不登校YouTuberに有名人も賛否。ゆたぼん少年をネットにさらしたのは誰か

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2021年04月23日 09:21  女子SPA!

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女子SPA!

写真(画像:You Tube「少年革命家ゆたぼんチャンネル」より)
(画像:You Tube「少年革命家ゆたぼんチャンネル」より)
 少年革命家ユーチューバーこと、ゆたぼんについて議論が起こっていた。

 この4月から中学生になった彼は、動画で「中学校に行く気はありませーん!」と小学校に続いての不登校を宣言。そのネットニュースへの反応は喧々囂々(けんけんごうごう)、多くの人が持論を述べた。

◆茂木健一郎氏は擁護、乙武洋匡氏らは否定的

 かねてからゆたぼんと親交がある脳科学者の茂木健一郎氏は、「なんの問題もないと思います」として、自身のチャンネルでゆたぼんを支持する動画を展開して解説。

 著名人からの擁護寄りの意見はこれぐらいで、あとはおおむね否定派が多かった印象だ。

 教員の経験がある乙武洋匡氏は「不登校自体は決して咎められることじゃないけれど、教育は受けてほしい。それこそが、まさに保護者の務めでは」とツイート。

 人気ユーチューバーのシバター氏は、動画でゆたぼんと交流するかのように語り掛け「学校はいいぞ」と自身の経験を伝えながら、「(学校に行かないと)選択肢が狭まる」「耳障りのいいことを言う人達は君を実験対象として見ている」などと厳しく指摘していた。

◆「いちいち過剰な反応をしない」に尽きる

 一昨年に琉球新報など複数のメディアがその存在を取り上げてから、定期的にネットを炎上させ話題を振りまいてきたゆたぼん。

 現行の教育制度に疑問を投げかける存在のようにも見えるが、やはりその実、賛否両論を再生数に換えて稼ぐユーチューバーである。いかにも関西風味のいかした面構え、関西弁でズケズケと物を言うキャラクターを生かし、「不登校」というマイノリティと「若さ」を武器にしている。今やYouTubeの登録者数は13万人を超え、ネット上では一定の知名度を得たと言えるだろう。

 一般のネットユーザーの反応を見ても批判の方が多いのは周知の事実。だが、「みんな行っている学校に行かないなんて」のような意見は少数だ。成熟したネット民は頭ごなしにこんな意見をぶつけても意味がないことを知っている。

 ネットウォッチャーの「最適解」があるならば、「いちいち過剰な反応をしない」。これに尽きるだろう。

◆ゆたぼんの言動に騒げば騒ぐほど思うつぼ

 動画再生数を上げることこそ善である配信者たち。その闇に取り込まれて罪を犯したり迷惑行為をしたりすれば、ちゃんと社会的制裁がある。

 そうでもない ゆたぼんの言動に騒げば騒ぐほど思うつぼで「動画見てくれてありがとう」でおしまいだ。もしも不愉快なら視聴しないことが一番である。

「生意気なガキ」「ろくな大人にならない」などと反応しても、「教育制度や大人をディスって注目を浴びる」という彼の作り上げたキャラはそんなことでは折れない。ゆたぼん自身も批判の声に対して「俺より稼いでいない」などと煽(あお)る発言をして、そこがまた「アンチ」を増やしていく要因でもある。

◆「ゆたぼんのパパ」は何者?

 そうした活動のマネジメントをして彼とともに有料の講演会などを開催しているのが「ゆたぼんのパパ」中村幸也氏だ。

 ツイートで激論を交わし、擁護派の意見をせっせとリツイートするなどして我が子を守っているが、どうも火に油を注いでいる気がしてならない。

 今回の中学不登校宣言の件でも、「2ちゃんねる」創始者のひろゆき氏とツイッター上でやりあっていた。

「教育の機会を捨てるのを是とする考えを広めるのは社会的に良くないしアホの再生産になります」というひろゆき氏に対して、中村氏は「義務教育の意味を理解してないアホがなんか言ってら」と応戦。

「『学校に通わせることだけを目的』にしている親は子どもの気持ちをまったく考えることができていない。子どもに選択させてあげるのが大切なのに」などと述べていた。

 議論の是非はさて置き、中村氏が日本屈指の議論の達人に逃げずに立ち向かったことは「やるじゃないか」と素直に思った。「ゆたぼんのことを多くに人に知ってもらえるように協力してくれていて有り難いことですわ」と結んでいたように、注目を集めたい意図があったとしても、ちょっぴり見直した。

