ドライはポルシェ強し。PC Okazaki 911 GT3Rが2年連続でSUGOを制す【S耐第2戦SUGO Gr-1決勝】

0

2021年04月18日 22:41  AUTOSPORT web

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AUTOSPORT web

第2戦『SUGOスーパー耐久3時間レース』グループ1決勝 スタートの様子
4月18日、スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook第2戦『SUGOスーパー耐久3時間レース』のグループ1の決勝レースが行われ、最高峰ST-Xクラスは16号車PC Okazaki 911 GT3R(永井宏明/上村優太/中山雄一)が今季初優勝を獲得した。

 今シーズンも2グループに分かれて決勝を行うことになったSUGOラウンド。今季はST-2、ST-3の2クラスがグループ2に加わることになり、グループ1は全5クラス25台でスタートを迎えた。

 6台が参戦するST-Xクラスでは、ポールポジションスタートの31号車LEXUS RCF GT3は小高一斗を、4番手スタートの9号車MP Racing GT-Rは影山正美とそれぞれエキスパートドライバーが第1スティントに乗り込み、リードを築く作戦に。ほか4台は第1スティントにジェントルマンドライバーを送り出し、中盤第2スティントから後半にかけてスパートをかける作戦を選択した。

 13時58分にグリーンが点灯し、レーススタートを迎えると、早々から9号車MP Racing GT-Rの影山が1コーナーで777号車D’station Vantage GT3の星野敏を、ヘアピンコーナーで290号車Floral UEMATSU FG 720S GT3の植松忠雄をパスし、2番手に浮上する。ここから31号車小高と9号車影山のトップ2台がデッドヒートが繰り広げ、6周目には3番手以下を10秒引き離すかたちに。

 一方、予選の雨に翻弄され、ST-Xクラス最後尾となる6番手からのスタートとなった16号車PC Okazaki 911 GT3Rの永井宏明は81号車DAISHIN GT3 GT-Rの大八木信行をかわし、5番手に浮上すると、続いて13周目には777号車星野をかわして4番手にポジションを上げる。

 ST-Xクラス各車が他クラスの次々とラップダウンのなか、15周目に9号車影山が31号車小高をパスしてトップにおどり出た。

 レース開始から1時間が経過した35周目、81号車DAISHIN GT3 GT-R、777号車D’station Vantage GT3がピットイン、38周目には16号車、39周目には290号車もピットインし、ジェントルマンドライバーからバトンを受け継いだプロドライバーが3番手以降から各車追い上げの体制に入る。一方、首位争いを展開する9号車、31号車は1秒差のなかでの接戦を続ける。

 45周目に31号車が先にピットに入ると、9号車は48周目ににピットイン。9号車がコース復帰すると31号車の前をキープすることに成功し、9号車は柴田優作、31号車は嵯峨宏紀にドライバーは替わるも2台の接近戦はときに順位を入れ替えながら続いた。

 88周目、3番手を走る16号車に26秒差を築いた31号車がピットインし永井秀貴に、続いて89周目に9号車がJOE SHINDOにドライバーチェンジを実施。ジリジリとトップ2台とのギャップを縮めた16号車中山雄一は91周目にピットインし、上村優太にドライバー交代を行いピットアウトすると、16号車が31号車の前でコース復帰を果たし、2番手に浮上する。さらに777号車近藤翼も31号車をかわして3番手にポジションを上げる。

 レース時間も残り45分をきったところでST-Xクラスは2番手から5番手までが3秒以内という大接戦が展開された。首位のJOE SHINDOを1周2秒縮める2番手上村のトップ浮上も時間の問題かと思われたなか、110Rコーナー手間のストレートで9号車MP Racing GT-Rと、ST-Zクラスの70号車COMET RACING AMG GT4が絡むクラッシュが発生し、セーフティカーが導入される。

 クラッシュした2台のマシンの回収が進むなか、安全にコース上のオイル処理を行うため、16時25分に赤旗が掲示されレースは中断され、全車がホームストレート上に停車。多くのドライバーがマシンを降りてしまう。その後16時43分にセーフティカー先導でレースは再開、そのセーフティカーも残り時間9分弱というところで解除され、レースは超スプリントの大激戦となる。

