■湘南ベルマーレ 鉄壁の守備と粘り強さで無敗継続。あとはゴールを決めるだけ
【プラス材料】
4月はリーグ戦5試合を1勝4分、JリーグYBCルヴァンカップも2戦2分と、公式戦7試合負けなしで終えた。背景には守備の安定がある。7試合のうち4試合を無失点に封じ、残る3試合もすべて1失点に抑えた。前線から組織的にボールを奪いにいき、押し込まれてもGK谷晃生やDF石原広教を中心にゴール前は堅い。先制を許してもそれ以上の得点は許さず、終盤に同点に追いつくたくましさも備えている。劣勢にも大崩れせず、粘り強く勝ち点を積み上げられるようになったことは、チームの成長と言えるだろう。
負傷離脱していたメンバーが徐々に戻りつつあることも朗報だ。前節の清水エスパルス戦ではMF中村駿が約7週間ぶりに復帰。FWウェリントンも今季初出場でいきなりゴールを決めており、選手層の充実と競争の活性化が期待される。
【マイナス材料】
清水戦は先制点を奪われながらも1−1の引き分けに持ち込んだ。敵地から勝ち点1を持ち帰ったことは悪くないが、内容に目を向けると楽観してもいられない。ことに気になるのは、試合中の修正力だ。序盤からプレッシャーがかからず、相手に押し込まれ続けた。ボールに寄せきれぬままゴールに至った失点シーンは、この日の守備を象徴していた。続くルヴァンカップ第4節の浦和レッズ戦では本来の守備の強度を取り戻しており、今節も同様のパフォーマンスが求められる。
前述のとおり、4月は負けなしを続けた反面、勝利が少ない。特に決定力は11試合で10得点と、依然として課題だ。
北海道コンサドーレ札幌との通算対戦成績は12勝12分17敗、ホームゲームも6勝6分8敗と黒星が先行する。2019年の開幕節で勝利して以降、3試合勝てていない。
文:隈元大吾
■北海道コンサドーレ札幌 個の力が輝く一方、組織力の低下は気になるところ
【プラス材料】
前節のベガルタ仙台戦で4試合ぶりに勝ち点3をつかんだ部分はプラス材料にしたいところ。仙台との激しい戦いの中で先制を許しながらも、後半開始時に投入されたFW小柏剛のゴールで同点としてからは流れをつかんだ。選手交代後も流れを維持し、最終的にはこちらも途中出場のFWジェイが得点を決めて勝利を引き寄せている。なかなか結果が得られない中、個の力で強引に奪った勝利ではあるものの、やはり結果が出たことはプラスになるはずだ。
また、28日に行われたJリーグYBCルヴァンカップ第4節のアビスパ福岡戦では好調のFWアンデルソン・ロペスがここでも得点を決め、より勢いに乗っている印象。チャンスを作りながらも決めきれないでいたチームにとっては、これも好材料である。
【マイナス材料】
プラス材料の裏側にあるものになるが、仙台戦は勝ったものの内容としてはかなり微妙なものだった。特に前半は動きが非常に少なく、チームとしての良さが全く出せず。守備も軽く、失点シーンは守備陣がただ立っているだけの状況で蹴り込まれたもの。最終的にパワープレーで勝利を得たが、チームのパフォーマンスとしては組織力に乏しく厳しいものだった。
そして、ルヴァンカップの福岡戦は勝利目前で失点。グループステージ突破が決まる直前で、それを手放した。失点の仕方も1点リードしていながらカウンターを受けるという拙い崩れ方で、試合運びのところは依然として大きな課題が残ったままだ。
そうした状態で挑む同じ勝ち点の湘南ベルマーレ戦。厳しい戦いの中、十分な試合運びを見せられるだろうか。
文:totoONE編集部