全然モクモクしてないぞ...! 紙巻たばこも吸えるカフェ「THE SMOKIST COFFEE」が、このご時勢にオープンした理由

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2021年04月30日 17:10  Jタウンネット

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写真東新宿店(写真は筆者が撮影)
東新宿店(写真は筆者が撮影)

喫茶店で席に座って、たばこで一服。コーヒーを飲みながら煙をくゆらせるのは、喫煙者にとって至福のひと時だった。

でも、そんな光景を最近あまりみかけなくなった。

2020年4月1日から施行された「望まない受動喫煙」の防止を目的とする改正健康増進法の施行により、屋内施設が「原則禁煙」になったからだ。そのため紙巻たばこが吸える喫茶店は少なくなった。また昨今の社会情勢により閉鎖された公衆の喫煙所も数知れず......。

ここで喫煙者に朗報だ――。なんと、コーヒーを飲みながら堂々とたばこが吸える喫茶店が都内にあるらしい。

その名も、「THE SMOKIST COFFEE」。

「あの頃」を思い出せる――。そう思った筆者は、さっそくたばこを片手にお店に向かった。

パソコンを開きながらプハーッって、懐かしいな

改正健康増進法(以下、改正法)の施行で、飲食可能な喫煙スペースを「加熱式たばこ専用」にしたり、紙巻たばこも吸えるが飲食ができない「喫煙専用室」を設けたり、といった対応をとった喫茶店は少なくない。

20年11月にオープンした「THE SMOKIST COFFEE」の魅力は、

座席で、
飲食しながら、
紙巻たばこと加熱式たばこの両方を喫煙できること。

「カフェ・ベローチェ」や「珈琲館」「コーヒーハウス・シャノアール」などをチェーン展開するC-United(東京都港区)が運営するカフェで、東京都内に、

新橋店(新宿区)
東新宿店(新宿区)
神田須田町店(千代田区)

の3店舗を展開している。

筆者が向かったのは、東新宿店。ポカポカとした陽気の昼時だ。

東新宿店(写真は筆者が撮影)
東新宿店(写真は筆者が撮影)

2階建てで、1階が完全禁煙席、2階が「喫煙目的室」。ちなみに他2店舗は、全席喫煙可能だ(※)。

(※)改正法では原則室内禁煙だが、事業の内容や経営規模への配慮から各種喫煙室の設置が認められている。
(1)飲食不可だが紙巻・加熱式たばこの喫煙が可能な「喫煙専用室」
(2)飲食可能だが加熱式たばこのみの喫煙が可能な「加熱式たばこ専用喫煙室」
(3)喫煙・飲食(主食を除く)のどちらも可能な「喫煙目的室」
(4)喫煙・飲食のどちらも可能な「喫煙可能室」(改正法施行前から存在する、経営規模の小さな飲食店のための経過措置)
の4つで、「THE SMOKIST COFFEE」は(3)の「喫煙目的室」にあたる。このスペースは喫煙場所の提供を目的とする施設にしか設置することができない。
自動ドアに「飲食しながら喫煙可能」。立て看板には「2F喫煙目的室あり」
自動ドアに「飲食しながら喫煙可能」。立て看板には「2F喫煙目的室あり」

自動ドアには「飲食しながら喫煙可能」とあり、立て看板には「紙巻たばこ・加熱式たばこ可」とある。

せっかくなので、軽食のナポリタンとアイスコーヒーのセットを注文し、2階へ向かった。

屋内に灰皿って、懐かしいな
屋内に灰皿って、懐かしいな

階段を上った先には、小テーブルに灰皿が積み重なって置かれていた。

なんて、懐かしい光景だろう。ぐるっと店内を見渡すと、コーヒー片手にたばこを吸う利用客たちが、静かにそのひと時を過ごしていた。

みなさん、至福のひと時を...。窓ガラスから日が差し込み、気持ちよさそう
みなさん、至福のひと時を...。窓ガラスから日が差し込み、気持ちよさそう
店内は広々とし、見晴らしがいい。しかも、たばこのにおいがあまりしない...?
店内は広々とし、見晴らしがいい。しかも、たばこのにおいがあまりしない...?
懐かしい気持ちに
懐かしい気持ちに

筆者もさっそくたばこに火をつけ、ひと吸い。

スーッ。プハーッ。ゴクゴク...。

この繰り返しが、最高なのである。紙巻たばことコーヒーって、とても美味しい。

世の中には「喫煙専用室」というカタチで、屋内で紙巻たばこが吸える施設はもちろんある。しかし「飲食しながら...」はNGで、こうして座って、食べたり飲んだりしながらたばこを吸うことができる環境は限られているのだ。

ナポリタンを食べて、ひと吸い
ナポリタンを食べて、ひと吸い
ながら吸いって、最高だ
ながら吸いって、最高だ

パソコンを開いて、作業をしながらたばこを吸うことも可能だ。

何かをしながら座席でたばこを吸える――。なんて幸せなのだろう。

なぜこのご時勢にオープン?お客さんからの反応は...?

