夫婦別姓、自民論客に聞く

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2021年05月04日 08:01  時事通信社

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時事通信社

写真インタビューに答える自民党の鈴木馨祐衆院議員=4月20日、東京・永田町
インタビューに答える自民党の鈴木馨祐衆院議員=4月20日、東京・永田町
 選択的夫婦別姓をめぐる議論が自民党で活発化してきた。昨年末、政府が閣議決定した第5次男女共同参画基本計画での書きぶりをめぐり、賛否両派が対立。4月には党内にワーキングチーム(座長・石原伸晃元幹事長)が設置され、意見集約に向け動きだした。党内の論客3氏に話を聞いた。



 ◇選択的別姓進めよ=鈴木馨祐氏

 選択的夫婦別姓は進めるべきだ。国が家族の在り方や価値観に介入したり、姓や家族の形を法律や制度で決めたりすることに違和感がある。個人の気持ちが基本的に一番尊重されるべきで、実際に困るから変えてほしいという人がいる以上は、しっかり受け止めなければならない。その延長線上で選択的夫婦別姓は当然に議論されるべきだ。

 海外出張時の本人確認や論文の継続性など、改姓した人にはさまざまな不便がある。旧姓の通称使用拡大ではクリアできないとの意見もある。

 社会の中の一つのコミュニティーである家族を大事にするという点では自民党は一致している。そのことと、困り事をなくす仕組みが両立するような選択的別姓制度をつくっていく必要がある。戸籍制度は維持すべきだ。今の戸籍制度下で基本的に筆頭者の姓を名乗り、筆頭者でない方が元の姓を選べるようにしても良い。子の姓についてはしっかり仕組みをつくる必要がある。

 家族の絆は国や法律で決めるものではないし、別姓の国が家族がバラバラというわけでもない。家族の絆と姓は必ずしも相関していない。一番大事な価値観は皆が幸せに暮らすこと。(反対派には)同姓を守ることが目的になってしまっている人もいるが、姓の選択は目的ではなくあくまでも手段。価値観や思想の問題ではないので、エモーショナルではなく現実的な議論をすべきだ。

 党で議論が始まったが、結論を出すことが政権与党のわれわれの責任だ。いつまでも概念論をやっても仕方ないので、具体的にどういう問題があり、どういう制度にするか、できるだけ早く結論を出すべきだ。



 ◇いきなり別姓は乱暴=山谷えり子氏

 選択的夫婦別姓は「強制的ファミリーネーム廃止制度」だ。「選択的」だからいいじゃないかとの意見があるが、戸籍と一体となった夫婦同姓制度の歴史や子どもへの影響を考えた議論は全然深まっていない。別姓を認めないのは日本だけというが、他国には戸籍がない。日本ではファミリーネームや戸籍制度の下に社会福祉やさまざまな制度が機能し、社会の安定性を維持してきた。

 選択的別姓導入を答申した1996年の法制審議会は大激震だった。やるべきだという論調が一時大きくなったが、夫婦は自身で選択できても、(別姓を選択した夫婦の)子どもは強制的にどちらかの親と別姓にさせられると、国民が気付き「ちょっと待て」となった。

 立憲民主党など野党の提出法案では、出生時に子の姓を決める。出産でホルモンバランスが変わり精神的に不安定な時に決めさせるのは残酷だ。決まらない時は家庭裁判所が判断するというが、夫婦でもめることをどう判断するのか。選択肢が増えることには賛成だが、社会全体の安定性や、個人のメリット、デメリットなどを現実的に想像した議論まで至っていない。

 少子化が進み働く女性が増えた。そこに合わせる改善策は重要であり、自民党は十数年前から旧姓の通称使用の拡大を進めてきた。私も旧姓の山谷を通称使用しているが不便はない。ただ不便や不利益があると言う方がいるので、そこは真摯(しんし)に聞いて直していくことが大事だ。議員連盟をつくり、通称使用が徹底されていないケースにどういうものがあるか今詰めている。そうしたことをまずやるべきで、いきなり選択的別姓というのは社会的大実験であり乱暴だ。



 ◇旧姓の法的使用可能に=稲田朋美氏

 夫婦同姓は維持しつつ、婚姻後3カ月以内に届け出をして旧姓を戸籍に書き、法的に使うことができる「婚前氏続称制度」を提案している。いきなり選択的夫婦別姓にすると抵抗も大きいし、戸籍の筆頭者や子の姓の問題が出てくる。ファミリーネームは維持しつつ、旧姓を通称ではなく法的に使い続ける制度が今の現実に合っている。

 選択的別姓に反対だったが、困っている女性の話などを聞いて、解決すべきだと考えるようになった。税金の納付通知書や不動産登記は戸籍名でないといけない。一番大きいのは海外での本人確認。住んでいても不審者と間違われかねず、旧姓の通称使用ではなかなか解決できない。

 通称に市民権を与えることに反対だ。法的でないものに民法上の氏(姓)と同じ効力を持たせるのは法治国家としておかしい。外国人の通称にも市民権を、ということにもなってくる。夫婦の姓を連記する「ミドルネーム(結合姓)案」も出ているが、日本では定着していないし、複雑だ。

 反対派は親子の姓が違うのはおかしいと言うが、離婚した母子家庭など親子の姓や戸籍が違う家族も実際にいる。通称の母と子の一体感は損なわれないが、旧姓に法的根拠を与えたら一体感を失うというのは観念的で現実に即していない。

 婚姻時の改姓は96%が女性という現実は平等とは言えない。女性が自立して働く今の社会に合わなくなってきている。

 次期衆院選後に議論を先送りすれば、国民から自民党は賛成論が反対派に押し切られている党だと思われる。年内にも最高裁大法廷で違憲判断が出る可能性もある。それまでには党としての方向性を出しておくべきだ。 

インタビューに答える自民党の山谷えり子参院議員=4月26日、東京・永田町の参院議員会館
インタビューに答える自民党の山谷えり子参院議員=4月26日、東京・永田町の参院議員会館


インタビューに答える自民党の稲田朋美元防衛相=4月23日、東京都千代田区
インタビューに答える自民党の稲田朋美元防衛相=4月23日、東京都千代田区

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  • どうせ纏まらないんだから、この際、屋号にしよう。笑福亭とか三遊亭とか春風亭とか色々あるし、苗字っぽいものが好きな人は立川がある。嫌がるだろうけど、立川がある。立川がダメなら桂がある。もうこれでいいじゃないか。 https://mixi.at/a8818Op
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  • 田中くんのお父さんの坂本さ〜ん!🤪鈴木くんのお母さんの佐藤さ〜ん!🤪ってなるヤツね🤪
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