「プラス1,000円でフルフラットシート」を猛アピールも、JALヘビーユーザーから冷ややかな視線のワケ【コラム】

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2021年04月16日 12:21  TRAICY

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日本航空(JAL)は、国際線ビジネスクラスのフルフラットシートを搭載した機材を、国内線の一部路線に投入し、普通運賃にプラス1,000円で利用できる「クラスJ」として運用している。同社は、特設サイトにて「ちょっと贅沢な国内旅行」とアピールしているものの、JALのヘビーユーザーからは冷ややかな視線が向けられているという。

国際線用ボーイング777-200ER型機を国内線に投入

JALの国際線機材では、ビジネスクラスのフルフラットシートが搭載された機材は複数あるが、現在、主に国内線に投入されているのは、ボーイング777-200ER型機(W63/W64)が中心だ。W63とW64と2種類の仕様があるものの、座席配置などに大きな差はない。

国内線ではクラスJとして使用されるビジネスクラスシートは「JAL SKY SUITE 掘廚26席、普通席として使用されるエコノミークラスシートは、シートピッチが若干狭いため「JAL SKY WIDER」としていないものの、「SKY WIDER」と同じ仕様のシートが286席搭載されている。両クラスともに機内エンターテイメントを個人用画面で使用できる。

この機材は、東京/羽田〜札幌/千歳・大阪/伊丹・福岡・沖縄/那覇線と、大阪/伊丹〜沖縄/那覇線で主に運用されている。1日の運用は1〜2往復程度が中心で、運用がないこともある。

JALの国際線機材では、国内線運用時に機内Wi-Fiサービスを提供していなかったが、現在は順次無料で使用できるようになっている。

なお、国内線への国際線仕様機材の投入は、ボーイング737-800型機、ボーイング767-300ER型機などでも行われている。一部機材を除き、国際線ビジネスクラスのフルフラットシートは搭載されていない。特設サイトなどではこの表記がなく、注意が必要だ。

一方で、国内線機材でのフルフラットシートの設定は、ファーストクラスシート含め一切ないため、極めて魅力的な座席となっていることは言うまでもない。

コロナ禍の影響で、機材運用が流動的に

JALのヘビーユーザーから冷ややかな視線が向けられている理由はいくつかある。そのうち、最も大きいのはコロナ禍の影響で、機材運用が極めて流動的になっていることにある。

 

コロナ禍の影響で需要が減少し、減便や機材変更が頻繁に行われるようになった。加えて、JALは国内線仕様のボーイング777型機をすべて退役した影響も大きい。このため、現在は最終的な機材の確定が概ね搭乗日の1か月前頃になっている。

早期に、この国際線仕様機材のフルフラットシートを狙って予約したとしても、機材変更のリスクが常に付きまとうのがデメリットだ。早期割引運賃では、機材変更による搭乗便などの変更は原則として受け付けていないうえ、仮に変更できるとしても、希望の時間帯に運航される保証は一切ない。

この国際線仕様機材に乗ることを狙っても、本当に乗れるかどうかは運次第で、"ハズレ"の確率も以前より大きくなっている。これを知っているヘビーユーザーは、国際線使用機材に狙って乗ることに対して、冷ややかな視線を向けるのである。

+1,000円で「クラスJ」が取れない?

冷ややかな視線を向ける理由はまだある。国内線「クラスJ」を+1,000円で利用できるシチュエーションは限定されている。クラスJを事前に予約するか、当日アップグレードするかの2択である。

クラスJを事前に予約する場合、「普通席の運賃にプラス1,000円で利用できる」ことになっているが、最も安価なウルトラ先得や、スーパー先得、先得割引-タイプBでのクラスJの設定は、2018年に終了している。つまり、普通席での最も安い運賃にプラス1,000円を加えても、クラスJが利用できるわけではない。

当日アップグレードは、特典航空券を含むどの運賃であっても+1,000円でクラスJが利用できる。距離が短い路線でも、長い路線でもアップグレード料金は同額のため、距離が長い東京/羽田〜沖縄/那覇線などでは、アップグレードを希望する人が多く、難易度が高めだ。また、当日アップグレードが可能な表示があっても、通路側や中央列のみしか残っていないことも多く、ガラガラな普通席のほうが快適であったという皮肉なことも多い。

フルフラットシートの当日アップグレードは無理?

さらに、国際線仕様機材の場合に限って言えば、当日アップグレードは現状だと極めて難しい。原因は人気の高さと、座席数の少なさだ。人気の高さは現状の注目のされ方や、他機材のクラスJと比較したスペックから説明する必要はなさそうだ。

クラスJの座席数に注目すると、エアバスA350-900型機の通常仕様(X01)が94席、国内線ボーイング767-300型機が42席であるのに対し、このボーイング777-200ER型機国際線仕様機材は26席だ。普通席の286席という席数に対しても、少なさが際立つ。

東京/羽田・大阪/伊丹〜沖縄/那覇線では、搭乗日より前に満席やキャンセル待ちとなることも多く、当日アップグレードは困難だ。もしアップグレードをしたい場合は、事前に空席を確認した上で他の乗客より早い段階でクラスJにアップグレードするか、上級会員として空席待ちに一縷の望みをかけるしかない。他の路線は曜日や運航時間帯によってよりけりだが、やはりアップグレードの人気はあるようだ。

やはり快適性が魅力 乗れれば"ラッキー"

筆者も国際線、国内線ともに、このフルフラットシートに複数回搭乗している。国際線では、独特なシートとして賛否両論があったものの、国内線の(公称)+1,000円で搭乗できるクラスJシートとしては極めて魅力的だ。

狙って乗ることについては冷ややかな視線を向けてしまうものの、乗れれば"ラッキー"という程度で、ぜひ利用を検討してみてはいかがだろうか。

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