【予習】劇場版「コナン 緋色の弾丸」を見る前に、最低限おさえたい5つのポイント “赤井ファミリー”の解説も

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2021年04月16日 08:02  アニメ!アニメ!

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『名探偵コナン 緋色の弾丸』新ビジュアル(C)2020 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会
約1年間の公開延期を乗り越えて、劇場版『名探偵コナン』シリーズ第24作目となる『緋色の弾丸』がいよいよ4月16日より全国ロードショー。ようやく新作を観られる機会に、テンションが上がりきっている方も多いだろう。

ただ、懸念が一つ。『名探偵コナン』シリーズは原作発表から30年弱の歴史の中で、物語も登場人物もスケールアップ&複雑化してきた。
原作コミックはまもなく100巻・テレビアニメは25周年に到達し、面白さはいっそう増しているが、長寿シリーズの宿命か、いまやビギナーにはなかなか入りづらいコンテンツにもなりつつある。

しかし、それで敬遠してしまってはもったいない。劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』を心置きなく楽しんでいただくために、本稿では【最低限おさえておきたい5つのポイント】を解説する。観賞時のガイドに役立てていただければ、幸いだ。

Point:1 FBIの潜入捜査官・赤井秀一とは何者か?
劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』の売りは、赤井ファミリーが集合すること。
しかし、「赤井ファミリーって?」と疑問をお持ちの方もいることだろう。そこで、まずはこの部分をおさらい。まずは、中心人物である赤井秀一についてだ。



彼が初登場したのは、原作だと29巻。当初は謎めいた「敵か味方かわからない」存在だったが、34〜35巻で描かれた工藤新一&毛利蘭の過去編で、FBI捜査官であることが明かされる。
その後、巻を追うごとに彼の詳細が描かれ、「黒の組織に潜入していたが、想い人(灰原の姉である宮野明美)を黒の組織のジンに殺された」「射撃の名手で、頭脳明晰」「現在は正体を隠し、阿笠博士の隣人である大学院生、沖矢昴に変装」「コナンと多くの事件に遭遇する中で信頼関係を築き、現在は良き理解者であり頼れる仲間に」といった掘り下げが行われた。

ちなみに、劇場版では第18作『異次元の狙撃手』、第20作『純黒の悪夢』などで活躍。『異次元の狙撃手』では沖矢昴の正体が赤井秀一であることが示唆され、ファンに衝撃を与えた。
『純黒の悪夢』では、同じく黒の組織に潜入している公安警察官・安室透(降谷零)との直接対決も描かれた(安室の親友が命を落とす事件に関わっていたため、赤井は安室から憎まれていたのだ)。

『緋色の弾丸』では、FBIの過去に関わる事件が展開。赤井も動くことになる。

Point:2 本作で集結する“赤井ファミリー”について
『緋色の弾丸』の大きな見どころが、赤井秀一を長男とする「赤井ファミリー」が勢ぞろいすること。この一家の家族構成は、父:赤井務武、母:メアリー世良、長男:赤井秀一、次男:羽田秀吉、長女:世良真純となっている。
務武に関しては故人であり、英国の秘密諜報機関MI6のメンバーだった(メアリーも同様)。

この家族についてはまだ謎も多いのだが、判明している部分を紹介しよう。

MI6に所属中のメアリーはコナン同様に身体が小さくなっている。



羽田秀吉は将棋のプロ棋士で、警視庁の宮本由美婦警の恋人。



末っ子の世良真純は蘭や鈴木園子と同じく帝丹高校に通う女子高生。



それぞれに名字が違う理由は、父親がかつてかかわった事件によるものだと推察される。

ちなみに、赤井の生存を知っているのは羽田のみの模様。一方、メアリーは世良と暮らしている。
そのため、家族といっても全員がお互いの現状を把握しているわけではないのだ。そのため、『緋色の弾丸』の「赤井ファミリー集結」は、非常にレアな“事件”。ファンにとっては必見の内容というわけだ。

さらに、近年のコナン映画は原作と密接にリンクしており、『異次元の狙撃手』で沖矢昴の正体が赤井秀一と示唆されたように、「映画で新事実が発覚」するパターンも多い。
本作で赤井ファミリーの新事実が発覚する可能性が十分にあるため、ファンの期待値が高まっている。

ちなみに、世良はコナンの正体が新一だと確信している様子。両者の攻防も、『緋色の弾丸』のキーとなる。
→次のページ:Point:3 赤井の仲間であるFBIメンバーも、大活躍!

