Snow Man阿部亮平「受験英語は海外で通じない」が誤解だと気づいた瞬間

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2021年04月18日 16:10  AERA dot.

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写真※写真はイメージ(Getty Images)
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 知性派芸能人としてクイズ番組でも大活躍中の阿部亮平さん。意外にも英語に対しては苦手意識があるという。英語をめぐるエピソードを、現在発売中の「AERA English 2021 Spring & Summer」(朝日新聞出版)にたっぷり語ってくれた。

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 誰もが認める努力家だ。小学5年生でジャニーズ事務所に入所し、多忙な芸能活動の中で高校受験・大学受験を乗り越え、大学院の修士課程まで修了した。気象予報士の資格と世界遺産検定2級も持つ。

 そんな阿部さんがプライベートで英語を勉強中だと聞いて、さっそくインタビューを申し込んだ。すると「本当にぼくでいいんですか? 英語はけっして得意ではないんです……」と、本人は驚くほど謙虚なのだ。しかし、その言葉を鵜呑みにはできない。出身の上智大学は、入試の英語は問題数が多く難易度が高いことで定評がある。しかも大学院は理系専攻。英語の論文を読む機会も多かったのでは?

「そうなんです! だからホントにホントに大変でした。大学受験のときには『速読英単語』をひたすら繰り返して勉強したし、センター試験直前の初詣も、『キクタン』を聞きながらお参りしました。大学院時代も英語には苦しめられましたね。参考文献の論文はほとんどが英語なので、読むのがまた大変で……」

 自動翻訳に頼ったりしなかったんですか?と聞くと「やってみたんですが、ますますわからなくなっちゃうんですよ」と苦笑する。

 そんな宿敵のような存在である英語と、再び向き合い始めたのは2 年前。英会話スクールのマンツーマンクラスをオンラインで受講しているという。どうして習い始めたのですか?と聞くと、「英語が通じるって、すごくうれしいですから」と、今度はまっすぐな笑顔で答えてくれた。

■今度は自分のために英語を学び直そう

「ぼくの英語って、ほとんどが受験英語なんです。中学時代に英検準2級をとりましたが、それも受験のため。だから『海外に行っても、自分の英語なんて通じないだろうなぁ』と漠然と思っていたんです」

 それが誤解だと気づいたのは6年前、「滝沢歌舞伎」の公演で訪れたシンガポールでのことだった。軽いケガをして現地の医師の診察を受けた。英語で症状を聞かれたが、「意味がわかる」と思った。しかも、受験で学んだ英単語を頭の中から引っ張り出して症状を説明すると、医師はすんなり理解してくれた。

「ケガの不安もあったので、医師と英語で意思疎通できたことが本当にうれしかった。英語の勉強をしてよかったな、伝わるっていいなぁって思いました」

 だからこそ、大学院を修了して少し時間の余裕ができたとき、「英語を学び直そう」と思えたのだ。今度は受験のためではなく、自分のために。

「海外旅行のとき、自分でチケットを取ったり、レストランやカフェで注文したり、そういうことが自然にできるようになりたいんです」

 一番行きたい国は?と聞くと、「世界遺産を巡る旅をしたい」と目を輝かせる。

「英語圏ならニューヨーク。ブロードウェーの舞台を理解できるくらいの英語力をつけたいですね。あとは、スペインのバルセロナでガウディのサグラダ・ファミリアを見たい。実はぼく、建築家にあこがれていたこともあったので、そのころから行きたいと思っていました」

 しかし、コロナ禍で海外旅行が難しい時代になってしまった。

「残念です。だからこそ、いまのうちに日本で英語を学んで、準備を整えておこうと思います」

 受験英語を徹底的に学んだ阿部さんにとって、「会話のための英語」は新鮮に感じることも多いという。

「中学時代に習った単語がよく出てくるんですが、使い方のバリエーションがものすごく多いんです。たとえばbookは『本』だけじゃなくて『予約する』でよく使います。あと、haveの登場回数もめちゃくちゃ多くて、『こんな使い方もあるんだ!』って驚かされるんです」

 そんなとき阿部さんは、中学生のときに受けた英検の面接試験を思い出すという。

「面接のとき、“I’d like to”の意味が全然わからなかったんです。“like”って好きという意味しか学校で習っていなかったから、中2のぼくは本当に焦りました(笑)」

 英会話教室や塾で英語を学んでいる中学生なら、もしかしたらとっくに知っている構文だったかもしれない。でも阿部さんは、市販のテキストだけを頼りに一人コツコツ勉強する中学生だった。それは英検のときだけではない。高校受験も大学受験も、塾や予備校に通うことなく自分の力だけで乗り越えてきた。

「大学受験直前に予備校の短期講座を受講しましたが、基本は通信教材と問題集です。ぼくの勉強時間は、舞台や撮影の待ち時間、控室の中、移動の途中……すき間時間が中心だったので、それが最適な方法でした」

 そうやって芸能活動と学生生活を両立させてきた阿部さんだが、英語に関しては小さな後悔がある。

「英語の小説や新聞など、長文をもっとたくさん読むべきでした。速読力がつくと受験でも高得点が狙えるし、生きた英語に触れる機会にもなったんじゃないかなと思うんです」

■苦手な学習は興味のあるジャンルからこじ開ける

 最近はクイズ番組に出場し、次々に正解を繰り出す姿が印象的だ。クイズのための勉強にもコツがあるのだろうか。

「漠然と勉強するのではなく、自分の興味のある分野から始めるといいと思います。ぼくは理系人間なので、社会科分野が苦手なんです。でも海外旅行には興味があるので、世界遺産なら勉強したいなぁって。そしたら地理だけでなく、歴史や文化の知識も増えるんですよね。少しでも興味のある部分から苦手をこじ開けていく、そんな感じです」

 常に前向き。常に一生懸命。さわやかに生きる阿部さんには、18歳のときに出合った「座右の銘」がある。

“make each day one’s masterpiece”

「実はこれ、入試本番の英語の問題の中にあった文章なんです。この言葉が、なぜか心に刺さりました。『今日一日を大切にして生きていけば、その積み重ねの中で道が開けていくのかな、未来はいろんな方向につながっていくのかな』って……。そんなことを試験中に考えるなんて、のんきな受験生ですよね(笑)」

 なにかと批判されがちな受験英語だが、阿部さんは確かにそこで「英語」と出合った。テキストと真摯に向き合い、拾い集めた言葉たちが、阿部さんのいまを輝かせている。

◆阿部亮平(あべ・りょうへい)
1993年千葉県生まれ。2004年にジャニーズ事務所に入所、年にジャニーズJr. 内グループSnow Man 結成、20年CDデビュー。上智大学理工学部在学中に、合格率4%の気象予報士試験を突破、世界遺産検定2級も取得。18年上智大学大学院理工学研究科修了。

(文/神素子)

※「AERA English 2021 Spring & Summer」より

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  • 単語を並べれば意思疎通ができると、英単語の棒暗記に走る日本人学生の誤解はいつまで続く。。
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