プリキュア変身職人、板岡錦が描く「縦横無尽に動きまくる変身バンク」3選

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2021年04月22日 18:08  ねとらぼ

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ねとらぼ

写真板岡錦さんが原画を描いたキュアサマーのへんしんシーン
板岡錦さんが原画を描いたキュアサマーのへんしんシーン

 板岡錦のプリキュア変身バンクを見たものは、その途方もない動きに魅了される。



【画像】変身バンクシーンまとめ



 プリキュアファンにはおなじみ、板岡さんと「キュアサマーの変身バンク」が、ついにゴールデンのテレビ番組に進出しました。



●変身職人、板岡錦



 2021年4月13日放送のテレビ朝日系列「林修の今でしょ!講座 今、アニメでしょ! プロが選ぶ!日本のアニメの歴史を変えたすごいアニメ14」において、日本の歴史を変えたアニメの一つとして「プリキュア」が紹介されました。



 SNS上でも、普段プリキュアを見ていない人から「今のプリキュアこんなにかわいいんだ」「動きがすごい」などの声が多数聞かれ、プリキュアファンとしてもうれしい限りです。



 番組の中ではプリキュアファンにはおなじみ、アニメーターの板岡錦さんが「変身職人」として紹介されました。



 板岡さんは、2021年「キュアサマー」までにプリキュア変身バンクの原画を9回も描いている、まさに「変身バンク職人」です。



 (ただ個人的には「変身バンク」以外にもものすごい原画を描かれる人なので「変身職人」と呼ぶのはやや語弊があるかとも思います)。



●板岡錦さんが原画を描いたプリキュア変身バンク



1:キュアロゼッタ(ドキドキ!プリキュア、2013年)



2:キュアプリンセス(ハピネスチャージ!プリキュア、2014年)



3:キュアトゥインクル(Go!プリンセスプリキュア、2015年)



4:キュアミラクル&マジカル ルビースタイル(魔法つかいプリキュア!、2016年)



5:キュアジェラート(キラキラ☆プリキュアアラモード、2017年)



6:キュアマシェリ&キュアアムール(HUGっと!プリキュア、2018年)



7:キュアミルキー(スター☆トゥインクルプリキュア、2019年)



8:キュアアース(ヒーリングっど・プリキュア、2020年)



9:キュアサマー(トロピカル〜ジュ!プリキュア、2021年)



 板岡さんの変身バンクはなぜ、人々を魅了するのか?



 もちろんどの変身バンクも素晴らしいのですが、今回は自分が大好きな3つの板岡変身バンクを紹介し、その魅力を語っていきたいと思います。



●(1)キュアミルキーへんしんシーン



 まず何といっても最初にオススメしたいのは2019年「スター☆トゥインクルプリキュア」の「キュアミルキーへんしんシーン」です(※公式では「変身バンク」ではなく「へんしんシーン」表記です)。



 もう、とにかく1度見てほしい。



 「キュアミルキーのへんしんシーンを見た人は、その圧倒的な動きに必ずもう1度見てしまう」。



 そう言わしめるほどの超絶変身バンクなのです。



 プリキュアを見たことのない人にこのへんしんシーンを見せると、必ず「今のプリキュアはこんなにすごいのか」と驚かれます。



 キュアミルキーのへんしんシーンの絵コンテは、「スター☆トゥインクルプリキュア」のシリーズディレクターである宮元宏彰さん。その絵コンテを解釈し、超絶な枚数でグリグリ動かす原画を描いたのが板岡さんです。



●歌いながら変身する姿に注目



 「スター☆トゥインクルプリキュア」は「歌いながら変身」するのが特徴です。



 カメラが動いて手や顔をアップにして変身するのではなく、キュアミルキー本人が宇宙空間を縦横無尽に飛び回り、波に乗り変身していく様子が、口や指先までの滑らかな動きで表現されます。



