「かつて20代で1000万円」東スポでリストラの嵐、「ユーモア」を支えた人材はどこへ

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2021年05月05日 09:41  弁護士ドットコム

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かつて、「日付以外は全て誤報」と言われるほど、その飛ばしっぷりとユーモアに定評があったスポーツ新聞「東京スポーツ」を発行する「東京スポーツ新聞社」が、経営難に陥り、社内でリストラの嵐が吹き荒れている。


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週刊文春によると、従業員350人のうち、100人程度を削減する予定で、4月に説明会が開かれ、5月中旬まで45歳から59歳までの160人を対象に、希望退職の募集がおこなわれている。



弁護士ドットコムニュースの取材に応じた東スポの現役記者Aさん(50代)によると、希望退職の説明会で、「後に退職することになれば、退職金が少なくなることは確実」との説明をうけると同時に、個別面談も設定され、従業員たちは「ガタついている椅子の椅子取りゲームが行われていて、みんな雨に濡れた子犬」のような状態だという。



●「よほど能力が高くないと残れない」と面談で言われた

今回の希望退職制度では、「通常の退職金+1年分」の給料が提示され、退職に応じると、会社が契約した転職あっせん業者による模擬面接などのサポートが受けられる。説明会では、転職あっせん業者から、「年収は下がる」としたうえで、一般的に、中高年で1年間も転職活動を続ければ、PRや専門紙など、別の企業への転職はほぼできているとの説明があったという。



希望退職の説明会とは別に、上長や人事担当者による面談の場ももうけられ、「よほど能力が高くないと残れない。能力が低いと他の部署に異動になる」「今応じないと、今後はいきなり整理解雇になることもあるかもしれない」といった趣旨の発言があったという。



しかし、Aさんの周りでは、家のローンの返済などを抱える人もいて、希望退職に応じることを躊躇しているケースも多いそうだ。Aさん自身も、転身後に気力がもつかどうかという面から、揺れており、「応じる意思を表明すれば、それで終わるんだけど」と思いつつも、希望退職には応じていない。



希望退職に応じる人が少ない場合、退職勧奨や整理解雇に進んでいく可能性もある。退職勧奨については一般的に、それ自体は違法ではないが、何度も執拗に行ったり、心理的な圧力をかけたりした場合、違法となる可能性がある。



また、整理解雇については、「人員削減の必要性」「解雇回避努力」「人員選定の合理性」「手続きの相当性」が求められ、そう簡単に実行できるものではなく、法的な面からも注意が必要だ。



●20代で1000万円を超えていた年収、今は・・・

ではなぜ、それほどまでに業績が悪化してしまったのか。週刊文春の記事で、もともとは90年代に入社2年目で年収1200万円をもらっていたと書かれていたように、かなり高い待遇だった。Aさんも、20代のころには、ボーナスが年に4回もあり、年収は1000万円を超えていたが、現在はその半分程度まで落ち込んでいるそうだ。



「いま、スポーツ新聞を電車で読んでいる人はほとんどいないでしょう。みんなスマホばかりです。5年、10年前からわかっていたことなのに、会社は紙の新聞を売ることばかりを考えてきた」とAさんは語る。



その後、東スポも「デジタルシフト」に取り組んできた。しかし、東スポが売りにしてきたのは「際どい表現」であり、ウェブでは際どい表現がヤフーやグーグルなどのプラットフォーマーに嫌われてしまうため、売りが売りでなくなってしまう。他のスポーツ紙との差別化は難しくなっていった。



今回の文春の記事について、「がんばれ東スポ」といった励ましの声もネットでは出ているが、「そんな気力もない状況」(Aさん)で、苦境に立たされている。



●従業員の3分の1がいなくなっても、紙面づくりには支障がない?

しかし、それだけ苦しくても、Aさんの感触では、東スポが100人もリストラをして、全従業員の3分の1がいなくなったとしても、「紙面を埋めて、新聞を発行すること自体には支障がないんじゃないか」という。



「東スポは人が余っていると言われてきた。過去にもらいすぎていた世代がたくさんいる」(Aさん)。しかも、希望退職制度も段階的に実施していたのではなく、今回が初めてだという。



結局、時代の変化に合わせて、組織のあり方を段階的に変えて、次を担う部門や人材を育てる、といったことをせずに、今までの延長線上で、中高年の人材を抱え続けて、苦しくなったら一気に吐き出そうとしている、ということなのかもしれない。



せっかく、「ユーモアあふれる新聞」を作り続けてきた人たちが、その面白さを内外で発揮できなくなるとすれば、あまりにも、もったいない。


このニュースに関するつぶやき

  • 新聞って一番価値があるのが「紙」なのかもしれない。お皿包んだり汚物包んだり。
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  • ロス疑惑の三浦カズ氏は日本の大半のマスコミを名誉毀損で訴えたが、東スポは「当紙を信用している読者は1人もいません」と堂々と裁判所で述べていたぞ。
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