黙々&おひとり様で楽しむ 究極の「黙ソロ活」はいかが?

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2021年05月06日 11:30  AERA dot.

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写真ドラマ「ソロ活女子のススメ」の一場面。水族館でビール片手にゆっくり観覧する主人公(江口のりこ) (テレビ東京提供)
ドラマ「ソロ活女子のススメ」の一場面。水族館でビール片手にゆっくり観覧する主人公(江口のりこ) (テレビ東京提供)
 黙活なんて耐えられない──。大半の人の本音ではないだろうか。しかし、この状況を逆手にとった黙活・ソロ活向けのサービスが続々と出てきている。ソロでも楽しめるスポットは確実に増えている。これを機に、究極の「黙ソロ活」を見つけてみてはいかがだろう。

【ソロ活女子におススメのスポットはこちら】

*  *  *
「黙」を逆手に取り、「売り」に変換できている商業施設は増えている。

「声出しNG 黙筋トレ」。こんな標語を貼り出したのは会員制フィットネスクラブ「ゴールドジム」。1月からはジムはもちろん、ロッカールームでも会話は禁止。エアロビクスも会員いわく「黙レッスン」。参加者はマスク着用で黙々と踊る。

 それでも人は集まるという。エリアマネージャーの米倉拓也さんは言う。

「昨年の緊急事態宣言中、営業を停止していました。クラスターとか出ると閉めなければならなくなるから、みなさん黙ってやっています。また閉められるのは困るという思いがあるのでしょう」

 会話が減り、トレーニングに打ち込みやすい環境になっていることで、「黙」が良い方向に作用しているという。

 東京タワーでは、空気が澄み渡る2月に、黙って景色を眺める「黙展」をした、と申告すれば記念品をプレゼントするイベントを行った(現在は終了)。夜はカップルが愛をささやくデートスポットにもなる場所。普段から「黙」に近い場所ではあるが、コロナ禍で黙活という概念が広がってきたせいもあるのだろうか、実際に黙展をした人は「改めて黙って見ると景色にすごく集中できた」と話したという。

 広報担当者が話す。

「ある意味、黙食(などのブーム)に乗った、というのはあります。ただ、東京タワーという建造物は、60年以上前からあり、変わらない場所から変わりゆく東京の景色を見ることで、改めて自分自身と向き合えるもの。そこに言葉は要らないのだと思います。『黙』はコロナ禍では確実にキーワード。いい意味で使いたいです」

 商業施設に限らず、黙活は教育現場にも採り入れられている。

 千葉県の八千代市立阿蘇中学校では、「静の時間」を大事にしている。朝の学級活動前に15分間、読書する。昼の清掃は開始の号令とともに校内から一斉に音が消える。

 学校によると、「もっときれいに」「もっと使いやすく」と考えながら黙って清掃を進めることで、きれいな校舎を保てるだけでなく、気づきや思いやりといった心も育めるという。これを「黙動気づき清掃」と呼んでいる。他にも「黙考」や「黙動移動」があり、合わせて「四黙」活動を続けている。

 こうした黙活の広がりは、そのままソロ活(一人での活動)の多様化につながっているようだ。

『ソロ活女子のススメ』の著者の朝井麻由美さんは、

「ようやくソロに市民権がやってきた」

 と話す。これまでは、店や場所、シチュエーションなどによっては、ソロ活が奇異な目で見られ、行動が制限されることも多かった。

 行きたい飲食店が「おひとり様お断り」だったり、一人だとアラカルトメニューしか予約できない制限があったり。特にビアガーデンやレストランにその傾向がある。

 それがコロナ禍も相まって、ソロ活をする人が少しずつ増え、ソロ客を受け入れる場所も増えてきたと実感しているという。朝井さんは言う。

「コロナ禍でも、感染対策をしっかりやって、今も時々一人で外食しますが、一人ですから会話もありません。店もソロ客を歓迎しているように感じています。“密”や飛沫の迷惑をかけにくいライフスタイルだと思います」

 関西在住の主婦のミカさん(仮名・52歳)は、まさにソロ活が増えた一人だ。

 もともとは一人で喫茶店にすら入れなかったのに、コロナ禍で一人の行動が増え、「一人旅からバイキング、最近はUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)まで一人で行ってしまいました。実際に一人でやってみると意外と楽しめることがわかって癖になりそう(笑)」。