 変身途中で、ミルキーが180度回転しながら歌い続ける所は圧巻です。CGではなく手描きなのですよ、これ。板岡さんの変身バンクは空間を最大限に利用するのも特徴ですね。



 宇宙空間をイメージしたキラッキラなエフェクトもきれいです。途中でぷくっと膨れる演出は板岡さんのアドリブでしょうか。



 羽衣ララからキュアミルキーへ。0.000000012%の確率をひっくり返し、自らの意志で初めてプリキュアになったときの「うれしさ」すら画面から出ているようです。



 板岡さんの手で描かれた80秒の芸術、キュアミルキーの魅力を超絶技巧でイマジネーションしたすてきな「へんしんシーン」なのです。



●(2)キュアサマーへんしんシーン



 2つ目は、最新作2021年「トロピカル〜ジュ!プリキュア」より「キュアサマーへんしんシーン」です。



 それまで板岡さんが変身バンクを担当していた8人のプリキュアは、イエローやブルーなどが多かったのですが、2021年、満を持して初めて「1人目のプリキュア」の単独変身バンクを手掛けました。



 58秒間の変身バンクに費やされた枚数は1358枚。(「林修の今でしょ講座」2021年4月13日放送から)。



 滑らかな動きはもちろんのこと、目や口の表情から指先のやわらかい動き、髪がなびく表現まで丁寧に描かれています。



 「トロピカル〜ジュ!プリキュア」では、変身時にお化粧をするのですが、そのお化粧の表情がとにかくかわいいのです。



 画面を所狭しと跳ね回り、チーク、アイズ、ヘア、リップ、ドレス。お化粧をすることにより変身していきます。



 特にリップを塗ったあとの口の動きがすてきなので、ぜひご覧ください。



●走りに注目



 キュアサマーのへんしんシーンは、なんと変身の最中に「走る」のです。その両手を振って元気に走る様がキュアサマーのキャラクターを象徴しています。その走りも奥から手前へ、右から左へ、動き回ります。そこまで動かさなくても良いのじゃないか、と思えるほどにとにかく元気に動きます。



 この走るシーンの滑らかな動き、決めのかわいい表情。板岡さんは「動き」だけじゃないのです。圧倒的にかわいい女の子を描くのです。



 お化粧で自らを奮い立たせ、かわいく凛々しく、そして元気いっぱいのキュアサマーの変身。元気とかわいさの相乗効果でキュアサマーの魅力が伝わります。



 それを見事に描き切った板岡さんのすごさを象徴するへんしんシーンなのです。



●(3)キュアジェラートへんしんシーン



 板岡さんの変身シーン、ラストは2017年「キラキラ☆プリキュアアラモード」より「キュアジェラートへんしんシーン」です。



 ちなみにこの「キュアジェラート変身バンク」は、自分が世界で一番好きなプリキュア変身バンクです。



●物語性のある変身シーンに説得力を持たせる動き



 キュアジェラートのへんしんシーンには「物語」があります。



 立神あおいが「お嬢様」から「ロックンローラー」へ。抑圧から自らの手で夢に向かうためにプリキュアへと変身していく。そんな姿がわずか70秒のへんしんシーンで描かれるのです。その姿がカッコイイのですよ。



 このへんしんシーンはとにかく情報量が多いのも特徴です。



 クラシックバレエから始まり、画面を飛び回り変身スタート、アイスクリームの意匠を展開しながら、ピシっとジャケットを羽織り、両足をついて、はかなげな表情、片足ソックスを上げてからのメロイックサイン、ギターをかき鳴らしフィニッシュ。