 リスタートを決めた16号車上村は、翌周には777号車近藤とのギャップを1.2秒に広げると、さらに自己ベストを更新しながらリードを拡大。一方、777号車近藤の背後には3番手の290号車川端伸太朗が接近するも、近藤はポジションを死守する。

 109周を走った16号車PC Okazaki 911 GT3Rは、最終的に2位777号車に5秒のギャップを築いてトップでチェッカーを受け、昨年に引き続きSUGOラウンドを制した。ウエットでは苦しんだものの、ドライコンディションでのハンコックタイヤとのマッチングの良さを見せつけたかたちとなった。2位は777号車D’station Vantage GT3(星野敏/藤井誠暢/近藤翼)が、3位はFloral UEMATSU FG 720S GT3(植松忠雄/澤圭太/川端伸太朗/井出有治)が獲得している。

■最も多くの台数が参戦したST-Zクラスも大激戦

 14台が参戦したST-Zクラスは、7番手スタートのTKRI 松永建設 AMG GT4の元嶋佑弥が2周目に5番手にポジションを上げると、勢いは止まず。

 7周目の1コーナーで47号車D’station Vantage GT4の織戸学を、8周目の1コーナーで3号車D’station Vantage GT4の山内英輝を、13周目に500号車5ZIGEN AMG GT4のジェイク・パーソンズをパスする猛烈な走りで序盤から2番手に浮上する。

 そんななか、20周目の1コーナーでトップの311号車FABULOUS GRMI GRSUPRAGT4の塩津佑介にオーバーテイクを仕掛けた元嶋だったが、その隙をついた47号車織戸が元嶋をかわして2番手にポジションを上げる。そんななか、23周目に311号車塩津が1コーナーでわずかにオーバーランを喫し、47号車織戸がST-Zクラストップに浮上する。

 23号車元嶋は36周目にピットインし、DAISUKEに交代。DAISUKEは安定したペースでポジションを落とすことなく75周目に再び元嶋に交代。依然として上位勢は瞬きすらできない接戦が繰り広げられた。

 そんななか、110Rコーナー手間のストレートで9号車MP Racing GT-Rと、ST-Zクラスの70号車COMET RACING AMG GT4が絡むクラッシュにより赤旗が掲示され、レースは仕切り直しとなる。

 トップは23号車元嶋、2番手に3号車内田優大、3番手に500号車⾦⽯年弘、4番手に311号車鈴木宏和というオーダーで残り9分間のリスタートを迎えた。トップ2台のポジションは揺るがず、ST-ZクラスはTKRI 松永建設 AMG GT4(DAISUKE/元嶋佑弥)が制した。

 2位にENDLESS AMG GT4(内田優大/山内英輝/菅波冬悟)が続いた。表彰台争いの勢いは5番手に続いた47号車篠原拓朗にあり、チェッカーまで果敢にポジションアップを狙い続けた篠原が0.102秒差で金石をかわし、3位でチェッカーを受けている。

 3台が参戦したST-1クラスは、71号車CSダイワN通商アキランドポルシェ、2号車シンティアム アップル KTMの2台がピットスタートとなったなか、ノートラブルで、なおかつST-Zクラスの全車を上回る総合6番手でチェッカーを受けた38号車muta Racing GR SUPRA(堤優威/阪⼝良平/堀⽥誠)が制した。2位はCSダイワN通商アキランドポルシェとなる。前戦の覇者、2号車シンティアム アップル KTMはリタイアに終わった。

 孤軍奮闘となったST-Qクラスの28号車ORC ROOKIE Racing GR SUPRA(蒲生尚弥/豊田大輔/山下健太/小倉康宏)、ST-TCRクラスの75号車おとぎの国 CIVIC TCR(塚田利郎/蘇武善和/霜野誠友/清瀧雄二)の2台は、ともに完走を果たしている。

 スーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook、次戦となる第3戦『NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース』は、5月21〜23日に富士スピードウェイで行われる。

    ランキングスポーツ

    前日のランキングへ

    ニュース設定