腸活のためや便秘改善のために「バナナ」を食べている方も多いのではないでしょうか? しかし、実は体質によってはバナナが合わない人もいるのです。
ずぼらだけど薬膳のプロである筆者が、バナナが合う人と合わない人の違いと、タイプ別「便秘改善に役立つ食材」をご紹介します。
■薬膳的「便秘タイプ」4つ
薬膳のベースになっている中医学(中国伝統医学)では便秘にもタイプがあると考え、タイプごとに食べるべき食材が変わります。そのタイプは、おおまかに以下の4つがあります。
(1)パワー不足タイプ
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生命エネルギーである「気(き)」が不足し、便を外に押し出す力が弱くなり便秘を招いている可能性があります。普段から疲れやすく、排便後にも疲れやすい方に多いタイプです。
(2)冷えタイプ
胃腸が冷えていて胃腸を正常に動かすエネルギーが不足しているため、便が出にくい可能性があります。一年中身体が冷えていて、トイレが近く尿量が多い方に多いタイプです。
(3)熱がこもっているタイプ
食事やストレスが原因で身体に熱がこもり、うるおいが足りなくて便秘になっている可能性があります。味の濃いものや辛いものを好んで食べていて、ストレスをためがちな方に多いタイプです。
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(4)血不足タイプ
身体に栄養とうるおいを与える「血(けつ)」が不足するため、乾燥して便秘を招いている可能性があります。肌が乾燥して血色感がない、生理前に便秘になることが多いという方に多いタイプです。
バナナが合うタイプとは
上記のタイプのなかでバナナが有効なのは(3)のタイプです。なぜなら、バナナには身体にこもった熱をクールダウンさせ、うるおいを与える効果が期待できるからです。ヨーグルトも同じ効果が期待できるので(3)のタイプの方に合っています。
しかし、それ以外のタイプの方にはバナナは向いていません。むしろ、お腹が冷えて逆効果になる場合があります。ですから、「腸活=バナナとヨーグルト」と認識して食べ続けていると、便秘が改善されない場合があります。
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■体質別「便秘改善に役立つ食材」
パワー不足タイプ
じゃがいも、山芋、米、ほうれん草などの気を補う食材がおすすめです。
睡眠をおろそかにしないということも意識してください。
冷えタイプ
海老、ニラ、ねぎ、かぼちゃ、生姜、スパイスなどの身体を温める食材がおすすめです。
冷たいものを飲食すると、ますます便秘を招きやすくなります。加熱したものを食べるようにしましょう。
血不足タイプ
肉、鯖、まぐろ、ニンジン、鮭などの血を補う食材がおすすめです。
血も寝ている間に作られるので、睡眠不足は厳禁。目の使い過ぎも血が減りやすくなるので、目を休める時間をもつことも意識してみてください。
便秘=バナナやヨーグルトのイメージがありますが、実はこのように体質ごとで摂るべき食材が変わります。便をスムーズに排泄するためにも、ご自身のタイプに合う食材を味方につけましょう。
(薬膳ライフバランスプランナー/国際薬膳調理師/コラムニスト 倉口 ゆうみ)