不安の感情、すぐ消そうとするのはNG? 「神子育て」の著者が“不安解消の3つのステップ”を解説

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2021年04月19日 10:40  AERA dot.

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写真※写真はイメージ(gettyimages)
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 新入学や新学期の時期は、親子ともども不安を抱えやすい。新刊『神子育て』を上梓した星渉さんに、すぐにできる不安解消術を聞いた。AERA 2021年4月19日号の記事を紹介する。

【写真】新刊『神子育て』が出た星渉さん

*  *  *
 私は今までおもに起業家の方に向けて多くの講座や勉強会を行ってきましたが、受講者の方からの「不安」に対する質問ってすごく多いんですね。

「会社を辞めて起業したけれど、これから一人で稼いでいけるかどうか不安」「新しい事業がうまく立ち上がるかどうか不安」などです。

 やはり、人間は新しい環境に移るときは不安を感じて当然なんです。

 それは、子育てにおいても同じです。お子さんが新入学、新学期になったときに不安を感じるのもごく自然なこと。「元気いっぱいの新1年生」というのは都合のいい理想像かもしれません。同じく、親御さんたちがこの時期に漠然とした不安を感じるのも、もっともです。お子さんが今までと違う環境で生きていくわけですから、もしかしたら子ども以上に不安を感じてしまうかもしれない。

 まずは大前提の話ですが、「不安」という感情は悪い感情ではありません。だから、「なくさなければならないもの」と考えて自分を追い込まなくていいんです。むしろ、無理に消そうとすると余計、増大してしまう可能性があるのです。

■脳は今のままを優先

 不安というのは、「脳からの警告」です。

 そもそも私たちが生きていく上で脳が最も大切にしていることは何だと思いますか?

 それは、「死なないこと」です。つまり、今あなたが「ちゃんと生きている」のであれば、脳は現状を維持しようとする。このような脳の「変化を止めようとする働き」のことを、「心理学的ホメオスタシス(心理学的恒常性)」といいます。

 つまり、脳が最優先にしているのは「今のあなたのままでいること」。ですから、あなたが新しいことを始めようとすると、脳は邪魔をしようとします。

「今の状態で生きていられるんだから何かを変える必要はないよ」「新しいこととか始めないでくれ」という感じですね。

 これが、不安の正体です。

 ですから、もし不安な気持ちが生じたら、自分の心が弱いのではなく、「心理学的ホメオスタシスが働いている」と考えるべきです。

 このように、まずは不安の正体を知っておくことはとても大事です。

 もしあなたが不安を消そうとしたらどうなるでしょう? 脳は「まずい! 気づかれていないのかも」と、どんどん不安を増長させてしまいます。

 つまりまず第一にやるべきは「今自分は不安に思っている」と認めること。そして「不安に思ってもOK」と思うことですね。これまで説明してきたように、不安になるのは脳からの警告。ですから不安を敵視するのではなく、「不安はあるよ、認識しているよ」と脳に伝えるのがいい。そうすると不安はそれ以上大きくなりません。これは、「自己受容」というのですが、どんなときでもありのままの自分を認める、つまり「自己受容」できる人というのは幸せに生きることができます。

■不安を紙に書き出す

 不安を消したい、もしくはすぐに不安になってしまう自分を直したい、と思うのではなく、「不安はあってOK、不安になってしまう自分もOK」と思う。これが不安対処法の第1段階です。具体的には「大丈夫、大丈夫」と自分に声をかける、「ま、いっか」と、自分に言ってみるなどですね。脳は言葉に影響されますから、とりあえずポジティブな言葉に変換してみるのも手です。

 次に、何に対して不安に思っているかを明確にしていきます。「何かわからないけれど、漠然とした不安がある」では、対処することができません。

 例えば、今自分が子どもに感じている不安を紙に書き出してみます。

 子どもがクラスになじめるかどうかが不安なのか、このコロナ禍の中できちんと授業ができるかどうかが不安なのか、子どもが勉強についていけるかどうかが不安なのか。

 頭の中でぼんやり考えているだけでは絶対に解決しません。紙に書き出すことで、不安が「見える化」され、物質化されます。それによって、頭の中でぐるぐるリピートしてしまうことがなくなるんですね。きちんとした文章になっていなくてもいいんです。とりあえず今の心の内をメモしてみる気持ちで書いてみます。やってみると、頭の中が整理されて視界が開けてくるはずです。

 最後にやりたいのは「課題の分離」です。先ほど書き出した不安の内容を自分でコントロールできるものとできないものの二つに分けます。

 そして、自分のコントロールできるものだけに集中し、できないものは無視します。

 たとえば、「コロナ禍できちんと授業ができるかどうか」が不安であったとしたら、コロナの状況を自分が止めることはできない。だったらそれは考えず、子どもが帰ってきたら授業の様子を少し丁寧に聞いてみる、授業の内容が足りないようなら学校外で勉強する場を見つけてみる、など自分がコントロールできるものに思考を集中させる。これが正しい対処法です。

(構成/AERA with Kids前編集長・江口祐子)

※AERA 2021年4月19日号より抜粋

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