森友問題「赤木ファイル」国が存在を明らかに 自死した赤木俊夫さんの妻「黒塗りで出ないことを期待」

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2021年05月06日 16:45  AERA dot.

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写真自死した近畿財務局職員・赤木俊夫さん(雅子さん提供)
自死した近畿財務局職員・赤木俊夫さん(雅子さん提供)
「新しいステージに上がれたような気がして、とてもうれしい気持ちでいます」

 いわゆる「森友問題」をめぐって自死した財務省近畿財務局の元職員・赤木俊夫さん(当時54)の妻・雅子さん(50)が6日、AERA編集部の取材に今の心境をこう語った。

【写真】昨年の記者会見で自死夫について話した妻・雅子さん

 俊夫さんは森友問題に関わる公文書の改ざんを命じられた一人。その過程を書き残したとされる文書「赤木ファイル」の存在を、国がついに認めた。

 森友問題は、大阪府豊中市の国有地が学校法人「森友学園」に約8億円も値引きして売却されたことに端を発する。この土地に開校を予定していた小学校の名誉校長に安倍晋三前首相の妻・昭恵氏が就任していたことがわかり、巨額の値引きに安倍氏の関与が疑われた。

■「違法行為」への苦しみ

 2017年2月、安倍氏は国会で「私や妻が関係していたら総理大臣も国会議員も辞める」と答弁した。この直後から、国と学園側との事前の価格交渉をうかがわせる記述や昭恵氏の名前が公文書から削除されたり改ざんされたりするなど、前代未聞の問題が起きた。

「僕の契約相手は国民です」と生前常々語っていた俊夫さんにとって、決裁文書の改ざんという違法行為に手を染めることは筆舌に尽くしがたい苦しみだった。自責の念にかられて苦しんだ上、俊夫さんは18年3月、自死した。

 夫の死の真相を知りたい――。

 雅子さんは、昨年3月18日、国と当時の財務省理財局長・佐川宣寿氏に計約1億1千万円の損害賠償を求め、大阪地裁に提訴した。訴訟で焦点となったのが、俊夫さんが生前、文書改ざんの経緯を詳細に記したとされる「赤木ファイル」だ。

 雅子さんは「赤木ファイル」の存在について、俊夫さんの元上司から2回、聞いていた。この元上司は雅子さん宅を弔問に訪れた際、「パラッとだけ見たんです。メッチャきれいに整理してあるなと。全部書いてあるやんと。どこがどうで何がどういう本省の指示かって」と生々しく語っていた。しかも元上司は「赤木ファイルは検察に提出している」と証言した。

 だが裁判で国側は、「(ファイルは)裁判の争いに関係せず、存否を回答する必要がない」と主張。その存在すら明らかにしなかったのだ。

■「黒塗りで出ないことを」

 そこで雅子さんは今年2月8日、ファイルの文書提出命令を国に出すよう大阪地裁に申し立てた。3月22日、同地裁であった進行協議で、国はファイルについて「探索中」と回答。地裁は5月6日までに文書で回答するよう求めていた。国は、もはや存否の回答は避けられないと判断したとみられる。

 雅子さんは言う。

「赤木ファイルが提出されることは、二度と決裁文書の改ざんが行われず、二度と夫と同じような目に遭う国家公務員が出てこないようにするためにも、とても意味があると思います」

 赤木ファイルには一体何が書かれているのか。国が認めたことによる今後の焦点は、どの範囲まで開示されるかだ。開示によって、改ざんに至った経緯や詳しい指示系統が明らかになる可能性がある。雅子さんは言う。

「まず黒塗りで出てこないことを期待したい。全部を明らかにしてほしいです」

(文/AERA編集部・野村昌二)

※AERAオンライン限定記事

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