「人新世」時代は“脱プラ”を加速 のんさん「SDGs貢献は楽しく」

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2021年04月21日 14:21  OVO [オーヴォ]

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写真記者会見でパスタ包装の紙化を発表したバリラジャパンのニックヒル・グプテ代表取締役(右)とゲストののんさん。
記者会見でパスタ包装の紙化を発表したバリラジャパンのニックヒル・グプテ代表取締役(右)とゲストののんさん。

 「日本」の読み方が「にほん」でも「にっぽん」でも通用するように、地質学用語の「人新世」も「ひとしんせい」と「じんしんせい」の2つの読み方があるようだ。

 この人新世をタイトルに入れたベストセラー「人新世の資本論」(斎藤幸平著)は“ひとしんせい”読みを採用するが、聞きなれないこの人新世、同書によると「人類の経済活動の痕跡が地球の表面を覆いつくした年代」を意味する。気候変動をもたらす温室効果ガスの二酸化炭素や海洋プラスチックごみなどがその“痕跡”の一例。名付け親のノーベル化学賞受賞者パウル・クルッチェン氏は「地質学に見て地球は新たな(環境危機の)年代に突入した」と警告する。

 二酸化炭素排出要因でもあるプラスチックは、微細化して海を漂う海洋マイクロプラスチックごみとなり、魚を通して人間の体に入るおそれがある。海の生き物にとっても生育環境を悪化させる。世界で事業展開するスターバックスをはじめとするトップグローバル企業が容器の紙化に取り組んだり、日本でもレジ袋が有料化したりするなど、人新世のいま、“脱プラスチック”の動きは各分野で加速している。

 イタリアの食品メーカー、バリラは4月15日、東京都内で記者会見し、日本で販売するパスタ製品の包装を現在のプラスチックからすべて紙に変える、と発表した。バリラジャパン(東京)のニックヒル・グプテ代表取締役は「日本の生活者の意識の高まりもあり、地球環境に配慮した紙パッケージの導入を決めた。SDGs(持続可能な開発目標)にもかなう」と決断の背景を説明する。欧州など環境意識の高い先進諸国では、すでにバリラのパスタ製品の包装はすべて紙になっているという。

 バリラは、紙包装の原料材(パルプ)の調達先を、国際的な認証基準(FSCなど)を満たす持続可能な森林に限定する。17の網羅的な目標項目を掲げるSDGsにかなうには、たんなる脱プラスチックでは不十分で、紙への代替が森林の乱開発につながらないよう配慮する必要がある。森林保護のため紙のトレーサビリティ(生産過程)の適正さを担保する森林認証の取得は、グローバル企業では必須といえる。

 SDGsは2015年9月の国連サミットで採択。30年までに貧困や飢餓をなくすことや気候変動対策など17の大目標、169の下位目標の達成を目指し「誰一人取り残さない」ことを掲げる。国連の従来の開発目標と異なり、発展途上国だけでなく日本などの先進諸国も達成すべき目標とされた点が大きい。世界を股に掛けて活動するグローバル企業がSDGsとの整合性に配慮した経済活動を展開するのはこのためだ。資金調達や資金運用など先進国の金融・投資の世界ではSDGsを意識した“お金の流れ”が生まれている。

 SDGsは最近、新聞・テレビなどの各種媒体で紹介される機会が増えているから、人新世よりは一般に知られているかもしれない。バリラの記者会見にゲスト参加した女優・アーチストののんさんは「SDGsの12番目の目標“つくる責任、つかう責任”に共感している」というから詳しい。

 マイボトルやエコバッグを利用するほか、派手な衣装をセンスのよい普段着に作り替える「アップサイクル」(不要なものを捨てずに新たな価値あるものに再生する試み)にも取り組んでいる、という。SDGsを意識した生活は「楽しみながらやる」のが“コツ”とのんさん。紙包装のパスタを買うことも「気軽にできるおすすめのSDGsの取り組み」の一つと推奨。一人一人がSDGsにかなう行動を気負うことなく生活の中で積み重ねる大切さを控えめに話していた。

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