崖っぷちの文在寅大統領は東京五輪「南北統一チーム」に執念 北朝鮮「不参加」表明後も工作

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2021年04月12日 06:05  AERA dot.

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写真韓国の文在寅大統領と握手する金与正氏(C)東亜日報
韓国の文在寅大統領と握手する金与正氏(C)東亜日報
 韓国のソウルと釜山、2大市長補欠選挙で、与党「共に民主党」が、最大野党「国民の力」に大差で敗北し、国政が大混乱している。

【写真】ソウル市長選挙の大敗で追い詰められる文夫妻

 来春の次期大統領選挙の前哨戦とされただけに野党に勝って政権維持を目指す文在寅(ムン・ジェイン)政権にとっては補選の惨敗は相当な痛手となった。

 文大統領は支持率回復の起死回生を狙って、東京五輪での北朝鮮との統一チーム構想の実現に執念を燃やしていたが、このプランも暗雲が垂れ込めている。北朝鮮が4月5日に突然、東京五輪「不参加」を宣言したためだ。

 北朝鮮体育省はこの日、ホームページで唐突に次のようなメッセージを発表した。

「共和国オリンピック委員会は(3月25日)総会で、新型コロナウイルス感染症による世界的な保健危機状況から選手を保護するため、東京五輪に参加しないことを討議決定した」

 ところが、青瓦台(大統領府)はまだ南北統一チーム構想をあきらめていないという。

 青瓦台は8日、兪英民(ユ・ヨンミン)大統領秘書室長主宰で国家安全保障会議(NSC)常任委員会会議を開いた。

 その後、「東京五輪が平和のオリンピックとして行われるよう外交的努力をする。米朝対話が早期に再開されるよう関係国間で緊密に協議していくことにした」とリリースを発表している。

 文大統領は3月の記念演説で「東京五輪は韓日間、南北間、日朝間、そして米朝間対話の機会になり得る」とし、「韓国は東京五輪開催、成功のために協力する」と述べた。東京五輪を通じて北朝鮮と韓日米間対話の扉を開くことができるという構想を内外に明らかにしたのだ。

 青瓦台は東京五輪に北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長、または、実妹・金与正(キム・ヨジョン)副部長ら指導部を参加させて、南北統一チームを構成し、開会式に南北選手の共同入場を構想している。

 五輪の開会式場で米、日、南北の首脳会同が実現すれば、これをきっかけに米朝首脳会談、日朝首脳会談、南北会談が続くなら、東京五輪が東アジアの緊張緩和と平和オリンピックになるという壮大な構想を描いているという。

 このような構想が着々と進めば、文大統領の下がっている支持率も回復し、来年春の大統領選挙で政権継続につなげられるという戦略なのだ。

 ところが、北朝鮮の東京五輪「不参加」発表は、文大統領のこのような計画に水を差した形になった。しかし、青瓦台などは北朝鮮と水面下の接触などを通じて決定はまだ、変えられると考えているという。

「北朝鮮の不参加について青瓦台は『北朝鮮指導部の決定を前提としたものかどうかの確認が必要』と発言しています。その意味は、北朝鮮当局が談話や声明など正式の発表ではなく、体育省がホームページで公開したものであるため、金委員長らの最終決定ではない可能性もあるという希望的な観測を持っています。東京五輪まではまだ時間があります。コロナ感染症の状況が変わり、高官間の交流は行われることもあり得ます」(韓国与党関係者)

 南北は東京五輪で女子バスケットボール、男女漕艇、男女柔道、女子ホッケー種目の統一チームを構成することで合意していた。

 6日時点で北朝鮮選手団は、アーチェリー2枚、陸上4枚、卓球4枚、水泳ダイビング1枚、体操1枚、レスリング3枚、射撃2枚、ボクシング1枚の8種目18枚の東京五輪出場権を確保していた。今後、伝統的なメダル種目の重量挙げで女子4枚、男子2枚の出場権の確保する可能性もあるので、それを合わせると9種目、24枚に増える可能性もある。

 北朝鮮は東京五輪不参加の理由としてコロナ感染から選手保護を掲げたが、それは表向きな理由に過ぎないだろう。北朝鮮オリンピック委員会総会が平壌でテレビ会議を行ったのは3月25日。その後、総会開催の事実は報じたが、こうした五輪不参加の決定事項は11日間も明らかにしなかった。

 北朝鮮では「朝鮮労働党第6回細胞書記大会」が4月6日から平壌で大々的に開催された。ところが、1万人が参加した大会に金委員長はもちろん、全員マスクをつけなかった。この光景はコロナ感染症がある程度、落ち着いていることを物語っている。

 それなのにこの大会の参加者数よりはるかに少ない五輪選手団の人数のため、東京五輪に参加しないというのはあまり説得力がない。

 今になって北朝鮮が東京五輪「不参加」を宣言した理由は何か。

 まずは北朝鮮の文政権に対する圧迫だ。

「北朝鮮の東京五輪不参加決定を公開した5日は、ソウル、釜山両市長補欠選の2日前だ。選挙に影響を及ぼそうという意図もある」(政府関係者)

 2019年2月に行われたベトナム・ハノイでの米朝首脳会談後、北朝鮮は文大統領と青瓦台に対して露骨に反感を表わしたという。

「その後、北朝鮮はずっと文政権を無視してきた。韓国が米朝対話の仲裁者の役割を果たす力量がないと判断したようだ」(同前)

 米国の対北朝鮮敵視政策の撤回がない以上、北朝鮮は韓国や米朝対話には乗り出さないという観測もある。

 韓国の2大市長選の敗北は任期残り1年余りの文大統領にとっては大きな打撃となった。それだけに、来春までの人気回復は至上最大の命題なのだ。文政権は金正恩委員長を説得し、東京五輪での南北統一チーム参加を実現しするという逆転サヨナラ打を打てるのだろうか。

(在ソウル ジャーナリスト・朴承Α

このニュースに関するつぶやき

  • 南北統一でオリンピックに「不参加」で良いじゃん。チームなんそ?www
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  • 北朝鮮は、頭はぱよぱよ、政治もぱよぱよ、国民は餓死( `ー´)ノ統一チーム出すおカネがあるなら、国民にご飯を食わせろ。
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