「ステレオタイプの幸せ」「理想の自分」をあきらめる勇気が、生きやすさのヒントだった

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2021年04月19日 06:41  ダ・ヴィンチニュース

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写真『あきらめる勇気』(古宮昇/フォレスト出版)
『あきらめる勇気』(古宮昇/フォレスト出版)

 コロナの影響で、誰しも多少は「したい・こうなりたい・手に入れたい」と思っていた物事をあきらめざるを得なくなった。だが、『あきらめる勇気』(古宮昇/フォレスト出版)によれば、「あきらめなければならない」ではなく、「積極的にあきらめる」ことで、自分にとって本当に大切なことにフォーカスし、時間と労力を使えるようになり、人生がより幸せに満ちたものになるという。

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 では、「積極的にあきらめる」とは、どのように行うのだろうか。本書によれば、「あきらめる」ためには、5つのポイントがある。

(1)死ぬ運命に直面する

(2)自分の心の声を聴く

(3)安定した心になる

(4)あなたにとって「ホンネで大切なこと」を明らかにする

(5)感謝の思いで生きる

「あきらめる」ためには、まず、人生が有限であることを受け入れる必要がある。本書には、「真に生きないうちに死が来て、真に生きるチャンスを永遠に失ってしまう」ことほど恐ろしいものはない、と述べられている。人生の残り時間はどんどん減り続ける。しかし、「今・ここ」を生きることで、死の恐怖にさいなまれなくなるという。

 死ぬ運命を受け入れたら、次は自分の心の声を聴く。自分にとって本当に大切な物事は何かを問うのだ。もしかしたら、これまでに抱いていた「ステレオタイプの幸せ」や「理想の自分」とは違った、別の大切な物事が見えてくるかもしれない。しかし、自分の“本当の声”を聞くのは簡単ではない。本書によれば、安定した心の状態が必要だ。例えば、会社や仕事に対して怒りや恨みがあるなどで不幸な現実から逃げたいと考える転職は、自分の内なる素直な声からの行動ではない、という。安定した心の状態から発せられた声ではないからだ。自分の成長のためさらに上のステージを望むべく新しい環境で挑戦したい、といった心がポジティブに安定しているときの声が、このポイントでの「自分の心の声」となる。

 ここまでの準備が整えば、自分にとって「ホンネで大切なこと」を明らかにするフェーズに入る。例えば、テスト勉強はギリギリに追い込まれるまでしないし、授業に遅刻はするが、大好きなテーマパークに行くための準備は進んで行い、夜行バスに遅刻しない、という学生は、勉強に対する意志が弱いのではなく、勉強への価値観が低い。他方、テーマパークに対する価値観は高い。自分にとって高い価値観の物事こそ、本書がいう「ホンネで大切なこと」であり、これに熱中するために他の価値観が低い物事は「あきらめる」。しかし、勉強すべてをあきらめれば、テーマパークに行くことに支障をきたすことは必至なので、両立するための前向きな工夫は必要だ。

 本書は、自分の価値観を明らかにするためのワーク「ディマティーニ・バリューファクター」を紹介している。13個の質問からなるもので、それぞれ3つずつ答えを書き出し、自分の価値の優先順位を把握する。

 例えば、次のような質問だ。

質問1・あなたの空間をもっとも多く占めているものは何ですか?
質問3・もっとも元気が出て夢中になることは何ですか?
質問9・何について、自分自身によく語りかけますか?

 積極的にあきらめながら、自分の現在についても過去についても感謝の思いでいれば、より多くの恵みを受け取りながら生きることができる、と本書には綴られている。人との接触が制限されているいま、奇しくも自分と向き合える時間は増えている。ウィズコロナ、アフターコロナの時代をよりよく生きるため、本書で新しい自分の生き方を模索してみるといいのかもしれない。

文=ルートつつみ

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  • あきらめる、積極的に取捨選択をする。当たり前と言えば当たり前。
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