全て作りこまれたものなので、好きなものだけで構成できるのが良いところだと前置きした上で、ラストシーンに言及。宇部新川駅のシーンに描かれる電車について、あの駅はそもそも電化されておらず、そこに電車があるのは変なこと、キハ40という気動車やクモハ42という電車は子供の頃に乗っていた電車なので、思い出を入れて画面を構成していると明かした(注:宇部新川駅は実際には電化されている)。そして、妻(安野モヨコ)の絵も大好きなものだから入れているのだそうだ。そして、ラストカットの空撮実写映像には、庵野が好きなものを一つだけ入れているそうなので、探してみてほしいと語った。

そして、過日放送されたNHKの『プロフェッショナル』に緒方が言及。庵野と鶴巻はまだ番組を見ていないそうだ。庵野は、番組スタッフについて、4年間密着というが毎日いたわけじゃない、ここが良いところだという時に限っていないと冗談交じりに悔しがっていたが、番組を見た前田は、本作がどういう考えに基づいて作られているのか上手く編集されていると評価した。



そして、最後に登壇者が来場者に向けて挨拶して舞台挨拶は終了。庵野は、制作途中からコロナの流行に直面して今もまだ大変な状況が世界中で続いている時期にもかかわらず、足を運んでくれる観客に深い感謝の念を述べ、退場する際には、来場者に向けて何度も深くお辞儀をして去っていった。



『シン・エヴァンゲリオン劇場版』大ヒット公開中 総監督:庵野秀明/(C)カラー

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