梨田タイ大使のコロナ感染で日本人に批判殺到 懇親会でバレた「夜の社交場」のいかがわしい正体

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2021年04月14日 20:40  AERA dot.

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写真バンコク「原爆展」の開会式に出席したバンコク都のアサウィン知事(左)と梨田和也・駐タイ日本大使(C)朝日新聞社
バンコク「原爆展」の開会式に出席したバンコク都のアサウィン知事(左)と梨田和也・駐タイ日本大使(C)朝日新聞社
「日本の恥だ」

「日本でもタイでも一般国民に自粛を要請しておきながら、公人の行動として安易すぎる」

【写真】梨田大使が懇親会を行った「夜の社交場」はこちら

 梨田和也・駐タイ大使が新型コロナウイルスに感染したことが発覚し、現地の日本人社会のネットニュースでは批判の声が相次いでいる。

 在タイ日本大使館が梨田大使が首都バンコクのナイトクラブを訪れた後、コロナ感染が判明したと明らかにしたのは4月7日。しかし、同行した日本人が誰で何人いたのか、など詳しい行動履歴も明らかにしなかった。梨田大使は1984年に東京大学卒業後、外務省入省。エリート街道を進み、駐タイ特命全権大使に就任した人物だ。

 タイでは市中感染が収束傾向にあったが、3月下旬に入るとバンコクの日本人駐在員が多く暮らすエリアでクラスター(感染者集団)が発生。梨田大使が訪れたナイトクラブも、クラスターが起きた場所の1つとされている。

 大使の軽率と言わざるを得ない行為に、批判の声は止まらない。大使の感染経路がタイ語メディアでも報じられると、現地に住む日本人社会のみならず、タイ人からも「大使は辞任すべきだ」「日本人の集まる場所には行きたくない」といった怒りの声が現地のツイッターなどにも続出した。

 新型コロナの感染拡大を機に、タイでは日本人を含む外国人への感情が悪化していたが、それに追い打ちを掛けるように日本人のイメージを大きく損なう出来事となった。一連の事態に批判が集まるのは、大使館側の対応の遅さも影響している。

 梨田大使の感染については当初、日本の外務省が4月3日に発表していたが、行動履歴は明らかにされなかった。これについて大使館の幹部は、「3日時点ではどこで感染したのか把握できておらず、タイ保健省の調査の結果、7日にナイトクラブで感染した可能性が高いことが分かった」と説明する。

 しかし、感染場所を公表するに至ったのも、「記者からの追及で話さざるを得ない状況になったため」(同幹部)といい、それがなければ、行動履歴が公表されることはなかった可能性がある。

「金持ちが愛人を探しに来るような場所」

 大使館が公表を渋ったのは、その感染場所が現地でも「夜の社交場」として有名な店と推測されるからだ。大使は3月25日にバンコクの公邸で開催された外務大臣表彰の伝達式に参加。その後、プライベートで日本人らとバンコクのトンローにあるナイトクラブ「クリスタル」を訪れた。

 クリスタルはタイでは「コヨーテ」と呼ばれる高級キャバレークラブで、わいせつな衣装でショーを披露したり、女性らと一緒にカラオケを楽しんだりする場所だ。

 バンコクの風俗情報サイトによると、クリスタルの会員権は2万バーツ(約7万円)から購入が可能。非会員でもドリンク代や女性の接待料金などを含めると一晩1万バーツ以上はかかるとされ、バンコクでは高級価格帯の夜遊びスポットとなる。

 特に特権階級のタイ人が集まる「夜の社交場」として知られ、「おもむろに性サービスを提供するような風俗店ではないが、金持ちが愛人を探しに来るような場所だ」(日本人常連客)という。

 一方で大使館幹部は、大使がナイトクラブを訪れた理由について、「当時はタイ当局がナイトクラブの運営を認めていた。またクリスタルは大臣や著名人が集まるような場所で、いかがわしい場所とは考えていない」と説明。大使のナイトクラブ訪問を正当化した。

 大使はこのクリスタルを訪れた後、3月29日頃に体調不良を訴える。一時回復するも、ナイトクラブに同行した人物の感染が4月2日に明らかになったため、検査を受け、3日に陽性と診断された。その後、バンコク市内の病院で治療を受けている。いまだ明らかになっていないのが、大使の同行者だ。

 タイの国営メディアは、クリスタルでは日本人10人のうち、8人が新型コロナに感染したと報じているが、その内訳は明らかになっていない。大使館側も「大使館関係者ではない」と言うにとどめている。

 3月25日に梨田大使が出席した、外務大臣表彰の伝達式には、タイ東部を拠点に活動する「チョンブリ・ラヨーン日本人会」(以下、日本人会)の顧問<当時>が出席していた。また、同顧問は自身のフェイスブックで新型コロナに感染したことを報告している。

 関係者によると、同顧問だけでなく、複数の日本人会関係者が、同じ日に「クリスタル」を訪れていたことが分かっている。

 チョンブリ、ラヨーンはタイ東部の地名で、港や製造業の工場が集積する工業エリアだ。日本企業も複数の拠点を置いており、日本人会には自動車メーカーなど大手製造業の現地法人が会員として名を連ねている。

 一方、一連の事態に関する取材を申し込むと、日本人会の担当者は8日、「感染が確認された顧問は3月16日の総会で退任が決定していた。当会は4月1日より新役員で運営している。3月25日の式典は、団体とは一切関係が無い」と話し、説明責任はないとの考えを示した。

 複数の日本人会関係者がクリスタルを訪れ、感染者が出ていた事態についてもコメントしなかった。

 ところが一転、日本人会は9日、「新型コロナウイルス感染拡大に伴う一連のマスコミ情報について」と題した声明を発表。

「報道されている式典および懇親会は、チョンブリ・ラヨーン日本人会の主催した催しではない」と主張した上で、「参加された日本人の中に当時の役員が含まれている事実を把握している」と説明した。

 その一方で、日本人会から何人が式典や、クリスタルで行われた「懇親会」に出席し、何人が新型コロナに感染したのか、陽性者の行動履歴といった肝心の詳細については、公表しなかった。日本人会の説明には矛盾も見受けられる。

 同会は「新型コロナに感染した当時の顧問は既に退任しているため、日本人会とは関係がない」と説明している一方で、今年度から同顧問が日本人会が主催する「シラチャ日本祭り」の名誉実行委員長として活動することが明らかになっている。

 足元ではタイ国内の感染拡大は続いている。 タイで1日あたり2桁にとどまっていた市中感染者数は、4月6日に245人となり、11日には964人にまで拡大した。これを受けてタイ政府は9日、全国77都県のうち、バンコクを含む41都県の娯楽施設を対象に、バー、パブ、カラオケなどの娯楽施設を10日午前0時から23日まで営業を禁止することを決定。

 タイでは10日から始まったタイ正月の長期連休中で、例年ではお祝いムードが漂うが、クラスターの発生によって緊張感が高まっている。

 今すぐにでも感染者の行動履歴を詳細に公表し、接触した可能性のある人の自主隔離や、PCR検査を促すことで、二次感染を防ぐことに努めるべきだろう。

(東南アジア専門ジャーナリスト 泰梨沙子)






このニュースに関するつぶやき

  • 梨田 タイ 大使を罷免し たい。こんな人を野放しにするのは なしだ!
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  • 辞任しろ。
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