東大現役合格の元高校球児に聞いた「僕の少年野球時代」

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2021年04月19日 20:51  ベースボールキング

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東京大学理科二類に現役合格し、この春から野球部に入部予定の青山勝繁さん。川和高校(神奈川)では主に1番セカンドとして活躍しました。そんな青山さんはこれまで野球と勉強をどのように両立させてきたのでしょうか? 野球からどんなことを得て、どんなことを学んだと感じているのでしょうか? 大学入学前の3月に色々と質問をぶつけてみました。



■野球はネガティブ、勉強は平均だった小学校時代
——野球を始めたきっかけを教えてください。

小学校1年のときですね。一つ上の兄が軟式野球をやっていたのがきっかけです。

——お兄ちゃんが野球をやっているのが楽しそうだったから?

小さい頃はサッカーが好きだったんですけど、「将来はサッカーチームに入ってもいいから今は野球に入ったら?」と兄に言われて、なぜか入ったんですよね(笑)。

——どんなチームでしたか?

やるからには大会の優勝を目指そうというチームでした。部員は23、4人くらいでしたが自分の代では6年生が2人しかいなくて、大会に出れば初戦で負ける、たまに練習試合で勝ったかな? というレベルでした。自分自身のレベルには合っていたと思いますが、少年野球のレベルとしては高くなかったと思います。自分はピッチャーとショートで、打順は1番を打つことが多かったです。

——練習頻度はどれくらいでしたか?

土曜、日曜と水曜。土日は朝9時頃から夕方5時頃までやっていましたね。平日は夜まで高架下でネットに向かってバッティング練習などをやっていました。

——練習は楽しみでしたか?

怒られることが多かったこともあり、練習に対して正直ネガティブに思っていた時期が長かったですね。

——あんまり野球を楽しいと思えなかった?

小学校の時もプロ野球選手になりたいと思っていましたし、野球をやることが生活の一部にもなっていたのですが、練習を強制されている感覚があったり、怒られたりすることがあって(野球の練習に行くのが)、ちょっと怖いという感覚がありました。
自分たちで考えてやるのが好きだったので、強制される、やらされるというのがちょっと嫌だなぁと思っていました。これは勉強も同じなんですけど。

——小学校の頃は東大を目指して塾に通ったりは?

塾には行ってなかったです。地元の公立の小学校に通っていましたけど、特に何も考えていなかったですし、周りに比べても成績は平均的な方だったと思います。

——小学校の頃から塾に通ってめちゃくちゃ勉強していたと思っていました。

周りの塾に通っている友達よりも勉強はできなかったですし、本当に平均的な成績でした。テスト前でも勉強は全くやってませんでしたし、野球以外に習い事なども何もやっていませんでした。

——野球と勉強はどちらに自信がありましたか?

勉強というよりも野球、野球というよりも運動神経の方に自信がありました。それでも平均よりはちょっと上かなという程度でしたけど。
■中学で目覚めた「野球が楽しい!」という思い
——中学での野球は部活、クラブチームのどちらでしたか? 野球をやるかやらないかで迷いませんでしたか?

地元の公立中学の部活でしたけど野球をやることに迷いはありませんでした。クラブチームか部活かでは迷いましたけど。

——小学校の時は野球に対してちょっとネガティブな感じだったということですが、中学で迷わず続けようと思ったのは?

小学校時代から野球チームに所属していることが当たり前という感覚になっていて、練習は続けるもの、野球は中学、高校でも続けるものだと思っていたからですね。

——中学のチームは強かったですか?

いえ、凄く弱かったです(苦笑)。自分はショートを守っていて、最上級生になってからポツポツ勝てるようになりましたけど、県大会にも進めなかったですね。

——小学校の頃の成績は平均的だったということでしたが、やっぱり中学になってから猛烈に勉強を始めたのですか?

いえ、勉強はテスト前に軽くやっておくくらいでした。中学でも塾に行ってなかったですし。

——では毎日の予習、復習などをしっかりやっていた?

いえ、特にしていなかったです。本当にテスト前だけうわーってやっていただけですね。でも勉強した分だけ点数が伸びていく感覚が楽しいというはのは少しありました。

——その辺りに持って生まれた何かを感じますね(笑)。ひょっとしてお兄さんやご両親が東大出身だったり?

きょうだいは5人いて自分は4番目ですけど、両親も含めて誰も東大には入っていないです。

——親御さんが教育熱心だったとかもなく?

全然ないですね。そういう意味ではプレッシャーをかけられなかったのも良かったなと思います。

——「勉強した分だけ点数が伸びていく感覚が楽しい」というお話がありましたが、野球でも練習した分だけ上手くなって楽しいとか、そういう感覚はありましたか?

上手くなっているとか成長している実感とかはなかったですが、それを目指して(自分で考えて)練習に取り組む楽しさみたいなものがありました。顧問が特別野球に精通した先生ではなかったのが大きかったと思います。必然的に自分たちで考えて練習をやる環境になっていて、それが楽しくて一気に野球が好きになりましたね。

——スポーツは練習を積み重ねても必ずしも結果が出るわけではなくて、そこがスポーツの難しさであり楽しさなのかもしれないですね。その中でも野球は特に難しいですよね。

そこは自分もずっと考えていました。他のスポーツでは「この動作を身につけておけばちょっとずつ上手くなっていって」みたいなこともあると思うんですが、野球に関しては、練習しても練習してもなかなか変わらない、上達しないなという考えがあって。野球って難しいスポーツだなってずっと思っていますね。

*インタビュー後編:「東大現役合格の元高校球児に聞いた『野球と勉強』」に続きます。

(取材:永松欣也/写真:提供写真)

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