新世紀世代の新たなヒロイン、山下美夢有の才能を開花させた「秘密兵器」

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2021年04月20日 11:02  webスポルティーバ

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 美しい夢のある人生に――。

 そんな願いの込められた名を持つ19歳の山下美夢有(みゆう)が、プロデビューから20戦目となるKKT杯バンテリンレディス(熊本空港CC)で初優勝を飾った。2001年度に生まれた新世紀世代では、笹生優花に続くふたり目の快挙となる。




 優勝直後のインタビューでは、笑顔と、涙にあふれる山下がいた。

「今年は優勝したいという思いがあったんですけど、(今大会で)優勝できるとは思っていませんでした。ここまで来るまでに、たくさんの方々に支えられ、応援もしていただいて......うれしくて、泣いてしまいました」

 身長は150cm。現在、国内女子レギュラーツアーで戦う選手の中では、西村優菜らと並んで最も背の低いゴルファーである。

「(身長のことは)マイナスには考えないようにしています。飛距離以外に、ゴルフではやることがたくさんあるので(笑)」

 最終日にトップと2打差の4位タイでスタートした山下は、7バーディー、1ボギーの66で回り、古江彩佳ら上位陣を逆転。最終的には2位の古江や小祝さくらに5打差をつける独走体勢を築いた。

「13番のリーダーボードを見て、自分がトップなんだと気づきました。今日はリズムがすごくよかったので、スコアを気にせず、一打、一打に集中できた」

 デビューイヤーとなった昨年は、開幕から3試合連続で予選落ち。苦戦が続いた要因は、安定を欠いたショートゲームだった。

「(プロ入りして)飛距離は飛ぶようになってきたけど、今度は縦の距離が合わなくなってボギーを打ってしまうというゴルフになってしまった。もう一度、自分のゴルフを見直して、特にショートゲームに力を入れようと思った。振り幅やグリップの位置を変えて、縦の距離を合わせるようにしました」

 プロの水に慣れ、ツアーの戦いを心得えてからは上位に食い込む試合も目立つようになり、予選落ちもなくなった。

 昨年末のオフにはおよそ300万円の弾道測定器『トラックマン』を購入する"先行投資"を行ない、やはりショートゲームの向上に活用した。また、中嶋常幸プロに"弟子入り"を志願し、ゴルフ界のレジェンドにもアプローチの重要性を説かれた。

「以前はショットの練習ばかりでしたけど、今は、一日の半分はショートゲームの練習に時間を割いています。トラックマンを使って、3ヤード刻みで(アイアンやウエッジを)打ち分けられるように練習してきました。ドライバーに関しても、今はちょっと落ちているかもしれませんが、プロ入り時の220ヤードから、20ヤードは飛距離が伸びていると思うんですけど」

 4月上旬のヤマハレディースオープン葛城でも、トップタイで最終日を迎えている。稲見萌寧に逆転を許して優勝こそかなわなかったが、単独2位でフィニッシュし、上昇気流に乗ったなかで迎えた今大会だった。

「ヤマハレディースの時は、追われる立場で初めての優勝争いだった。緊張もあり、負けてしまったんですけど、ティーショットが正確に打てていたし、パットも納得できていたので、収穫のほうが大きかったと思います」

 初優勝をたぐり寄せたのも、ショートゲームだった。

「私は、50ヤードの距離がスピンのコントロールがしにくく、100ヤードの距離のほうが得意なんです。今日は、あえて100ヤード残したショットがものすごく合っていた。グリーン周りも、以前は苦手意識があったけど、(中嶋常幸プロとの)合宿から練習してきて、パーオンを逃してもしっかりパーを取ることができるようになってきた。その成果だと思います」

 山下は、笹生や西郷真央と同じ新世紀世代のひとり。とりわけ、すでにツアー2勝を挙げ、海外ツアーへの挑戦も視野に入れる笹生からは刺激を受けてきた。5アンダーで首位スタートとなった初日のラウンド後、同い年のライバルについて山下はこう語っていた。

「笹生さんは飛距離があって、魅せるゴルフができる選手。私は、飛距離は飛ばないほうではないですけど、ボギーを打たずに着実にパー5でスコアを作っていくゴルフかなと思います」

 女子ツアーを席巻している、渋野日向子や小祝さくらなど1998年度生まれの黄金世代に、古江彩佳ら2000年度生まれのミレニアム世代――。それに続く2001年度生まれの新世紀世代に、また新たな才能が加わった。

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