方針転換で定番アプリを解禁、魅力を増した「Apple Arcade」

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2021年04月17日 07:21  マイナビニュース

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「広告なし」「課金なし」「暴力的な表現や性的描写を含むタイトルもなし」「月額600円ですべてのゲームが遊び放題」という安心感を売りに、鳴り物入りで登場したアップルの「Apple Arcade」。2019年9月にサービスを開始してから1年半ほどが過ぎましたが、多くの人が利用しているApple Musicとは対照的に、Apple Arcadeはいまひとつ伸び悩んでいる印象を受けます。

しかし、この4月にApple Arcadeは大型のアップデートを実施し、話題の大型RPG「FANTASIAN」を含む30本の新規タイトルを追加。ラインナップが一気に充実しました。

特に注目なのが、今回のアップデートで当初の方針を転換し、多くの人が知っている定番シリーズのタイトルを多く追加したこと。「定番ゲームもApple Arcadeならば広告&課金なしで遊び放題」になり、魅力が増したと感じます。「第2ステージ」に入ったと感じさせるApple Arcadeの変化をまとめてみました。

「誰もが知る定番ゲーム」がなかったApple Arcade

Apple Arcadeは、動画配信や音楽配信ではおなじみになった「毎月定額で楽しみ放題」というスタイルを取り入れたサブスクリプションサービス。月額600円の料金で180種類以上のゲームが遊び放題になります。現在主流の「基本無料」のゲームアプリでわずらわしいと感じさせる「広告」「課金」「暴力的な表現や性的描写」を排除しており、子どもにも安心して楽しんでもらえます。

Apple Arcadeは、同じゲームをiPhoneやiPad、Mac、Apple TVなど複数のデバイスで遊べるのも特徴。ゲームの進捗状況はiCloud上に保存されるので、「電車に乗っている時にiPhoneで遊んでいたゲームの続きを、自宅のiPadやApple TV、Macで楽しむ」といったことが手間なくスマートにできます。

このような特徴を備えたApple Arcadeですが、2019年9月のサービス開始以来、いまひとつ盛り上がりに欠ける印象が続いていました。その大きな理由は「キラータイトル不足」といえます。

当初、アップルはオリジナルタイトルを重点的にラインアップし、「ほかでは遊べないゲームがApple Arcadeなら楽しめる」ことを売りにしていました。しかし、裏を返せば「知らないゲームばかり」になってしまい、「誰もが知る定番ゲームをiPhoneでも遊びたい」と考えるゲームファンの関心をそぐ結果になっていました。
オリジナルタイトル偏重の方針を転換、人気シリーズを続々採用

この反省をもとにテコ入れを施したのが、4月2日に発表した大規模アップデートです。近日中の公開が予告されていた大作RPG「FANTASIAN」を満を持してリリースしたのが目玉ですが、誰もが知るビックタイトルもサプライズで追加され、大きな話題となりました。

それが、ゲームセンターなどで人気のリズムアクションゲーム「太鼓の達人 Pop Tap Beat」、プレイステーションシリーズでおなじみの定番ゴルフゲーム「みんなのGOLF」を開発したクラップハンズが手がける「CLAP HANZ GOLF」、家庭用ゲーム機で数多くのゲームをリリースしているプラチナゲームズのオリジナルタイトル「World of Demons - 百鬼魔道」などです。日本のデベロッパーが開発を担当したメジャータイトルが加わることで、Apple Arcadeのラインナップがグッと厚くなった印象を受けます。

App Storeの有料アプリをついにApple Arcadeで解禁

さらに注目したいのが、新たに「App Store グレイツ」と「クラシックコレクション」の枠を追加し、すでにApp Storeで提供されている人気アプリをついにApple Arcadeで解禁したことです。

App Store グレイツは「Monument Valley+」や「Threes!」、「Chameleon Run+」など、過去にエディターズチョイスを受賞したApp Storeの名作ゲームをArcadeでも遊べるようにしたもの。オリジナル版は有料のアプリでも追加購入なしでプレイでき、広告や追加の課金要素が設けられていたアプリもApple Arcadeの基準に合わせてなくしています。

クラシックコレクションは、ソリティアや数独、クロスワード、チェスなど、誰もが知る定番ボードゲームを集めたもの。こちらも追加購入や広告なしで楽しめるので、電車での移動中などちょっとした時間にサクッとプレイできます。

国内デベロッパーの大作追加や名作アプリの解禁などで、“ひと皮むけた”という印象を受けたApple Arcade。サービス開始当初に試したものの「思っていたものと違うな」と感じた人も、改めて試してみる価値はありそうです。再び巣ごもりが求められるようになった現在、家族そろって楽しんでみるのもよいでしょう。(磯修)

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