2016年ドラフト「高校BIG4」の今。同期の山本由伸、早川隆久には負けられない

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2021年04月13日 11:31  webスポルティーバ

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 2016年のドラフト会議は、「高校BIG4」と呼ばれた4人の投手が注目された。

 夏の甲子園優勝投手になった今井達也(作新学院)、完成度が高く「即戦力」との声もあがった寺島成輝(履正社)、類まれなポテンシャルを評価された藤平尚真(横浜)、馬力のある左腕として急成長を遂げた高橋昂也(花咲徳栄)。

 4人ともドラフト上位指名を受けてプロ入りしたものの、現段階では前評判に見合った活躍をしているとは言いがたい。同期生の出世頭には、ドラフト4位入団ながら今や球界を代表する実力者になった山本由伸(都城→オリックス)がいる。




 ドラフトから4年以上の時が経ち、早稲田大で腕を磨いた早川隆久が4球団競合1位指名の末に楽天に入団した。早川は高校3年時に侍ジャパンU−18代表に招集され、BIG4を含めた投手陣のレベルの高さに「自分には武器がない」と悟り、大学進学の道を選んだ。高校時点でいかにBIG4の才能が輝いていたかが伝わるだろう。

 ちなみに、早川のプロ入りで当時のU−18代表に選ばれた投手8名は全員プロ入りを果たしている(ほかには堀瑞輝/広島新庄→日本ハム、藤嶋健人/東邦→中日、島孝明/東海大市原望洋→元ロッテ)。当時は作新学院の一塁手だった入江大生まで、明治大を経由して投手としてドラフト1位でDeNAに入団した。

 そんなレベルの高い世代を牽引したBIG4は、現在どんな状況にいるのだろうか。

 今井達也は遅れてきた大物だった。なにしろ高校3年春の県大会は未登板で、ドラフト候補にすら挙がっていなかった。夏の栃木大会で台頭してから、スカウト陣の評価はうなぎ登り。当時、ある球団スカウトは「栃木大会でB、甲子園でAと見るたびに評価が上がっている」と明かしていた。

 今井のスピンの効いた快速球と左打者のインコースに食い込んでいくカットボールのようなスライダーは、甲子園で猛威をふるった。作新学院を54年ぶりの全国制覇へと導く頃には、今井を含めた「高校BIG4」の名称がすっかり定着していた。

 ドラフト会議では有望選手の一本釣りに定評がある西武から単独1位指名を受けて入団。プロ2年目には5勝、3年目には7勝と順調にステップを踏んだ。

 だが、昨季は3勝4敗、防御率6.13とつまずいた。開幕前の練習試合では常時150キロ台の快速球がうなり、飛躍の年になる予感が漂っていただけに意外な結果だった。腕を振る位置をわずかに下げ、ダルビッシュ有(パドレス)とそっくりの投球フォームが話題になったが、シュート回転した速球が甘いコースに入る悪癖が直らなかった。

 今季は開幕ローテーション入りしてここまで2試合で0勝1敗、防御率2.70とまずまずの内容。とはいえ、3月17日の阪神とのオープン戦では同学年の大物ルーキー・佐藤輝明に特大の6号本塁打を浴びた。昨秋のフェニックス・リーグで自己最速の157キロを計測するなど素材の高さは間違いないだけに、あとは制球力がブレークのカギを握りそうだ。

 寺島成輝は高校2年秋の時点で「来年のドラフト1位候補」と評されたように、早くから世代を牽引してきた。寺島の武器は実戦での強さ。場面に応じてギアを切り替えるかのような、高校生らしからぬ老獪(ろうかい)さは目を引いた。

 ドラフト直前、ヤクルトはメディアに「誰を指名するか決まっていない」と煙幕を張ってまで、寺島の単独1位指名に執念を見せた。BIG4のなかでもっとも計算が立ちやすい投手と見られただけに、投手難に喘ぐヤクルトにとって寺島は救世主のはずだった。