 わずか70秒に、とんでもない情報量が詰め込まれています。



 物語的に象徴的なのは、「片足ソックスを自らの手で上げる」シーンです。



 勝手にパーツが装着されるのではなく、ソックスを上げるという自主的な動作を挟むことにより、プリキュアであることを自ら選択している姿が描かれます。



 クラシックバレエをリスペクトし、ロックンロールで変身が終わる。お嬢様とロックを両立させていく意志が、わずか70秒のへんしんシーンで描かれます。



 このものすごい情報量を1コマ打ちの滑らかさで描き切るのが、板岡さんのすごさなのです。



 途中、ゆったりと表情を見せたかと思いきや、一気に加速して変身していく。緩急のつけ方がすごいのです。



 このへんしんシーンは何度見てもそのたびに言葉を失います。世界一カッコイイイ変身シーンだと自分は思います。



●板岡錦1コマ打ちのこだわり



 板岡さんはこれ以外にも、キュアアースやキュアトゥインクル、キュアマシェリ&アムール、などたくさんの美麗な変身バンクを手掛けています。



 日本のアニメでは通常1秒間に8枚の絵が描かれるのですが、板岡さんの描く変身バンクはほとんどが1秒間に24枚のいわゆる1コマ打ちで描かれます。もちろん手間も3倍かかります。それでも、限界に挑戦したい、と板岡さんは語ります。



 もちろん変身バンクは、原画マンだけではなく動画、仕上げ、撮影などたくさんの方の力により完成します。板岡さんはTwitterでもこのようにつぶやいています。



ちょっと補足ありがたくも変身バンク職人と言っていただいておりますが、やってる仕事は一原画マンであり、実際はアニメ映像制作の一工程を担っているにすぎません。自分の仕事の後にも動画、仕上げ(色塗り)、撮影など、たくさんの職人のこだわり仕事があってステキ映像が完成しています。



そうやって多くの仕事人のこだわりの積み重ねの上でああいった映像が完成しているのです。当たり前だけど自分一人では到底できません。いつも、本当に心からありがとうございます。そして完成した映像を観て皆さんに喜んでいただければ仕事人冥利に尽きます。明日からもまたいい絵を描こう。



 「林修の今でしょ講座」での板岡さんの言葉がすてきでした。



 板岡「小さい子が見て『私もあの変身がしたい!』みたいな感じでそのポーズとかやってくれるのを街で見掛けたら、ちょっと泣きますよね」。



 子どもたちを魅了するステキな変身バンクをこれからも楽しみにしたいですよね。



●板岡錦さん以外の変身バンク



 もちろんプリキュアの変身バンクは、今回紹介した板岡さん以外にもたくさんの才能が活躍されています。超絶動きまくるキュアサンシャインやキュアビートでおなじみ(?)の志田直俊さん、キュアスカーレットの炎の表現がすごかった大田和寛さん、最新作「トロピカル〜ジュ!プリキュア」ではキュアキュアフラミンゴを担当された芳山優さんなど、紹介しきれないほどのたくさんの方が超絶技巧の変身バンクを描いています。



 プリキュアのへんしんシーンは、変身アイテム(おもちゃ)のアップから始まり、最後はプリキュアの全身を映して決めポーズ、というお約束があります。



 いわばおもちゃの広告塔としての大きな役割もあるのですが、その制約の中どのへんしんシーンも製作者が工夫を凝らしてキラキラですてきなものに仕上げています。



 プリキュアのへんしんシーンは日々進歩しています。毎年の様に新しい表現が生まれ歴史を重ねていくのです。この先どんな進化をしていくのか楽しみです。



 プリキュアのへんしんシーンは、これからも子どもたちを魅了し続けていくのです。



●著者:kasumi プロフィール



プリキュア好きの会社員。2児の父。視聴率などさまざまなデータからプリキュアを考察する「プリキュアの数字ブログ」を執筆中。2016年4月1日に公開した記事「娘が、プリキュアに追いついた日」は、プリキュアを通じた父娘のやりとりが多くの人の感動を呼び、多数のネットメディアに取り上げられた。


このニュースに関するつぶやき

  • 板岡さんの変身バンクはビシバシ動くので4人バンクになった時に浮いちゃうことが多いんだけど今季のトロプリの4人バンクはそれが解決されていてすごく良い
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  • 萌えですぅ!
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