復帰のB-MAX松下信治、トムスからデビューのアレジとともに勢力図を変えられるか【第2戦鈴鹿プレビュー】

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2021年04月23日 19:11  AUTOSPORT web

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2020年にB-Max Racingからスーパーフォーミュラに参戦した松下信治
今週末に鈴鹿サーキットで開催されるスーパーフォーミュラ第2戦。SUZUKA 2×4 RACEとして2輪と4輪が併催されるビックイベントになるが、スーパーフォーミュラに話題を限れば、今回一番の注目となるのがB-Max Racingから今季初参戦する松下信治と、Kuo VANTELIN TEAM TOM’Sでスーパーフォーミュラ・デビューを果たすジュリアーノ・アレジのふたりだろう。

 松下は今季、スーパーフォーミュラ参戦は一時断念せざるを得ない状況に追い込まれていたが、シリーズの将来とファンの後押しもあってホンダがエンジン供給の方針を変更し、念願叶ってこの第2戦からグリッドにマシンを並べることになった。

 今季参戦が可能になった際に松下は「みなさまの思いがいろいろな壁を動かしてくれました。すべての人たちに感謝を申し上げたいです」とリリースで感謝を述べた。

 そしていよいよ、今週末。翌日からのセッションに備えた松下に、改めて今季デビュー戦の抱負を聞いた。

「やっぱり今年走れていない分、不利な部分はどうしてもありますが、それはあまり考えずに、まずは今の自分たちの実力を出せるような、いいレースがしたいなと思っています」と松下。

 開幕戦の富士スピードウェイでは実際にレースを見ていたが、松下の目には開幕戦はどのように見えたのか。

「サーキットで見ていましたが、自分が走っていないので細かくは分かりませんが、ホンダ勢は好調に見えました。そしてやはり速いドライバーは今年の開幕でも変わらず速かったので、そこまで大きく勢力図が変わったとは思っていませんね」

 まさに今週末の第2戦、ぶっつけ本番での戦いとなるが、松下は冷静に週末のセッションへの取り組みをイメージしている。

「Q1、Q2、Q3と進めれば進めるほど走れる時間も長くなるので、まずはそこを目指しています。レースは30周と短いですけど、それまでのセッションと同じように、走るたびに順位が上がっていくような、いい週末にしたいですね。結果は大事ですが、あまり気負わずに走りたいです」

 FIA-F2の実績だけでなく、昨年の最終戦富士での3位表彰台から考えれば謙虚とも言えるコメントだが、それも松下が現在のスーパーフォーミュラの難しさを理解しているからか。

 一方、チーム監督を務める本山哲監督の期待はもちろん、高い。

「オフのテスト、そして開幕戦を走れなかったという部分はありますが、去年もこのクルマで走っているし、去年の終盤も好調だったので、その延長戦で最初から思いっきり走ってほしいですね。優勝を狙っていますし、そのパフォーマンスと可能性はあると思っています」と本山監督。

 まずは1周でも多く走ることが最初の目標となりそうだが、松下が予選でどこまでその発揮できるのか、楽しみだ。

 そしてその松下に負けず劣らず注目されるのが、中嶋一貴の代役としてスーパーフォーミュラ実戦デビューを果たすジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)だ。

 今回はスーパーフォーミュラ・ライツとのダブルエントリーとなり、体力的にも厳しいデビューとなるが、その難しい状況のなかでどこまでのパフォーマンスを発揮することができるのか。オフのスーパーフォーミュラでの鈴鹿合同テストでは総合9位のタイムをマークしたが、今回のコンディションで、予選のニュータイヤでどこまでパフォーマンスを引き出すことができるかが鍵になりそうだ。

 もちろん、松下、アレジの他にも、開幕戦で4位ながら不本意な結果に終わった平川亮(carenex TEAM IMPUL)、決勝では6位まで順位を上げたが、開幕戦の予選では16番手のQ1ノックアウトという不振に見舞われた山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)がこの鈴鹿でどんなパフォーマンスを見せるのか。

 そして開幕戦でポール・トゥ・ウインを果たした野尻智紀(TEAM MUGEN)がこの鈴鹿でも同様の速さと強さを見せるような展開になれば、野尻は一躍、今シーズンの圧倒的なチャンピオン本命ドライバーとなる。

 さまざまな思いと勢力模様が交錯するスーパーフォーミュラ第2戦鈴鹿、土曜の予選がまずは最初の勝負どころとなる。

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