快進撃はどこまで続く!? 13連勝中の絶対王者に注目/合田直弘

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2021年04月21日 17:30  netkeiba.com

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写真▲G1チャンピオンズマイルの“大本命”ゴールデンシクスティ (撮影:Lo Chun Kit)
▲G1チャンピオンズマイルの“大本命”ゴールデンシクスティ (撮影:Lo Chun Kit)
【合田直弘(海外競馬評論家)=コラム『世界の競馬』】

◆香港競馬の一枚看板となった絶対王者が登場

 香港チャンピオンズデーの開催が、今週日曜日(25日)に迫っている。

 日本でも馬券発売がある、G1チェアマンズスプリントプライズ(芝1200m)と、G1クイーンエリザベス2世C(芝2000m)については、各メディアで展望されているので、ここでは日本では馬券発売のないG1チャンピオンズマイル(芝1600m)の見どころをご紹介したい。

今年のチャンピオンズマイルは、わずか6頭立てという少頭数となった。香港ジョッキークラブから4月8日に想定が出た段階で、既に7頭しかおらず、そこから今年の香港ダービー馬スカイダルシ(セン4、ダルシブラーマ)が回避し、6頭になった。

 少頭数になった背景にはいくつかの理由があるが、まずは、3シーズンにわたってこの路線を牽引していたビューティージェネレーション(セン8、父ロードトゥロック)が、ご存知のように2020年一杯で現役を引退。2月21日のG1クイーンズシルヴァージュビリーC(芝1400m)を制し、2度目のG1制覇を果たしたワイクク(セン6、父ハーバーウォッチ)が、4月5日のG2チェアマンズトロフィー(芝1600m)で5着に敗れた後、肺出血を発症していることが判明して、戦線を離脱。

 そして、コロナ禍で欧州や豪州からの遠征がない上に、チャンピオンズデーに組まれた3競走の中でここだけ日本馬がいないとあっては、この頭数もむべなるかな。日本馬がここだけ素通りしたのは、今や香港競馬の一枚看板となった絶対王者が、ここに待ち受けているからに他ならない。当日のオッズは1.1倍か、ついても1.2倍だろうと見られているG1チャンピオンズマイルの大本命が、ゴールデンシクスティ(セン5、父メダグリアドーロ)である。

 オーストラリア産馬で、2017年のニュージーランドブラッドストック2歳トレーニングセールに上場されて、1F=10秒48というまずまずの時計をマーク。ここで、香港を拠点とするフランシス・ルイ調教師に30万ニュージーランドドル(当時のレートで約2368万円)で購買されている。

 19年3月にデビュー。いきなり3連勝を飾ったが、4戦目となったクラス3のハンデ戦(芝1400m)で、1番人気を裏切り10着に大敗。連勝がストップして、3歳シーズンを終えることになった。騎乗したヴィンセント・ホー騎手によると、この日のゴールデンシクスティはレース中盤から掛かり気味に行きたがり、折り合いを欠いてしまったとのこと。ゴール前75m付近で、内にいた馬がよれてゴールデンシクスティに接触し、これを機に後退することになったものの、その段階で既に脚がなく、接触が直接の敗因ではないとコメントしている。

 この敗戦が、後に大きな悔恨となる。

 4歳シーズンに入ると、再び連勝街道を驀進しはじめたゴールデンシクスティは、シーズン4戦目となったG3チャイニーズクラブチャレンジカップ(芝1400m)を制し重賞初制覇。その後は、香港4歳シリーズ3戦を完全制覇し、7戦7勝の成績で4歳シーズンを終えている。

 迎えた今季、前半戦はマイル路線に専念し、開幕から4連勝でG1香港マイル(芝1600m)を制覇。年明け初戦となった、香港古馬3冠初戦のG1スチュワーズC(芝1600m)も白星で通過すると、続いて2月21日に行われた香港古馬3冠2戦目のG1香港ゴールドC(芝2000m)に出走。残り1FからJ・モレイラが乗るフュローリ(セン6、父ピエロ)との激しい競り合いとなった末、短頭差で先着して優勝。19年9月から継続している連勝を13に伸ばしている。

 ゴールデンシクスティは、前年の香港ダービー(芝2000m)も首差の辛勝で、結果だけみると2000mは不得手としている。スタミナの欠如というよりは、2000m戦はペースが落ち着くことが多く、後方から末脚を活かす競馬をするこの馬には、展開が向かないのだと思う。ここは1600m戦で、カインスター(セン6、父シティスケープ)がそこそこの流れを作ってくれるはずだし、まずは順当に勝ち上がって連勝記録を14に伸ばすことになるだろう。

 前述の「大きな悔恨」とは、もしゴールデンシクスティがデビュー4戦目も白星で通過していたら、彼の連勝は現在17に伸びていたことになり、サイレントウイットネスが02年から05年にかけて作った17連勝に肩を並べていたのである。今年のチャンピオンズマイルに、新記録達成がかかっていたら、更に大きな盛り上がりを見せていたはずと思うと、「たら」「れば」を言うのは詮無いことと重々承知しつつ、3歳時の1敗がいかもの惜しいものに見えるのだ。楽しみは、来季にとっておくとしよう。

 相手候補の筆頭は、昨年のこのレースの勝ち馬で、8歳となった今季も、G1香港マイル2着、G1スチュワーズC2着と、パフォーマンスに全く衰えのないサザンレジェンド(セン8、ノットアシングルダウト)になるだろう。前走G2チェアマンズトロフィー(芝1600m)で、そのサザンレジェンドを2着に退け重賞初制覇を果たしたマイティジャイアント(セン5、父パワー)が3番手評価となりそうだ。

 香港チャンピオンズデーの模様は、グリーンチャンネルで放送予定。日本時間の15時50分発走のG1チェアマンズスプリントは、「中央競馬全レース中継」の中で、原則として生放送でご覧いただく予定。16時55分発走のG1チャンピオンズマイルは、17時からスタートする「香港チャンピオンズデー中継」の中で録画放送し、17時35分発走のG1クイーンエリザベス2世Cは、「香港チャンピオンズデー中継」の中で生放送でお届けする予定となっている。

 なお、G1チェアマンズスプリントとG1クイーンエリザベス2世Cの筆者の見解は、週末にネットケイバのサイトで公表させていただくので、ご参照いただきたい。

 (文=合田直弘)
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