山根康広『Get Along Together』大ヒットは「課長のおかげ」脱サラでつかんだ成功

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2021年05月06日 17:00  週刊女性PRIME

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山根康広

「俺がデビューしたときは、今のように音楽のジャンルも細分化されていなかったこともあり、誰もが知るヒット曲がたくさん生まれる最後の時代だったと思うんです。だからこそ、俺の曲も多くの方に知ってもらえたと思うので、いい時代にデビューできたなと思います」

 1993年に発売した『Get Along Together-愛を贈りたいから-』が150万枚を超える大ヒットとなった山根康広。メジャーデビュー当時は会社員をしながら音楽活動を行っていた。

もともと結婚する友人のために作った曲だったんです。最初はインディーズに近い形で1900枚程度しか発売していなくて。レンタルCDなどから徐々に人気に火がついて、東京のテレビに出させてもらったんです。そしたらどこで調べたのか、当時勤めていた会社に仕事以外の用件で電話がかかってくるようになってしまって……」 

 それをきっかけに、音楽活動に専念することを決める。

音楽だけでやっていける

ある日課長に呼ばれて、“もう音楽だけでやっていけるんじゃないか?”と言われたこともあり、会社を辞めることにしました。その課長は理解があって、ラジオ出演する日も“打ち合わせってことにしておくから”と、快く俺を送り出してくれていましたね」

 サブタイトル『-愛を贈りたいから-』をつけ、アレンジを加えてとり直して発売したところ大ヒット!

「最初に発売したときは、予算の関係でシンプルな弾き語りだったんですが、予算が増えてやりたかったバンドスタイルで収録して発売することができたんです。みなさんが知っているのは、たぶんとり直したバージョンのほうですね」 

 ディープ・パープルなど洋楽ロックに影響を受けて音楽を始めたものの、デビュー曲のヒットもあり、しばらくはバラードを歌うことに。

「当時のレコード会社から、3枚目のシングルまではバラードで行きたいと言われたんです。好きなロックテイストの曲はアルバムやライブで自由にやれば……と言われていたので、時間をかけて自分の音楽性を知ってもらえればいいかなとその提案を受け入れました」

  30歳を過ぎたあたりから、好きなことができるようになったという山根。それに合わせ、ツアーのリストから代表曲『Get Along Together』をはずしていた時期もあった。

自分の中でそのときの“推し曲”があったこともあり、当時の俺はこの曲だけじゃないと思ったわけです。でも活動を続けていくうちに、俺を知ってくれた出会いの曲を聴きたいお客さんが多いんだなと改めて感じて。それでお客さんが聴きたい曲を届けるべきだなと再び歌うようになりました」

 2013年からは関西地区で放送されているラジオ番組『STARTING OVER★Y2 MEETS ROCK』でDJを務める。

人見知りなのでしゃべるのは苦手なのですが、歌以外でも自分の気持ちを伝えたほうがいいのかなと思うようになって。構成から選曲まですべて担当しているため、準備に3日ほどかかり、最近では1週間たつのがあっという間です」

 ラジオを始めたことで、ファン層にも変化があったそう。

「自分が影響を受けた洋楽を中心に放送しているからか、男性のリスナーが増えてきた印象ですね。コロナ禍の前にシングルCDの発売イベントをやったときも、男性のお客さんが増えていました」

30周年で記念ライブを開催したい

 再来年でデビュー30周年だが、あっという間だったと振り返る。

プロの世界は厳しいので、当時、活動できるのも3年ぐらいかなと思っていたから、まさかこんなに長く続けられるとは思っていなかったです。 30歳のときに武道館公演をした際、音楽1本で1日でも長く活動していく……と決めてから、今でもそれが目標。まずは30周年まで走り続けて、記念ライブが開催できたらいいですね」

 そしてこう続ける。

「年齢を重ねた俺が歌う『Get Along Together』も、少しは説得力が増したかな、と思うので、コロナが落ち着いて機会があれば、ぜひ1度ライブに足を運んでくれたらうれしいですね」

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