東京駅を2時間たっぷり楽しむ方法とは?『散歩の達人』編集長コラム

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2021年04月23日 11:11  ダ・ヴィンチニュース

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写真『散歩の達人』5月号(交通新聞社)
『散歩の達人』5月号(交通新聞社)

 こんにちは。散歩の達人編集長の土屋です。

 例年とはちょっと状況が違うものの、いよいよ心機一転の新年度が始まりました。日本でははじまりの季節ですね。そこで今月号の散歩の達人では、鉄道でも道でも日本の起点となる「東京駅・日本橋」を大特集。新年度のスタートにぴったりのエリアです。表向きの豪奢で華やかなスポットだけじゃなく、じっくり歩けば、古きよき路地裏や、職人さんの集う街角、あるいはちょっぴり秘密にしたい喫茶店などが見つかる、素敵な下町。懐かしさと新しさが優しくとけあうこのエリアを歩いてみれば、街のつむいできた記憶が、自分のふとした思い出と不思議に結びつく瞬間があるはず。誰もがきっと「ただいま」と言いたくなる、東京のまん真ん中を盛りだくさんに紹介します。

 表紙には放浪1000回を突破したBS-TBS『吉田類の酒場放浪記』で人気の吉田類さんに登場していただきました。今回は特別に、類さんの日本橋界隈の酒場放浪に密着取材し、その合間に類さんのこれまでと東京の大衆酒場との関係についてインタビューも敢行。ほろ酔いながらも丁寧に対応してくださった、類さんの魅力が満載のインタビュー記事は、本誌をぜひご覧ください。

 さて、今回のコラムでは、誌面の都合で紹介しきれなかった、東京駅を2時間たっぷり楽しむコツをご案内しましょう。じつはこの取材には私、土屋も同行して、東京駅フォトグラファーの佐々木さんの案内に大いに感銘を受けました。まず「2時間」というのは、駅の入場券を利用できる制限時間。じつは入場券は買った時間から2時間を超えると使用不可になるのです(JR東日本・東海・西日本・北海道の全駅とJR九州の博多駅・小倉駅)。とはいえ、ふつうは駅構内で2時間も過ごせませんが、この東京駅は違います。2時間も足りなくなるくらいの見どころがあるのです。

 というと「なんだ。食事したり買い物したりすれば、2時間なんてあっという間じゃないか」と思われる人もいるかもしれません。もちろん、東京駅にはグランスタやエキュートがあるのでそれだけでも十分楽しめますが、今回は基本的には「お店で過ごす」以外の楽しみ方を紹介します。

 まず、東京駅丸の内南口から改札を入りますが、ここで誌面ではちゃんとお教えしていないポイントが。この入場券、自動券売機で買ってはいけません。必ず「みどりの窓口」で購入しましょう。そうすると定期券サイズの大きめの入場券をもらえます。なぜそうすべきなのかというと、2時間たっぷり駅構内を楽しんで改札口を出る際、記念に切符を持って帰ると言うと、一般的には「無効」と書かれたスタンプを押されるのですが、東京駅(JR東日本の改札)では、駅舎をデザインした乗車記念スタンプを押してもらえるのです。これがなかなかうれしい! でも自動券売機で買った小さい切符では、このスタンプがはみ出てしまうのです。ここ小さいけれど大事なポイントです!

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東京駅入場券に押してもらった記念スタンプ。ちょっとにじんでしまった。

 さて、改札から駅構内に入ると左手に、丸の内駅舎のレンガを間近に見られるところがあります。誌面でも丸の内駅舎のレンガは、構造用レンガと化粧レンガという2種類あると書いていますが、その2種類がよくわかる場所なのです。渋沢栄一が出身地の深谷で作ったレンガが東京駅に使われた、という話は有名ですが、そのレンガというのは実際には私たちが目にすることのない化粧レンガの裏にある構造用レンガだったのです(ちなみに化粧レンガは愛知県常滑産)。

