【F1第2戦無線レビュー(1)】「マシンの感触がよくない」スタートの攻防で接触、首位の座を失ったハミルトン

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2021年04月23日 07:51  AUTOSPORT web

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2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP スタート直後、首位の座を争うマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)
2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGPは、ウエットコンディションからドライコンディションへと変化する難しい状況でのレースとなった。路面が濡れている区間とほとんど乾いている区間が混在していたため、スタート前からアクシンデントが相次いだ。各チームともトラブルやタイヤ選択などに苦労していたが、そんな各ドライバーらのやり取りを無線で振り返る。

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 レース前に大雨が降り、そこから路面が徐々に乾いていく難しいコンディションとなった第2戦エミリア・ロマーニャGP。グリッドにつくレコノサンスラップからコースオフが相次ぎ、レーススタート後もクラッシュの相次ぐ波乱の展開となった。

 レース開始の約1時間前に突然雨が降り出し、しかも場所によってどしゃぶり区間とほとんど乾いている区間、ちょい濡れ区間と極端な違いが出て、最適なタイヤは何なのか、ドライバーやエンジニアたちは右往左往させられた。

 浅溝のインターミディエイトで出て行った角田裕毅(アルファタウリ・ホンダ)だったが、セクター1から先は完全ウェット路面だった。

角田:ドライタイヤ(でのスタート)は、ありえないね
アルファタウリ・ホンダ:エクストリーム(フルウェット)がいいと思う?
角田:そうだね。エクストリームだ

 もしかするとチームメイトのピエール・ガスリーにチームがウエットタイヤを履かせたのは、このやりとりも影響したのかもしれない。結果的にはインターミディエイトが正解で、ガスリーは序盤で大きく順位を落としていく。一方の角田は、自分の意思でインターミディエイトを選択した。

 その後もフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)が水たまりに乗ってコントロールを失ってウォールに衝突したり、バルテリ・ボッタス(メルセデス)が左リヤタイヤをパンクさせたりと、ハプニングが相次いだ。ランス・ストロール(アストンマーティン)は右後輪のブレーキが加熱してドラムが燃え出し、パニック状態だった。

ストロール:火が見える! 燃え出してる!
アストンマーティン:大丈夫だ。スピードを上げて火を消すんだ!

 スタートの攻防。3番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が完璧なスタートを決め、ターン2でルイス・ハミルトン(メルセデス)とブレーキングバトルを繰り広げた。両者はわずかに接触。ハミルトンはフロントウイング左翼端板のアンダープレートを失った。

ハミルトン:マシンの感触がよくない
メルセデス:翼端板にダメージを負ったからね。空力バランスをチェックしているところだ

 ニコラス・ラティフィ(ウイリアムズ)のクラッシュで、セーフティカー(SC)が出動。その周回中、タイヤを温めようとしていたミック・シューマッハー(ハース)がスピン、ウォールにぶつかり、フロントウイングを壊してしまう。

シューマッハー:ダメージはひどいのかな
ハース:ノーズが壊れているが、大したことはない。でもプッシュする必要はないからね

 シューマッハーへのエンジニアの無線は、マゼピンのそれに比べるとずいぶんソフトな対応に聞こえる。

 グリッド5番手からスタートしたガスリーは、SC明けの9周目には8番手、12周目には10番手まで後退していた。無線では流れなかったが、ガスリーがタイヤについて文句を言ったのだろう。しかしチームはウエットでの周回続行を指示した。

アルファタウリ・ホンダ:ピット側は、けっこう雨が降ってる
アルファタウリ・ホンダ:もうすぐまた雨が降るから!

 しかし結局雨は降らず、14周目にガスリーはピットイン。ほぼ最下位まで順位を落としてしまった。
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(2)に続く

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