日本一ラーメンを食べた男の冷凍ラーメンはうまいのか? 実食してみた

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2021年04月21日 16:22  日刊SPA!

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「横浜家系ラーメン」「尾道ラーメン」「ラーメン横綱」など。人気ラーメン店の味を、冷凍食品で再現してきたメーカーがある。冷凍鍋焼きうどんで有名なキンレイだ。そんなキンレイが国内最大級のラーメン店検索サイト「ラーメンデータバンク」の運営者であり、日本一ラーメンを食べたと自称する大崎裕史氏監修のもと、新たなラーメンを開発したという。新商品発表会でのコメントならびに実食から、味を検証する。

◆鶏ガラを二度炊きすることで臭みを除去

 大崎氏が監修した冷凍ラーメンは「お水がいらない 東京醤油らぁ麺」だ。実は大崎氏、以前記事にした「横浜家系ラーメン」の監修も務めている。

 まずは四の五の言わずに、食べてみた。なお以前の記事と同様、前日に東京醤油ラーメンのリアル店舗を訪れ、実食。余韻が残っている状態で実食を行った。ちなみにその店舗の実力は食べログで3.71、300近いレビューを誇る。

 キンレイの冷凍ラーメンはその名のとおり、水いらずである。パックを開け、スープと麺が一体化した塊を鍋に入れ、あとはコトコトと10分近く煮るだけ。レシピでの調理時間は約7分が推奨との記載だが、筆者はこれまで何杯もキンレイのラーメンを食べているが、7分でできた試しはない。火加減に関しては、それなりに技術が必要だと感じている。

 鍋の前でできあがるのを待っていると、食欲をそそる醤油の香りが漂ってきた。スープの表面にはうっすらと、出汁に使っている素材の脂が浮いてきているのも確認できる。

◆完成。実店舗との味の違いは?

 まずはスープからいただいた。ここ数年のラーメンのトレンドでもある「鶏清湯(とりちんたん)スープ」をイメージしたとのことだが、正直、そこまでクリアなスープとは思わなかった。でも、東京ラーメンらしく、醤油の風味がしっかりと効いていて、かなり濃厚だ。
 
 安っぽい豚骨ラーメンにありがちな嫌な臭いも一切なし。ラーメンのスープというよりは、上品な和食出汁という印象を持った。

 出汁は自社で炊き出す鶏ガラから取っている。一流のラーメン店が行っているように、一番出汁は捨て、再び煮込み直すことで、鶏の臭みを消すというこだわりがあるらしい。

「キンレイさんの場合は、たとえば鍋焼きうどんでは、昆布・カツオ出汁を取る際も、本物の店の調理方法を徹底的に学び、踏襲している。鍋焼きうどんでのこだわりが、そのままラーメンづくりにも反映されています」(大崎氏)

◆生醤油と再仕込醤油のブレンドでスープに深みを

 醤油にもこだわりが見られた。生醤油(なましょうゆ)と再仕込醤油をブレンドしているからだ。再仕込醤油とは、醤油で醤油を再び熟成(仕込む)する製法であり、コストも時間も一般的な醤油の倍ほどかかる。一方、生醤油(なましょうゆ)とは字のとおり、加熱殺菌を行わないフレッシュな醤油だ。

 実食の際、キンレイから両方の醤油をいただいたので比べてみた。どちらも東京ラーメンらしく塩気がキツいが、再仕込醤油の方が若干まろやかな感じがした。ちなみに上の醤油は筆者がふだん使っている濃い口。両者の中間的な風味であった。

 スープは前日に食べたリアル店舗と遜色ない。逆に、キンレイのスープの方が濃厚さと上品さでは勝っていたように感じた。なお醤油は産地もブレンドも企業秘密だという。

「麺には小麦粉の味がしっかりと出る全粒粉を配合し、全卵粉末も加えるとことで、味わいとコシの強さを出しています」とのこと。実際、食べてみると、これまで食べたキンレイの冷凍ラーメンの麺よりも、コシがあるように感じた。小麦の風味までは伝わってこなかったが、麺の色も全粒粉らしく、茶色がかっている。ただこれは単にスープに絡んで変色しただけかもしれない。

◆チャーシューは豚よりも鶏派

 チャーシューは、東京ラーメンのトレンドを反映し、豚チャーシューだけでなく、鶏チャーシューもトッピング。冷凍ラーメンでありながら、チャーシューが2枚乗る豪華さはうれしく感じた。

 率直な感想として、豚チャーシューの味は悪くないが、厚みが乏しく、ハムを食べているよう。もう少し、大胆なカットでもよいと感じた。一方、鶏チャーシューはさっぱりした味だろうとの先入観で口に運ぶと、いやいやどうして。チャーシューらしく、旨味がしっかりと凝縮されていて、うまい! 逆に鶏チャーシューは厚いとボサボサ感が出るだろうから、この程度の薄さでちょうどいいのかも。

「これまで20年近くラーメン開発に携わり、何十種類ものラーメンの監修をしてきましたが、大抵はコストという壁に負け、こだわりを妥協してしまう。でもキンレイさんはそれがない。さすがに今回はこだわりが多かったので妥協もしくは価格が上がるかと思いましたが、どちらもなく驚きました」(大崎氏)

 ちなみに今回の商品の実売価格は270〜300円。筆者が食べたリアル店舗では600円であった。前回の取材時にはキンレイのお水がいらないシリーズは1億食を突破した直後であったが、そこから1年も経たないうちに、1億3000万食を突破。自宅でズボラにラーメンを食したい、そんなニーズにマッチしているのかもしれない。

<文/杉山忠義>

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