 その後、5・6番線の明治時代の鉄柱を見たり、各ホームの0キロポストなどを見学したりしながら、東北・北陸新幹線の改札に入ります。じつは東京駅の入場券は新幹線改札でもそのまま使用可能。これ、当たり前のようですが、個人的には意外な発見でした。そして20・21番ホームの有楽町側の先あたりが、東京駅構内でもっとも丸の内駅舎をよく見られるポイントで、ここからは山手線や京浜東北線とともに丸の内駅舎を撮影することができます。このポイントもさすがに東京駅を知り尽くしている佐々木さんならではの情報です。

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5・6番ホーム有楽町寄りにある明治時代の鉄柱。

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新幹線ホームには0キロポストならぬ、0キロポイントが。

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20・21番線ホーム有楽町寄りから、丸の内駅舎とともに山手線を撮影。

 その後、記念スタンプをもらい、改札を出て「東京ギフトパレット」へ。ここは物販&飲食店じゃないか、と言われるでしょうがご容赦を。この商業エリア、じつは東海道新幹線700系車両のリサイクル建材が使用されているのです。周りを取り囲む屋根のカーブを見ると、ちょっとわかるのではないでしょうか? ところどころに「ありがとう700系」のプレートがあるのでぜひ探してみてください。さらにこの「東京ギフトパレット」で必見なのが、誌面でも紹介している「100系新幹線食堂車 銅のエッチング」です。当時の2階建て車両の食堂車の壁面装飾で使われたアートが、「東京ギフトパレット」のスターバックスの2Fで見ることができるのです。ちょっと鉄道に興味がある人でないと見逃してしまう展示なのでぜひご覧ください。

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「東京ギフトパレット」の周囲には700系新幹線車両の建材をつかった屋根が。

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1・2番線中央線ホームは後から上に作ったため、丸の内駅舎の一部を削った個所がある。

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2024年に一新される新1万円札に東京駅が描かれるが、その傍らにある木がこれではないかと佐々木さんは推測する。

 という感じで、まだまだ紹介しきれませんが、誌面も合わせて読んでいただき、東京駅の楽しみ方の参考にしていただければ幸いです。

 さて、大特集では、ほかにも「東京駅・日本橋」の企画がずらり。上記で紹介したような東京駅のマニアックな見どころだけじゃなく、東京駅構内の飲食店や物販店のおすすめを紹介した「“東京駅限定”を見逃すな」「食べたい!が見つかる 東京駅テイクアウトグルメ」「東京駅、お手軽本格モーニング」はもちろん、日本橋エリアでは「いま、兜町がおもしろい!」「人形町の脚本家、下町と映画人生を語る」「老舗そば屋飲みの愉楽」「人形町で“はしごあんこ”」などなど。エリア横断企画では「アンテナショップ巡り」「大人のごほうびパフェ図鑑」「パンおじさん、愛のパン屋巡り」「大人のための酒場天国」など盛りだくさんにお届けします。

 そして第2特集は、コロナ禍で注目はあまりなかったものの、意外に多かった2020年新オープン&リニューアル情報をまとめてみました。

 残念ながら、まだまだコロナ禍は続きます。今月号では遠出をせずに旅気分を味わえる企画も満載にお届けしています。まずは本誌を読んで、3密を避け、今できる散歩を楽しんでください。一日も早く今まで通りの散歩が楽しめるよう、私も心から祈っています。



土屋広道(つちやひろみち)1972年埼玉県生まれ。関西学院大学社会学部卒業後の1996年に株式会社弘済出版社に入社(合併を経て2001年に株式会社交通新聞社)。『鉄道ダイヤ情報』『旅の手帖』編集部を経て、2008年より『散歩の達人』編集部所属。2017年11月号より同誌編集長。

『散歩の達人』最新号は4月21日(水)発売!


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  • 導線は難しくないけれど、それでも範囲が広すぎるから名古屋駅や梅田にも引けをとらないダンジョンと化しているのがJR東京駅。メトロ東京駅の意外な狭さにはびっくり!
    • イイネ!4
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