吉村大阪府知事の「見回り隊」に非難ゴウゴウ アルバイト大量動員、警察同行など「強権過ぎる」

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2021年04月19日 19:15  AERA dot.

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写真見回り隊の出発式で大阪市と府の職員らに話をする吉村洋文大阪府知事(右奥)と松井一郎・大阪市長(C)朝日新聞社
見回り隊の出発式で大阪市と府の職員らに話をする吉村洋文大阪府知事(右奥)と松井一郎・大阪市長(C)朝日新聞社
 大阪府の吉村洋文知事は4月20日にも新型コロナウイルスの感染拡大のため、3度目の緊急事態宣言の発出を政府に要請すると発表した。

【写真】大阪の「見守り隊」が飲食店に配っているチェックシートはこちら

 大阪府は新規感染者数が6日連続で1000人を超え、18日には過去最多の1220人を記録。19日も月曜日としては過去最多の719人だった。

 重症病床使用率は100%に達し、滋賀県に応援を求めるなど逼迫した危機的な状況だ。大阪市でコロナ患者の治療に当たっている医師は苦悩の表情でこう話す。

「人工呼吸器を使用するかどうか、決断が迫られる。人工呼吸器が必要な患者さんが多すぎて、人手が足りない。年齢が若い人の方が回復の可能性が高い。重症化した高齢者のご家族には事情を説明し、ご理解をいただかないといけない事態です」

 大阪の歓楽街は夜になるとネオンも消え、真っ暗になる。時短要請で飲食店はほとんどが夜8時には閉店している。そんな中、大阪府と大阪市は「飲食店に対するガイドライン遵守徹底のために見回り調査」を開始している。

 発足当初は大阪府と大阪市の職員が対応していたが、現在は民間業者に依頼。昼間は300人、夜間は100人体制で感染対策の徹底を呼び掛けるため、飲食店をチェックする「見回り隊」を発足させた。

 5月5日までに大阪市内の約4万店を2人一組でまわり、聞き取りや店の様子を見て、感染防止対策チェックシートに記入し、注意を呼び掛けるという。チェックシートを見ると、以下のような確認項目にある。

<感染防止宣言ステッカーを導入・掲示しているか>

<コロナ追跡システム(QRコード)を導入しているか>

<営業時間短縮要請に応じているか>

 大阪府のコロナウイルス対策本部会議に提出された資料によれば、4月5日から12日で3346店舗を見回った。うち調査できたのは2001店舗、不在などで調査できなかったのは1345店舗。調査を拒否した27店舗だった。

 消毒液などの設置は調査店舗のうち約93%で実施されていたが、 アクリル板の設置は約64%にとどまった。

 驚かされるのは、大阪府が警察の出動や法的措置まで明記していることだ。

 夜8時以降の見回り隊は民間委託の100人に加えて<大阪府警察確認地区周辺重点警ら>とある。4月15日以降は調査拒否の店舗を訪問する際、<大阪府職員+大阪府警察(同行)>とも記されている。それに従わないと<法的措置>ともある。

大阪府危機管理室はこう説明する。

「夜の街関連は予め、訪問地域を把握している警察に事前連絡をして、トラブルを防ぐために警戒にあたってもらう。調査を拒否し要請に応じてもらえない場合、警察に同行してもらうという意味です。現在のところ、まだ警察同行はしていない」

 しかし、大阪府議はこの要請に反発を覚えたという。

「コロナで時短要請をしている飲食店を警察まで使って抑え込むのは強権的過ぎる」

 現在、稼働している見回り隊の人数は昼と夜合わせて400人に上り、すべて民間委託だという。インターネットの求人サイトを見れば、見回り隊のアルバイト募集と思われる広告が多数、掲載されている。実際に求人応募して、アルバイトで採用された男性がこう証言する。

「低姿勢で丁寧に説明するように指導されました。大阪・ミナミでチェックシートを見ながら、指定された店舗を訪問しています。チェックシートには10ほどの項目がありますが、ざっと店内を見れば、ほぼわかります。店主などと話してもせいぜい2、3分もあれば十分。時給は1300円で、交通費も全額支給。コロナで仕事がなくなってニートだったので助かっています。学生の人が多いですね。仕事も楽です。サクッと稼げるオイシイ仕事。ただ、通勤電車、歓楽街と人が多いところに行くのでコロナ感染は怖いですよ。感染したら吉村知事が責任取ってくれるんかいな」

 一方、調査を受けた店舗店主の証言だ。

「大阪府から調査に来ましたと見えましたよ。店内の消毒液だとか座席間隔とか見て、うちはアクリル板がないので、どうしてなのかと聞かれ、『品切れで買えません』と答えると、それで終わった。チェックシートをもらって書き込んで5分もかからなかったかな。何のためやったんかな…。協力しないと警察が来ると別の店から聞いていたので、拒否したらヤバイと応じました」

 そして店舗店主は疑問も呈した。
 
「こんな調査に税金をたくさん使って本当に役に立つんか。吉村知事は見回り隊なんてやめて、緊急事態宣言が再発出されれば、休業補償してもらった方がずっといい」

 前出の大阪府議もこう言う。

「見回り隊はコロナで仕事を失った人の緊急的な雇用対策にも思えます。しかし、アルバイトたちも感染リスクがあり、こんな調査はそもそも必要なんかな。仕事がない人にもしっかりと補償したほうがいいのではないか」

 吉村知事は記者会見など、不要不急の外出、テレワーク促進を強調。その一方でアルバイトを大量募集して見回り隊を結成というチグハグな対応にみえる。

 前出のアルバイトをしている男性も「アルバイトに来てくれといい、外に行くなともいう。どっちやねん」と話す。

 こうした疑問をAERAdot.編集部が大阪府危機管理対策課にぶつけたところ、「感染防止の観点から、見回り隊は効果がある」との回答だった。

 税金をもっと有効に使ってほしいものだ。(今西憲之)












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  • 見回り隊増員て馬鹿か、医療関係へ助成、飲食関係へ協力金、保健所機能増強、が先やろ
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