「衣類リサイクルのインフラ整備と生活者のサステナ意識向上を」 アパレル11社が小泉進次郎環境大臣に提案

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2021年04月21日 14:22  Fashionsnap.com

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報告会の様子 Image by: FASHIONSNAP.COM
サステナブルなファッションを推進する企業と小泉進次郎環境大臣による「ファッションと環境」勉強会成果報告会が、4月21日にオンライン形式で開催された。アシックス、アダストリア、伊藤忠商事、H&M ジャパン、倉敷紡績、ゴールドウイン、帝人フロンティア、東レ、豊島、日本環境設計、ユナイテッドアローズの11社が参加し、各社の取り組みや官民連携に期待することなどを語った。

 今回の報告会は、昨年8月に実施した小泉環境大臣との意見交換会を踏まえたもので、「2050年カーボンニュートラル」と「ファッションロス・ゼロ」を目指すヴィジョンとして掲げることを共有した上で、各社は業界全体の課題や、課題解決に向けて取り組むアイデアなどをそれぞれ約2分のプレゼンテーションで発表した。
 アシックスは不要になった衣類や工場内で出た繊維ごみから作られたリサイクル糸を採用したシューズ「アースデーパック(Earth Day Pack)」の開発、伊藤忠商事は「レニュー(RENU)」「クウラ(Kuura)」といった環境配慮型の素材の立ち上げ、ゴールドウインはカスタマイズサービスやリペアサービスへの取り組みについて説明した。唯一の外資企業として参加したH&M ジャパンは、2025年までにリサイクル素材を使用した製品の比率を30%に引き上げ、2030年までにすべての素材をリサイクルまたはサステナブルに調達された素材のみに切り替える計画を述べた。
 官民連携において期待することとして各社で共通したのは、生活者に向けたサステナビリティの意識向上の取り組みと、衣類リサイクルのインフラ整備の2点。インフラ整備の面では、回収するペットボトルの品質に差があり、報告会に参加した東レの繊維事業本部 寺井秀徳氏によるとガラスが混ざっているケースも存在するため、地方自治体への管理強化指導を求めた。意識向上の取り組みでは「クールビズ」に次ぐキャンペーン施策を打ち出すことを提案する声が上がった。小泉環境大臣は「クールビズはネクタイをしないなど取組内容が目に見えてわかりやすいが、サステナビリティは見た目が変わらないので悩んでいる」と打ち明け、各社にアイデアを求める場面も見られた。なお、小泉環境大臣はジャパンブランドのマスクを着用して今回の報告会に臨んだ。
 日本政府が宣言した「2050年カーボンニュートラル」に伴うグリーン成長戦略にはサステナブルファッションも盛り込まれている。小泉環境大臣は最後に「こういった集まる場を設けた後でアウトプットが目立たなくなるケースが多い。アウトプットがしっかり形となって実現することに期待したい。一緒に取り組めることを楽しみにしている」と話し、ファッション業界との取り組みの今後に期待を寄せた。

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