見たことあるようで実在しない?ネットに散らばる画像から「この世にいない猫」の顔を作るサイト

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2021年04月18日 18:01  おたくま経済新聞

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見たことあるようで実在しない?ネットに散らばる画像から「この世にいない猫」の顔を作るサイト

 AIによる画像認識は、個人の判別だけでなく、全く新しい「どこかで見たような顔」も作り上げることが可能です。ネットに散らばる画像をもとに、どこかで見かけたような気がするけど、実はこの世に存在しない……という猫の顔画像を生成して提供する「This Cat Does Not Exist」というサイトがあります。


【その他の画像・さらに詳しい元の記事はこちら】


 この「どこかで見たような気がするけど実在しない猫」画像サイト「This Cat Does Not Exist」は、ライアン・フーバー(Ryan Hoover)さんによるもの。ネット上に散らばる数々の猫画像データを収集し、AIによって新たな猫画像(最大512×512ピクセル)を生成します。ページを再読み込みするごとに、違う「実在しない猫」画像が表示されます。


 これの元になっているのは、GPUの「GeForce」シリーズで知られるアメリカの半導体メーカー・NVIDIAの研究者、テロ・カラス(Tero Karras)さんらのチームが開発した「StyleGAN(形態を基にした対立的生成ネットワーク)」という画像ジェネレータ。任意の2つの画像から顔のパーツや肌の色といった要素を抽出、AIによって掛け合わせ、モンタージュ写真を作るような要領で「実在しない顔」を効率的に生成するというものです。


 最初のバージョンは2018年、機械学習の主要なカンファレンスである「ICLR(International Conference on Learning Representations)2018」で発表され、年々その機能が強化されてきました。最新版は、コンピュータビジョンとパターン認識の主要カンファレンス「CVPR(Conference on Computer Vision and Pattern Recognition)2020」で発表されたもの。


 これらのソースコードは、GitHubのNVIDIA研究所(NVlabs)ページで公開されており、NVIDIAが定める規約に基づいて誰もが利用可能となっています。ライアン・フーバーさんは、このStyleGANを猫画像生成に応用したという訳です。


 ライアン・フーバーさん以外にも、StyleGANを使った「実在しない画像」を生成するサイトは数多くあります。


 これらを紹介するまとめサイト「This X Does Not Exist」を見てみると、架空のアニメキャラを生成するサイトや、存在しないスタートアップ企業の公式ページを生成するサイト、実在しない家の紹介ページを作るサイトなど、様々な「実在しないもの生成サイト」があって楽しいですよ。


<出典・引用>
This Cat Does Not Exist
This X Does Not Exist
NVIDIA Analyzing and Improving the Image Quality of StyleGAN
※画像は「This Cat Does Not Exist」および「This X Does Not Exist」からのスクリーンショットです


(咲村珠樹)


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