◆肩書きは「心理カウンセラー」「自由人」……って

 実はゆたぼんが騒がれ始めた頃から、筆者はゆたぼんよりもこのお父様に夢中だ。

 現在のツイッターのプロフィールには、「少年革命家ゆたぼんのパパ」とともに「講演会の講師」「自由人」「不登校界のビッグファザー」……。輝いて見えるほど興味深い肩書きが並んでいる。

 その一つに、「心理カウンセラー」もある。2019年時点で募集していたLINE通話1時間1万5000円、対面1時間3万円(出張費除く)のカウンセリング料は一般的には決して安価とは言えないが、その価値観もお客さん次第なのか。これが彼の生業なのだろう。

 元暴走族で、恐喝、窃盗、覚せい剤などの悪事に手を染めたという中村氏。一念発起して働き、2010年に「日本メンタルヘルス協会」で学んでカウンセラーの資格を得たらしい。

 同協会は、臨床心理士や公認心理師の国家資格を得るために勉強をする組織ではない。中村氏のそれは民間組織で得た資格なのだ。医師などとは違ってカウンセラーは誰でも名乗ることができるから、自分のことを「革命家」と言っているのとそんなに変わらない。

◆「自称カウンセラー」は自己啓発屋さんに近い

 すっかり消えてしまったので名は出さないが、虐待の連鎖に悩む相談者に「あなたの娘さん、叩かれるために生まれたのよ」とのオリジナル理論を吹聴して大炎上した「自称心理カウンセラー」もいた。

 筆者はこの手の人に依存し人生を狂わせたケースをたくさん知っている。深刻な悩みを抱える人が近寄ってはいけない存在だとまで考えている。

 中村氏も含めて真面目にやっていると主張するのであろう方々に気の毒なので、それらの害悪の委細には触れないが、公的な組織で従事できるような国家資格を持つ方々と比較すれば、「自称カウンセラー」が高い知見と体系化された心理学のトレーニングを必要としないことは確かだ。自己解釈の理論を伝える自己啓発屋さんに近いと言える。

◆もしユーチューバー以外の職業につきたくなったら…

 ゆたぼんも「子どもの好きなようにさせろ」「子どもは好きなようにしろ」と、細やかな配慮があるわけではない自己啓発的な自由な教育方針で育まれてきたのだろう。そうした考え方で、世間一般と違うことをやってよかったと証明されるのは、義務教育の期間を終えてからが本番だと思う。

 そもそも、そこに他者が口を挟む余地はあまりないが、大きな問題は、既にゆたぼんにすごい数の好奇の目が注いでしまっていることだ。

 もしも彼が「少年革命家のユーチューバー」ではない他の職業に就きたくなったら、学校に通うことも含めていくらでも進む道があるが、「それ見た事か」との批判に晒されながら、大きすぎる過去と訣別する必要がある。すごく辛い作業だと思う。

◆少年革命家ゆたぼんをネットにさらしたのは誰か

 ネットでは何を発信しようが自由な反面、それに対して意見論評をしても自由だ。子役のような仕事をさせて、何の非もないのに叩かれたのならまだ分かる。だが、「少年革命家」と名乗らせて社会をディスって、都合のいい時だけ「まだ子どもなのに」「寄ってたかって子どもを」のように言っても筋が通らない。

 しかもお金儲けと思われても仕方がないコンテンツにしておいてそれは無い。ゆたぼんがそう望んだとしても、ネット上に意図的に子どもを晒してしまったのは、他ならぬ親なのである。

 親子で「大きなお世話や」と口を揃えて抗ったところで、これからゆたぼんがどんな大人になるのか、多くの人が注目することだろう。
 これからも「いちいち過剰な反応はしない」でウォッチしていきたい。

<文/黒猫ドラネコ>

【黒猫ドラネコ】
大分県出身。Webライター。主に怪しいスピリチュアル界隈や信者ビジネスなどを観察し潜入取材も敢行。赤坂のイベントBar「三代目」に出没します。
Twitter:@kurodoraneko15

このニュースに関するつぶやき

  • 理解できないのは、ゆたぼん自体(枝)が議論の対象になる点。不登校生徒数が年々増えているのは事実でその是非や対策(幹)について議論すべき。会議が横道に逸れる典型的なパターン。
    • イイネ!0
    • コメント 2件
  • 不登校カード使えるのもあと3年、3年後になにが残るんだろうな、この子(白眼)
    • イイネ!24
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