大声で感情的に叱る上司、褒め称える上司、どっちもNG? 部下を育てる「叱り方」のコツ

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2021年05月07日 21:21  All About

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写真部下に対し、多くの上司がやりがちな指導に「良かったときは褒め、良くなかったときには叱る」という方法があります。実はこの指導には落とし穴があります。
部下に対し、多くの上司がやりがちな指導に「良かったときは褒め、良くなかったときには叱る」という方法があります。実はこの指導には落とし穴があります。
多くの人がやりがちな指導に「良かったときは褒め、良くなかったときには叱る」という方法があります。実はこの指導には落とし穴があります。部下のやる気をなくさないためにはどうすればいいのか。叱る指導の注意点を確認しておきましょう。

「褒め」と「叱り」の指導が難しい理由

うまくできたときには褒めて、NGな行動をした場合には叱る。部下の指導で「褒め」と「叱り」をベースに考えている人は多いと思います。しかし「褒め」を多く使うと慣れが生じます。褒められることが嬉しかった人も頻繁に褒められるとありがたみを感じにくくなってしまうのです。

「褒め」をうまく使いたいのであれば、本当に素晴らしい成果をあげたときに限るなど、控えめに使うことが必要です。そうはいっても適切な頻度がどれくらいかは分かりにくいと思いますし、たまにしか褒めずに普段は何も言わないというのでは指導はうまく行きません。これが「褒め」の指導が難しい理由です。

では「叱り」の指導はどうでしょうか。叱られると、私たちは不快感情を感じます。人間は不快なものを避けようとしますので、NGな行動は確かに減ります。しかし、頻繁に不快にさせる人と良好な人間関係を築くことができるでしょうか。

「叱り」の頻度が多くなると、相手の関係性にヒビが入るリスクも高くなりますし、「失敗を隠す」「責任転嫁する」といった罰を避けるような行動に繋がってしまうこともあります。
 
叱り方がキツ過ぎてしまった場合には、別の弊害もあります。マウスに迷路を覚えさせるという有名な実験があります。正しい道を覚えれば餌を食べることができるのですが、間違った道へ行くと電流を流されるという実験です。これによりマウスは道を覚えるのですが、電流が強すぎた場合、失敗を恐れ行動をしなくなる無気力状態に陥ってしまうことも報告されています。

皆さんにも、厳しく叱られた経験はあると思います。厳しすぎた場合、無難な行動ばかりするようになったり、ヤル気をなくしてしまったり、いい結果には繋がらなかったのではないでしょうか。

では適切な叱りの度合いというのはどのくらいなのでしょうか。「我慢できる」「厳しすぎる」といった感覚は、叱られる側の主観です。最近はHPS(Highly Sensitive Person)と呼ばれる、感受性が高く傷つきやすい人たちがいることも話題になっています。

叱る側は適切だと思っていても、深く傷つき無力感を強くしていってしまう人もいることを知っておきましょう。適切な度合いで叱るというのは、思っているよりも難しいのです。

では部下や後輩を指導するときには、どのようにすればいいのでしょうか。

「褒め」と「叱り」の代わりに使いたい指導法とは

褒めと叱りによる人材教育は、相手の気質や物事の捉え方など、様々な要素に配慮して行う必要があります。そこでお勧めしたいのが「フィードバック」を使う指導です。

褒めや叱りではなく、ニュートラルな表現で「できているね」「次はこの部分を○○でやってみて」などと伝えます。

・フィードバックへの変換例
「さすがだね」(褒め)→「できているね」
「ダメじゃないか」(叱り)→「次は〜でやってみて」

最初は難しく感じるかもしれませんがフィードバックは実にシンプルです。しかし私たち人間はどうしても「自分も叱られながら仕事を覚えた」「なぜ部下にそんな気を遣わなければならないんだろう」と考えがちですし、指導するときの苛立ちを「相手のために言っている」と正当化しがちです。

こういったことを踏まえ、叱る場合にはどのようにすればいいのか、ポイントを確認しておきましょう。

指導で叱るときのポイント

指導で叱るときのポイントについてお伝えします。

1. 叱る以外の方法で解決できないか考える

じっくり話し合う、本人が気づくようにする、穏やかな注意をするなど、他の選択肢がある場合はそちらにシフトします。

2. 怒りの感情をぶつけないように指導する

人格を否定するような言葉は(例:「ばかやろう」「ダメなやつだな」など)使ってはいけません。

3. 具体的にどう改善してほしいのか伝える

「やり直せ!」といった感情をぶつけるだけの叱り方ではなく、どの部分をどう改善してほしいのか具体的に伝えます。

4. 丸投げ・指導放棄をしない

「そのくらい自分で考えろ」といった丸投げは、指導放棄です。わからなくて失敗している部下には具体的なやり方を指導します。

5. 「あなたのために叱っている」といった正当化をしない

「あなたのためを思って言っている」といった正当化をしていませんか。叱る以外の指導法では効果が得られないのか、もう一度考えましょう。どうしても叱る指導が適切だと思った場合のみに限定するのが大切です。

6. 声のボリュームに気をつける

大声で叱るといった指導は、主に怒り感情によるものだと言えます。大きな声を出さずに、落ち着いて指導しましょう。興奮したままの指導しか効果がないというケースはほとんどありません。

叱るときの言い換えフレーズ例

最後に、叱るときの言い換えフレーズをご紹介しておきます。

「どうしてこんな簡単なこともできないんだ」→「どうしたらできるようになると思う?」

「おまえのせいで皆が迷惑しているんだぞ」→「××のやり方で迷惑をかけたので、次回からは○○にして」

「何度言ったら分かるんだ」→「わからない部分はある? うっかりミスだったら、次回からはダブルチェックをして持ってきて」

「もっと早く報告しろ」→「トラブルは自分で何とかしようとせずに、分かった時点で報告してください」

「いつまでかかっているんだ」→「金曜日の13時までに提出してください」

師匠と弟子といった徒弟制度の名残もありますし、仕事は厳しくてあたりまえといった考えもあるかと思います。しかし人材教育の方法が確立され、ハラスメントにも配慮しなければいけない現代において、昔ながらの指導を続けるのはNGです。

「自分もそうされた」という気持ちはあると思いますし、後で振り返ってみると「厳しくしてもらって良かった」と感じることもあると思います。しかし、ストレスで心身の不調を引き起こしてしまう人たちもいます。様々な特性の人がいることを配慮し、適切な指導ができるよう心がけましょう。
(文:藤田 尚弓(話し方・伝え方ガイド))

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