1本30万円のウイスキーのお味は? 自腹でテイスティングしてみた

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2021年04月23日 16:32  日刊SPA!

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写真長期熟成と熟成した樽の酒類が原因で、とても濃い色に仕上がっています
長期熟成と熟成した樽の酒類が原因で、とても濃い色に仕上がっています
―[30代が知らないと恥ずかしい! 今さら聞けないお酒のキホン]―

 2019年、ニッカウイスキー宮城峡蒸溜所設立50周年を記念して、スペシャルボトルが発売されました。「シングルモルト宮城峡 リミテッドエディション2019」と「シングルモルト余市 リミテッドエディション2019」です。

◆コスパ無関係で飲みたい一本

 1960年代、70年代、80年代、90年代、2000年代のそれぞれの原酒をブレンドした激レアなウイスキーです。余市と宮城峡では、余市の方が人気が高いのですが、今回の主役は宮城峡。なんと、宮城峡蒸留所で初めて蒸留した原酒まで使っているのですから驚きです。

 それぞれ700本の限定販売でした。価格はそれぞれ30万円(税別)しますが、速攻で両方とも購入しました。清水の舞台から飛び降りましたが、どうしても飲んでみたいからです。コストパフォーマンスとかは考えていません。

 発売後直ぐにプレミアムを載せて転売されており、現在は「シングルモルト宮城峡 リミテッドエディション2019」は45万円前後、「シングルモルト余市 リミテッドエディション2019」が75万円前後で販売されています。

 もちろん、転売などせず、開けました。今回飲んでみたので、レビューをご紹介します。

◆その味と香りは……

 まずは、「シングルモルト余市 リミテッドエディション2019」から。北海道の余市蒸留所は1934年に操業を開始しており、90年近い歴史があります。蒸留する際、ポットスチルは蒸気で熱するのが一般的です。昔ながらの直火は珍しいのですが、中でも余市蒸留所は石炭を使っているのが特徴です。

 色はものすごく濃い茶色で、濃厚な香りです。甘やかな印象で、樽由来のバニラ感もあります。長期熟成のニュアンスがあり、国産ウイスキーではあまり感じることのできない経験です。

 味わいは、もう絶品です。ビターな感じがあり、元から大好きな余市の延長上にある雲の上の美味しさです。口の中でぶわっと樽感が広がり、アフターも長く、にやけが止まりません。格好よく言うなら麦とはちみつ、筆者的には出汁のような旨みを感じました。

 ゆっくり飲んでいると、時間が経つにつれてピートが顔を出してきます。ピートとは泥炭のことで、大麦を乾燥させるときの燃料に使うと、ウイスキーに燻製香が付くのです。余市はもとからピート感のあるウイスキーですが、「シングルモルト余市 リミテッドエディション2019」も開いてくるとピーティーに感じます。ピート好きの筆者としては、さらに美味しく楽しめました。

◆3250万円で落札されたウイスキーの香りに

「シングルモルト宮城峡 リミテッドエディション2019」は余市よりもやや薄いにせよ、濃厚です。赤みがかっており、シェリー樽で熟成した原酒が多く入っていることが伺えます。香りは、「ど」シェリーでした。爽やかでハーブ感もありますが、セメダインCのような感じもあります。

 ウイスキーでは時々、セメダインCのような香りを感じることがありますが、決してけなし言葉ではありません。あくまでも似た香りだ、というだけです。ちなみに、3250万円で落札されたこともある「山崎50年」(サントリー)もセメダインCの香りが印象的でした。

 味わいは香りの通り、シェリーが真正面から来ます。1969年に操業を開始し、最初に蒸留した原酒を使っているというスーパーレアなお酒ですが、あまり古酒という印象ではなく、想像よりも元気です。シェリー樽で熟成したウイスキーは芳醇で甘やかに仕上がるため、世界中で人気ですが、このボトルはさらにシェリーが効いています。芳醇なのはもちろんなのですが、なかなかにパワフルです。

 時間が経つにつれて、宮城峡も大きく変化します。最初はドライなシェリー感だったのですが、どんどんまろやかになってきます。5ディケイドの原酒がいい感じでまとまっているのですが、開くことで長期熟成の深みが顔を出してきます。余韻が長く、飲み込んだ後に呼吸するのが幸せです。

◆コストパフォーマンスを論じるのは無意味

 どちらも最高でした。原価で合計60万円(税別)のお酒でコストパフォーマンスを論じるのは意味がありません。ロマンです。とは言え、ウイスキー好きとしては飲めて幸せでした。

 将来、余市の50年ものが発売されれば、車が買えるくらいの金額になると思いますが、迷わず買えるように貯金しようと思います。

<文/柳谷智宣>

―[30代が知らないと恥ずかしい! 今さら聞けないお酒のキホン]―

【柳谷智宣】
お酒を毎晩飲むため、20年前にIT・ビジネスライターとしてデビュー。酒好きが高じて、2011年に原価BARをオープン。2021年3月には、原価BAR三田本店をオープンした。新型コロナウイルス影響を補填すべく、原価BARオンライン「Wi杯」をスタート。YouTubeチャンネルも開設し生き残りに挑んでいる

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