親が“ありがとう”を言わない「感謝軽視バイアス」が子育てに影響するのはなぜ?

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2021年04月19日 10:50  AERA dot.

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写真※写真はイメージです(gettyimages)
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 親なら誰もが経験する、子育て中のイライラ・怒り。朝なかなか起きてこない、朝の準備が遅い、ご飯をこぼす、宿題をしないでゲームばかりしている……。子どものいい分もわかるものの、つい声を荒げてしまって自己嫌悪……そんなことはありませんか?そこで、話題の新刊『科学的にイライラ怒りを手放す 神子育て』の著者である、作家・講演家の星渉さんに「これを知っているとイライラする回数が減る」という対処法を教えていただきました。今回は、「ありがとう」という言葉の使い方を考えます。

*  *  *
「ありがとう」は、相手を喜ばせるだけでなく、相手に自己重要感を与え、結果的に自分の言うことも聞いてくれるようになる最強の言葉です。周りの人に「ありがとう」を伝えることであなたの味方がどんどん増えるイメージです。

 それに、「ありがとう」が最強の理由がまだあるんですよ。なんだと思います? 「他の人はあまり言っていないから」というのが答えです。

 つまり、感謝することをみんな軽くみているよ、ってことなんです。専門用語で言うと「感謝軽視バイアス」っていう言葉になります。

 ありがとう、と言うことが大事なのを我々はわかっている。でも、今日何回ありがとう、って言いましたか?って問われると微妙じゃないですか? もしかしたら、1回も言っていないかもしれない。

 日常で「ありがとう」と言えるタイミングってけっこうあるんですよ。まずは何かをやってもらったときに私たちがよく言う「すみません」。これを「ありがとうございます」に変えてみる。家族であれば、ふだんの何げない行動や、やって当たり前のこと(子どものお迎えに行ってくれた、お皿を下げてくれた)にも、あえて「ありがとう」と声に出してきちんと言ってみる。

「いつも言っていないタイミングで、わざわざちゃんと言ってみる」

 ということがポイント。とはいえ、これ、言い慣れていないとなかなか口から出てこないんですよ。

 だから、もう口癖にしちゃうといいんです。

 私もかつて、日本一の個人投資家と言われた故・竹田和平さんが1日3千回ありがとうと言っていたと知り、同じことをやってみようと思ったんですね。毎朝約40分、身支度やその日の仕事の準備などをしているときに、「ありがとう、ありがとう」と言い続けてみたんです。そうすると、50〜60回くらい言ったところで、ろれつが回らなくなるんです。そのとき、「ありがとう」って意外と言い慣れない言葉なんだなあ、ということを実感しましたね。

 それでも1ヶ月ぐらい言い続けると完全に体に入り、ふだんの会話の中でスッと出てくるようになりました。ですから、今まで経営者の方たちにも、1日何回も「ありがとう」を言う練習をすることをアドバイスしていました。だってそれが相手の自己重要感を満たす最強の方法なんですから、経営者の方ほど部下や取引先の人に言うべきなんです。

 さらに「ありがとう」をバージョンアップさせる言い方をお教えします。

「〇〇してくれてありがとう」と相手の行動に対して言うのでもいいんですけど、相手の性格とか存在に対して褒めてあげるともっといいんです。「〇〇してくれてありがとう。やさしいね」とか「〇〇してくれてありがとう。すごく頼りになるよ」とか。

 このように行動+存在を褒めながら感謝を伝えることこそ合わせ技一本! 相手の自己重要感を最高に高めます。お子さんに言うなら「生まれてきてくれてありがとう」「ママの子でいてくれてありがとう」などを伝えるのもいいですね。

 これこそ、かけがえのない素敵な言葉だと思いませんか?

※星渉さんの新刊『科学的にイライラ怒りを手放す神子育て』(朝日新聞出版)から

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