海外からも注目 ブックカバーが人気の”街の本屋”、コロナ禍を勝機に「書籍も捨てたものじゃない」

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2021年04月22日 08:40  ORICON NEWS

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写真アイスキャンディのブックカバー。持ち手がしおりに
アイスキャンディのブックカバー。持ち手がしおりに
 大阪・鶴見にある街の本屋さん「正和堂書店」。家族経営の個人書店でありながら、8.5万人ものInstagramのフォロワー数を誇る。注目のきっかけの一つが、アイスキャンディーやクリームソーダなどの形をした店オリジナルのブックカバーとしおりのプレゼント企画だ。ユニークなデザインに「アイデアがすごい」「最高にかわいい」とコロナ以前は日本全国、ときには海外からもファンが訪れたという。「正和堂書店」のSNS・広報を担当する店主の孫・小西さんに、キャンペーンを始めたきっかけやコロナ禍での書店の様子について話を聞いた。

【画像】クリームソーダに、焼き芋、ミトン…アイデアがかわいすぎる!正和堂書店のブックカバー&しおり

■ブックカバーは自分でデザイン、SNS上のファンを来店に結び付ける企画として考案

――大好評のブックカバー・しおりプレゼント企画です。始めたきっかけは?

【小西さん】「色々な本を知ってほしい」という思いから、2017年3月より毎日SNSでおすすめの本を紹介し始めました。半年くらいやって人気は出てきたものの、来店には結びついていなくて、来店の動機付けで何かできないかなと思って作り始めたのがきっかけです。

――キャンペーンの効果で実感されたことは?

【小西さん】コロナ以前のことになりますが、北は北海道、南は沖縄まで、一番遠方だとバリ島からわざわざブックカバー目的に多数の方々が来店してくださりました。

――Instagramのフォロワーが増えたのも、このキャンペーンがきっかけなのでしょうか?

【小西さん】フォロワー増に関しては、メディアに取り上げていただいて一時的に増加することはありますが、どちらかというと日々の書籍の紹介で少しずつ増えていっているというのが中心です。

――ブックカバーはどなたがデザインしていますか?

【小西さん】基本的には僕が制作しています。一部、ロゴなどを知り合いのデザイナーに部分的に作ってもらってもいます。

――デザインの勉強をされていたご経験が?

【小西さん】デザイナーというわけではありませんが、もともと美大出身です。現在は、クリエイティブ系の職種に就いていて、週末など空いている時間に正和堂書店のサポートに入っています。

――コロナ禍の緊急事態宣言下ではキャンペーンを中止されていました。中止に至るまでに悩んだことはありましたか?

【小西さん】コロナ禍において、来店促進のようなキャンペーンを大々的には発表しにくいこともあり、一旦新しいブックカバーに関しては発表を控えていました。この頃から、「来店できないから通販をしてほしい」といった連絡をいただくことが多々あり、通販を検討し始めました。

――1年に渡り断続的に緊急事態宣言が敷かれましたが、どのような営業状況でしたか?

【小西さん】コロナ前はブックカバーを目的に遠方から来店される方も多かったのですが、今は減少したかなと…。ただ幸い、おうち時間が増えたために本を読んでくださる方自体は増えたようで、コロナ前に比べ売上は微増いたしました。

――コロナ禍での書店経営で悩んだ点を教えてください。

【小西さん】ほかの小売店さんも一緒だと思うのですが、密を避けるといった一般的な部分や、取次や出版社とのやり取りがしにくくなった点などですね。トークイベントやブックカバーを使った集客など、O2O (Online to Offline)的な施策をもっとやっていこうとしていた矢先だったので、ちょっと戸惑いはありました…。ただ、オンライン化していくいい機会だとも思うので、色々チャレンジできたらなと今は思っています。

――コロナ禍での書店の役割や需要については、どのように感じましたか?

【小西さん】コロナ初期の頃は、周りのお店が閉まっていたこともあり、20年くらい前にタイムスリップしたかのような賑わいでした。リスクがあるにも関わらずたくさん来ていただき、まだまだ書籍も捨てたものじゃないんだなと思いました。読書離れの一番の要因は、単に暇がなかっただけなんですね(笑)

――ブックカバーは紙ならではの企画ですね。電子書籍の流通がますます広まるなか、紙書籍の可能性についてはどのように感じていますか?

【小西さん】ユーザビリティという点では、紙の本のほうが見やすさはあるのかなと思っています。そもそもインターネットを通じての情報取得が当たり前になった現在、ベストセラーでさえ知らない方も多いと思います。電子書籍、紙の書籍ともに読書というカテゴリーは同じなので、もっと本を知ってもらうきっかけを推進していかないといけないと思っています。認知なくして購買はないので。どういった形になるかはわかりませんが、当店も電子書籍の取り扱いを検討しています。

――3月の緊急事態宣言明けの時期には、プレゼント企画が再開されました。

【小西さん】季節感のあるものをモチーフにしているので、時期がずれると配りにくくなってしまうため、今の不安定な状況の中ではちょっとやりにくさを感じています。来店状況は、変わらず微増くらいを維持していますね。

――ブックカバーのオンライン販売も開始されていますが、この決定にはどのような思いが?

【小西さん】「通販をしてほしい」という問い合わせが多かったことや、まだまだコロナの終息には程遠そうであるため、配布方法については色々と検討しました。そして、ECサイトを開設して販売するというフローに落ち着きました。

――オンライン販売を始めてよかった点は?

【小西さん】今までは当店の広告宣伝費という名目で制作していたので、数量が少なくしばしば在庫切れを起こしていました。ただ、通販を始めてからは製造量も増えているので、店頭でもいつでもお渡しできるようになったのがよかったと思います。

――今後、取り組みたいことなどを教えてください。

【小西さん】本を知ってもらうきっかけを色々な媒体を通して発信していけたらいいなと思っています。直近では、ブックカバーを使ったクラウドファンディングを開始しました。「本屋さんが本屋さんと一緒に本屋さんを盛り上げる」そんなことができたらいいなと思っています。

このニュースに関するつぶやき

  • アタマに「デンキ」付かない方?
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  • 友人たちとの会話によく出てくる言い回しです、本が増えるんで処分したんだけど、いつの間にかまた棚が埋まってる…。全員思ってます、本は歩いてこない、あんたが買うてるんや…と(笑)
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