コロナワクチン接種 医療従事者未だ12%、高齢者は1日たった1139人 戦犯は「コネクトコンビ」?

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2021年04月17日 10:45  AERA dot.

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写真ワクチン集団接種会場視察などを終えて取材に応じる菅義偉首相。左奥は河野太郎行政改革相 (c)朝日新聞社
ワクチン集団接種会場視察などを終えて取材に応じる菅義偉首相。左奥は河野太郎行政改革相 (c)朝日新聞社
 16日、政府は「まん延防止等重点措置」を埼玉、千葉、神奈川、愛知に適用することを決めた。そんななか、編集部が入手した自民党の内部資料で、ワクチン接種が当初予定より大幅に遅れている実態がわかった。

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 AERA dot.編集部は、14日に開かれた自民党の新型コロナウイルスに関するワクチン対策プロジェクトチームの会合で配られた資料を独自に入手した。そこには、ワクチン接種が遅々として進んでいない状況が記されている。

 資料によると、ワクチン総接種回数(4月12日時点)は、医療従事者等約480万人のうち、1回目の接種を終えた人が約112万人、2回目が約56万人だった。割合にすると、それぞれ24%、12%しか終わっていない計算になる。高齢者3600万人を対象にしたワクチン接種も12日から始まったが、こちらに至っては初日の接種回数が全国でわずか1139回にとどまっている。

 接種を行う現場からは、政府のチグハグな対応に不満の声もあがる。

「なぜ私たち医療従事者の接種が終わっていないのに、高齢者の接種が始まるのか、理解に苦しむ」

 こう話すのはある大学病院に勤務する医師だ。感染対策をしているといっても、1日に何十人もの患者にワクチンを接種するとなると、医師らの感染リスクは高まる。そうならないための医療従事者の優先接種だったにもかかわらず、大半の医療従事者が未接種の状況で高齢者の接種も始まってしまったのだ。

 自治体も対応に追われている。茨城県日立市では高齢者用のワクチンの一部を医療従事者用に転用することに決めた。ワクチンが十分に届いておらず、15日時点で医療従事者の接種率は12%にとどまっているためだ。その他の自治体でも高齢者用のワクチンを転用する動きが出ている。

 なぜこのような事態になっているのか。政府関係者はこう語る。

「高齢者も打つことにしたのは、選挙目当て以外の何物でもない。また、現場が混乱している中で河野大臣が『自治体の接種体制が整うのにあわせてワクチンを供給している』など接種の遅れを現場に転嫁するような発言をし、現場の怒りを買っている。責任感のなさの表れでしょう」

 ワクチンが確保できない背景の一つとして、日本の国内でのワクチン開発力、生産力が世界と比べて弱いことが指摘されている。日本ワクチン学会理事などを務める長崎大の森内浩幸教授は「日本はワクチン後進国」と指摘する。

 ワクチン開発には多額の資金が必要なうえ、時間がかかると言われる。研究が行われても、最終的に実用化にまでたどり着けるのはごくわずかだ。また、できたとしても因果関係の有無にかかわらず副反応が問題視されると会社に致命的なダメージが生じる。メリットが大きくないため、日本の製薬会社では積極的な開発はされてこなかった。

 他方で海外では、こうしたワクチン開発には「ビジネスチャンスがある」として、積極的に投資が行われている。国も国防的な観点から支援してきた。例えば、メッセンジャーRNAワクチンという新しいタイプの新型コロナワクチンの開発に成功したモデルナには、13年の段階で米国防総省傘下の防衛先端技術研究計画局が多額の支援を行っていたと言われる。

 森内教授はこう語る。

「アメリカやイギリスなどでは安全保障の観点からもワクチン開発を支援してきた。バイオテロなどが起きたときに自国での対応がまず求められるからです。他方で日本はその必要性を十分には認識していないためなのか、十分な取り組みがなされてこなかった。その差がいま出ていると見ています」

 政府は4月からワクチン開発・生産体制強化のタスクフォースを立ち上げた。内閣府、厚生労働省、文部科学省、経済産業省の関係者で構成された組織だ。省庁横断的な議論を行い、ワクチン開発に向け迅速に動いていく構えだが、疑念の声もあがる。

「あの二人がまたいるのが気になる」

 こう語るのはある関係者だ。「あの二人」とは和泉洋人首相補佐官と大坪寛子厚労省大臣官房審議官。二人は昨年2月、公務での海外出張で二つの部屋がつながったコネクティングルームに宿泊していたことなどがわかり、「行政の私物化」と大バッシングを受けた人物だ。タスクフォースの議長は和泉氏が務め、メンバーに大坪氏も名を連ねる。

 関係者の間では、二人の実務能力にも不安の声があがっている。その背景にあるのは、日本医療研究開発機構(AMED)での実績だ。AMEDは、省庁の壁を越えて医療分野の基礎から臨床までの研究開発を支援するために15年に作られた組織。しかし、和泉、大坪両氏が運営にかかわることで、その理念は失われたという。

「前理事長が『我々の自律性は失われてしまっている』とAMEDの審議会で発言したのは、両氏の意向に沿って予算が決められていたからです。両氏によって各省庁の利益を追求しやすいように組織が変えられてしまった。タスクフォースでも、結局同じような結果になるのではないでしょうか」(前出の関係者)

 自前でのワクチン開発はおろか、ワクチン調達の先行きも見通せない現状。政府には具体的な成果が問われている。

(文/AERA dot.編集部・吉崎洋夫)

このニュースに関するつぶやき

  • いろんな方々が、ワクチン開発の芽を潰してきたんじゃないのかな?
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  • ワクチン接種がものすごく大きな国家プロジェクトであることを書かず、数字を徹底的に矮小化した記事にする。あきれかえるしかない。
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