ところで「THE SMOKIST COFFEE」は、20年4月の改正法の施行後に、オープンしている。

なぜこのご時勢に...?

そんな疑問を持った筆者は、C-Unitedを取材することにした。

同社のマーケティング本部・広報担当者は、その理由をこう説明する。

「立ち上げの背景としては、昨年4月に改正健康増進法が施行され、飲食店など屋内での喫煙が原則禁煙となり、街で自由に吸う場所が非常に少なくなっていることにあります。

喫煙者と非喫煙者の双方にとって心地よい環境になるために、カフェ事業を展開する当社だからこそ社会へ貢献できることを考えました。

『喫煙できる特別な空間を設けることで路上喫煙を抑制し、非喫煙者にとっても心地よく日々の生活が送れるよう、互いが気持ちよく共存できる街を醸成する一助になりたい』そういった想いのもと、オープンいたしました。

東新宿店のような1階が完全禁煙席で、2階が喫煙目的室といった場所や、新橋店・神田須田町店のような全面喫煙可能な喫煙目的施設を作ることで、日常の生活の中で、非喫煙者の方の受動喫煙の機会が軽減できると考えています」(C-United広報担当者)
「大人の嗜好品を愉しむ場所。」(画像は公式サイトのスクリーンショット)
「大人の嗜好品を愉しむ場所。」(画像は公式サイトのスクリーンショット)

「大人の嗜好品を愉しむ場所」をコンセプトに、心地よい空間づくりを目指すTHE SMOKIST COFFEE。

公式サイトには「煙草を吸う人、そして、吸わない人に対しても心地よさを考える私たちの取り組み」を掲げている。

その一つに、室内の空気環境をクリーンに保つ「大風量換気システム」の設置がある。これにより「4分に1回空気を循環」させているとのことだ。

換気システム。4分に1回以上室内の空気が循環する仕組み
換気システム。4分に1回以上室内の空気が循環する仕組み
「喫煙対策をはじめとする室内空気環境のソリューションカンパニーであるトルネックス社ご協力のもと導入された、電子式フィルタによる高い集塵効果を持つ高性能な換気システムを設置することで、室内の空気環境をクリーンな状態に保っています。換気システムがたばこの煙から出るにおいと、粉塵の95%以上を除去することで、キレイな空気を循環させています。

また健康面への配慮から、利用は60分以内と、在店時間に制限を設けることで、喫煙者の方には、喫煙または他の喫煙者の方からの受動喫煙の『量』を低減する取り組みも行っています」(C-United広報担当者)

喫煙スペースって、煙がモクモクと充満しているイメージを持っている人が多いかもしれない。だが、筆者の所感としては、店内からたばこのにおいはほとんどしなかった。それほど、換気システムに力を入れているのだろう。

20年11月のオープンから約半年が経った東新宿店。利用状況は、喫煙者が8割程度で、非喫煙者が約2割だという。

東新宿店・店長の厚ケ瀬舜さん
東新宿店・店長の厚ケ瀬舜さん

東新宿店・店長の厚ケ瀬舜さんは、

「ビジネスパーソンの方が、出勤前や仕事終わりに一息ついていらっしゃいますね。男性も女性の利用客も、喫煙席の利用は多いと感じています」

と話す。お客さんからも「席でゆったり座りながらコーヒーを飲めるというのは嬉しい」などと直接声をかけられることもあったという。

SNS上では、THE SMOKIST COFFEEに対して「こういうの、待ってた!!!!」「タバコを吸わないから、店単位で分離するところに好感!」「非喫煙者でスモーキストコーヒーに来たけど全然不快感なくてびっくり」といった声があがっている。

厚ケ瀬店長に、喫煙者と非喫煙者、双方の利用者に向けたメッセージをお願いすると、彼はこう語った。

「喫煙者の方にとっては、昨今喫煙できる場所が減っていると思います。そういったなかで、コーヒーや軽食を楽しみながら、ご利用いただける空間を、自信を持って提供をしております。
煙草を吸われない方からは、『1階の禁煙席を利用したけれど、煙が気にならないね』といったお声をいただいております。喫煙者と非喫煙者の方々に、心地よいサービスを今後も提供していければと思っています」

また、今後の店舗展開について、広報担当者は「社会情勢や地域性などを分析・考慮したうえで、慎重に検討していきたい」とした。

利用者に寄り添った空間を提供。今の時勢にピッタリな喫茶店なのかもしれない。

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