Point:3 赤井の仲間であるFBIメンバーも、大活躍!
赤井と共に日本で活動(といっても非公式ではあるが。黒の組織を追うため、潜伏中なのだ)しているFBI捜査官は、3人。彼らも本作で大活躍を見せるため、基本状況を把握しているとスムーズに物語に入り込めるだろう。

まずはジョディ・スターリング。両親を黒の組織のメンバーであるベルモットに殺され、承認保護プログラムを適用後、亡き父の遺志を継いでFBI捜査官になった人物だ。
一時期は帝丹高校の英語教師を務めており、その縁でコナンや蘭とも知り合いになる。赤井秀一の元恋人でもある。

そしてアンドレ・キャメル。赤井の部下であり、運転技術に長けている。かつて赤井と共に黒の組織を追っていた際にミスを犯してしまい、そのリベンジに燃えている。

彼らを束ねるのが、リーダーであるジェイムズ・ブラック。観察眼に長けた冷静な人物だ。
この3人は「日本での長期休暇中」という体で、黒の組織を追っている。

『緋色の弾丸』で彼らが動くのは、かつてアメリカで起こり、FBIの管轄だった連続拉致事件と酷似した事件が、日本で発生したから。さらに、FBIの元長官も登場するため、彼らにとってもかかわりの深い内容となる。

Point:4 コナン(新一)と蘭、灰原の現在の関係は?
『緋色の弾丸』を観る前に把握しておきたい部分には、コナンと蘭や灰原の関係もある。
幼なじみであり、お互いに思いあっていた新一と蘭は、ようやくお互いの想いを伝えて付き合うことに。



新一がまだコナンのまま元の姿に戻れない(正体も明かせない)ため、遠距離恋愛ではあるのだが、恋人同士となった。この前提を押さえておくと、『緋色の弾丸』の両者の電話シーンなど、関係性が理解しやすいはずだ。



また、『緋色の弾丸』ではコナンと灰原の連係プレーもしっかりと描かれる。かつてはコナンに対し恋心に近いものを抱いていた灰原だったが、現在は良き理解者へと変化した様子。
その辺りを汲んだストーリーが展開するため、バディ感あふれるシーンの背景にあるふたりの歩みをおさらいしておくと、より楽しめるのではないだろうか。



ちなみに蘭と灰原は、灰原が嫉妬に近い感情を抱いていたため、当初はあまり良好な関係に無かった。だが、蘭のまっすぐさが灰原の心を溶かし(コミックス31巻)、現在はわだかまりなく接せている。本作では蘭と灰原のやりとりも密に描かれ、ファン的には感慨深いものがある。

Point:5 通にも楽しめる、強力なスタッフ陣
『緋色の弾丸』を観る前に、スタッフ陣の“個性”も押さえておくと通な楽しみができることだろう。

まずは、本作の監督である永岡智佳について。テレビアニメ&劇場版シリーズで経験を積み、第23作『紺青の拳』で監督デビューを果たした彼女は、同作のきめ細かい心理描写で評価された人物だ。
元気なキャラクターのイメージが強かった鈴木園子が、恋人の京極真との関係に悩む中でかつてない表情を見せる演出など、キャラクターを深く理解した彼女の手腕は、『緋色の弾丸』でもいかんなく発揮されている。
蘭の照れ顔や灰原のホッとした笑顔、由美の泰然自若とした表情など、細かい部分にもぜひ注目いただきたい。

そして、脚本家の櫻井武晴。人気ドラマ『相棒』シリーズや、社会現象化した『ゼロの執行人』を手掛けた人物だ。刑事ものが得意な彼がFBIを書いたことで、ポリティカル・サスペンスの要素がより強まった。
コナンの「殺さずに逮捕する」とFBIの「脅威の排除が優先」といった信念がぶつかり合う展開や、要所に盛り込まれた社会派のセリフなど、引き付けられるワードの宝庫となっている。永岡監督と櫻井の相性の良さも、本作の大きな武器だ。

また、劇場版コナンといえば原作者の青山剛昌が絵コンテで参加しているのもお楽しみのひとつ。今回も、ある重要なシーンで彼の直筆の絵コンテが使われている。そちらも是非、楽しみにしていただきたい。

『名探偵コナン 緋色の弾丸』作品情報
2021年4月16日 全国東宝系にて公開

原作:青山剛昌「名探偵コナン」(小学館「週刊少年サンデー」連載中)
監督:永岡智佳  
脚本:櫻井武晴  
音楽:大野克夫
声の出演:高山みなみ、山崎和佳奈、小山力也、池田秀一 ほか
(スペシャルゲスト)浜辺美波
主題歌:東京事変「永遠の不在証明」 
配給:東宝 
製作:小学館/読売テレビ/日本テレビ/ShoPro/東宝/トムス・エンタテインメント
(C)2020 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会

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