 ところが、プロ入り後に寺島の運命は暗転する。本来の速球のスピード・キレが影を潜め、思うような結果が出ない。2年目の春季キャンプで紅白戦に登板すると、寺島が打ち込まれて一向に攻撃が終わらなかったため、イニング途中で強制終了という屈辱的な一幕もあった。

 それでも、4年目の昨季はストレートがようやく復調。中継ぎとして30試合に登板し、1勝0敗3ホールド、防御率2.48と一軍戦力になった。それでも、今季はオープン戦から不安定な内容で、開幕早々に一軍登録を抹消された。

 入団時の期待の高さを思えば、まだまだ物足りなさは残る。首脳陣は先発投手としての適性に期待しており、今季以降が勝負になる。

 なお、寺島もオープン戦で阪神・佐藤輝明から5号本塁打を浴びており、佐藤の恐ろしいパワーを目の当たりにしている。

◆奥川、吉田、佐々木で今季一番輝くのは誰か>>

 藤平尚真は中学時代から「スーパー中学生」と話題になった大器だった。野球ではUー15日本代表に入り、走り高跳びの選手としても全中2位、ジュニアオリンピック優勝。なお、全中では学校の備品のスパイクを履いて臨み、不憫に思った陸上の顧問の教員が新しいスパイクを藤平に買い与えたところ、ジュニアオリンピックで優勝するという逸話を残している。

 横浜高では3年夏に石川達也(法政大→DeNA育成)との二枚看板で甲子園に出場。2回戦の履正社戦では石川をリリーフし、6回1/3を投げ7奪三振、無失点と快投を見せている。

 秋のドラフト会議では楽天から単独1位指名を受けて入団。パフォーマンスに波のあった高校時代の姿から晩成型の素材と思われたが、プロ入り後に急速な成長を見せた。高卒1年目から8試合に先発登板し、3勝4敗、防御率2.28。翌年には4勝を挙げて順風満帆と思いきや、3年目以降は一転して未勝利と足踏みが続いている。

 昨季はわずか1試合の登板に終わり、しかも打者2人に一死も奪えず危険球退場している。結果以上に深刻だったのは、整っていたはずの投球フォームにぎくしゃくとしたぎこちなさが生まれていたことだ。

 今季は春季キャンプから二軍スタートで、田中将大や早川が加入して活気づくチームにあって影が薄くなっている。だが、恵まれた体に眠る能力はこんなものではないはず。いずれ早川とエースの座を争う存在になれれば、楽天の未来は明るい。

 高橋昂也は大きなアップダウンを経験してきた左腕。高校2年夏には破壊力のあるストレートとフォークを武器に、甲子園で注目された。ところが、3年春のセンバツでは一転して大不振。球速も大きく落ち、ドラフトに向けて不安が残った。

 だが、投手指導の名人である花咲徳栄の岩井隆監督がノースロー調整を指示したところ、リフレッシュしてV字回復。夏の埼玉大会では37回を投げ52奪三振、無失点と圧倒的な内容でチームを優勝に導いた。

 ドラフト2位指名を受けて広島に入団してからも、アップダウンの波は続いている。1年目から順調な成長を見せ、2年目には開幕ローテーション入りしたものの、ヒジ痛を発症。3年目にはトミー・ジョン手術を受け、長いリハビリ期間に入った。

 昨秋のフェニックス・リーグでは好投を見せるなど、完全復活に向けて階段を上っている途中。今季はウエスタン・リーグで2戦2勝と幸先のいいスタートを切った。高校時代に最速152キロをマークした速球は伸びる余地が十分ある。

 高校BIG4はそれぞれ一人前になったとはいえないものの、まだプロ生活の4年間を終えたばかり。心身とも成熟していく今後、どんな全盛期を見せてくれるのか見逃さないようにしよう。

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  • うちは今井達也投手を一本つりした年やね���� まだよっちんの期待に応えてくれてないのが、現状(^-^;エース候補やねん�ͺ�����
    • イイネ!15
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