東芝買収、攻防激化=非公開化案に経営陣反発―英ファンドの「次の手」注視

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2021年04月17日 09:00  時事通信社

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時事通信社

写真東芝本社などが入居する「東芝ビルディング」=14日、東京都港区
東芝本社などが入居する「東芝ビルディング」=14日、東京都港区
 東芝買収をめぐり、水面下の攻防が激化してきた。株式の非公開化を求める英投資ファンドCVCキャピタル・パートナーズの初期提案に対し、上場維持を優先したい東芝経営陣は反発。ただ利害関係者の中には非公開化を支持する声もあり、経営陣の意向が通るかは不透明だ。政府や金融機関、大株主らは近く詳細な提案を行うとされるCVCなどの次の一手を注視している。

 関係者によると、東芝側役員は16日までに、今後も上場を維持する意向を主力取引銀行などに伝えた。株式非公開化を前提とするCVCの初期提案には否定的な見解を示した格好だ。東芝は同日、「現時点で(提案を)評価することは不可能。今後詳細な提案を受領した場合には慎重に検討する」とのコメントを発表した。

 東芝は1月、約3年半ぶりに東証1部に復帰したばかり。2017年の経営危機時には上場を維持するため、「物言う株主」らを引き受け手とする巨額増資を実施した経緯もある。今月6日に届いたCVCからの突然の非公開化提案に、ある役員は「非上場なんてとんでもない」と声を荒らげた。

 永山治取締役会議長は車谷暢昭前社長の辞任を発表した14日の記者会見で、CVC提案について「内容が乏しく、検討を要する問題が少なからずある」などと指摘。ある金融機関幹部も「透明性を大事にしてきたのに非上場になったら不透明な部分が出る。(方針転換を)どう説明するか」と語る。

 ただ、買収提案に対し株式を売却する立場となる株主の思惑は異なる。東芝に対してはCVC以外にも、米KKRなど関心を示すファンドは少なくない。東芝に出資する「物言う株主」らは、「東芝争奪戦」に発展して買収額がつり上がることに期待。株主の香港ファンドはCVCが提示した1株5000円の買い取り価格を「適正価格よりはるかに低い」とけん制した。

 また、東芝は原子力など安全保障上重要な事業を多く抱えており、政府の判断も焦点だ。ある関係者は「これを機に上場廃止し、国が事実上管理する方がいい」と述べ、今後の展開を見極める考えを示した。 
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