 黙活で行動が制限されて残念というよりも、ソロで行動する人にとっては人目を気にせず過ごせる日常になったと感じているという。

『ソロエコノミーの襲来』などの著書があり、ソロ社会の消費行動を研究する独身研究家の荒川和久さんは、こうした動きについて「ソロ活ならば自動的に黙活になります」と話し、こう力説する。

「外食産業の人たちはこれまでも多くのソロ客に支えられてきたと気づいているはず。『Go To Eat』ならぬ『Go To SOLO』にすればいいのです」

 ソロ活市場の規模に関していえば「ソロキャンプ」人口の激増を指摘する。

「16年時点では人口比6%ぐらいでしたが、20年の調査では13%と2倍以上に増えているんです。ざっくりですが、現役世代(20〜50代)の4割がソロ活好きなんです」

 SMBC日興証券が投資情報の提供を目的として作成している「週刊株式アウトルック」の今年2月5日号では、「感染防止意識で人気高まる『黙活』と『ソロ活』」を注目テーマとして取り上げ、以下のような分析をしている。

「ひとりで行動する『ソロ活』は新型コロナの発生以前から人気が高まっていた行動スタイル」「黙活(≒ソロ活)は人々に受け入れられる土壌ができていた」「新型コロナ感染防止意識の高まりと継続により、黙活やソロ活はさらに日常生活に浸透していくことになろう」

 調査会社の矢野経済研究所の「おひとりさま関連市場の動向調査」(2020年)では、「おひとりさまが市場の担い手となっている産業も数多く存在し、経済に与える影響も徐々に拡大している」「あらゆる業界で一人利用を対象としたサービスの提供も増えている」などと分析。「独身・一人暮らし以外の人に関しても一人で消費、行動する傾向が高まっているため、今後もおひとりさま市場は拡大していく」などと予測している。

 黙活が言われ始める以前から増えていたソロ活は、時代に乗ってドラマにもなっている。

 金曜深夜放送の「ソロ活女子のススメ」(テレビ東京系)は、江口のりこ扮する主人公の五月女恵が、一人で焼き肉店や水族館、動物園、ラブホテルなどを訪れ、ソロ活を存分に楽しむドラマだ。

 撮影現場では感染対策のためスタッフは20人以下とし、ほぼ一発撮り。カットもソロシーンが中心で、ドキュメンタリーのようなノリで撮影しているという。まさに「黙」とソロの現場だ。

 ドラマの五月女は、ソロ活中に声を発するシーンはない。第3話では、プラネタリウムに行き、周囲のカップルは気にせず、ふかふかのプレミアムシートでリラックス。その気持ちよさに開始早々に爆睡してしまうが、癒やしと贅を極めた今時の設備に大満足する。

 撮影現場となった「プラネタリア TOKYO」を運営する、コニカミノルタプラネタリウムの広報担当者はこう話す。

「コロナ前後あたりからおひとり様でお越しになる方が増えています。一人でシングルシートで鑑賞し、『日常を忘れられた』『頭がリフレッシュできた』とかのお声はよく聞きます」

 ほかにも番組で紹介された(予定も含む)ソロ活スポットを上にまとめたので参考にしてほしい。

■ソロ活で始まる自分との対話

 プロデューサーの森田昇さんは、ソロ活は自由な人生につながっていくと考える。

「一人でいると、好きな食べ物でも景色でも、その対象物とちゃんと向き合えるようになる。欲望に忠実になると、自分自身が見えてくる。自分自身を知れば、ちょっぴり自由になる感じがしてくる。最終回に近づくと、昔見ていた世界とほんのちょっと違う世の中になっている。それは自分が経験をして勇気がもらえて自由になったから、というふうに終わろうと思っています」

 実際に、ドラマを見た視聴者からは「心が軽くなった」「楽しくなった」という反響が初回から寄せられている。原案の著者の朝井さんも言う。

「互いの生き方を認め合う自由な人生の選択肢をとれるのがいい」

 前出の荒川さんも、

「一人で行動するということは自分との対話をするということ。自分の中にもう一人の新しい自分が必ず生まれるので寂しくないのです」

 黙活・ソロ活をしたことがなかった人も、やってみたいと思っていた人も、まずは挑戦してみては。(本誌・大崎百紀)

※週刊朝日  2021年5月7−14日合併号より抜粋

このニュースに関するつぶやき

  • ここまでくると一種のプレイのような気がする。
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  • 一人行動は楽です。一人ライブ遠征もした。あと、色々寄りたい所にある時は沢山回ります。一人行動は楽で楽しくて最高です。
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