スーパーGT序盤はホンダとトヨタが白熱の大接戦。日産の巻き返しは?

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2021年05月08日 06:31  webスポルティーバ

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 昨年王者ホンダがスタートダッシュに失敗し、トヨタ勢が表彰台を独占する波乱で始まった2021年のスーパーGT。衝撃の開幕戦から3週間が経ったゴールデンウィーク中の5月3日・4日、富士スピードウェイにて第2戦が行なわれた。

 昨年はコロナ禍の影響で開催されなかった伝統の「500kmレース」が、今年は2年ぶりに復活。開幕戦で屈辱を味わったホンダ勢は巻き返しを図るべく、陣営全体で気合いを入れ直して富士スピードウェイに乗り込んできた。




 しかし、意気込んで臨んだ予選では、予想外の出来事がホンダ陣営に襲いかかる。予選アタック中のミスに始まり、コース上の混雑、さらには重なるトラブル......。それらが影響し、ホンダ勢は5台中4台がQ1でノックアウトされてしまった。

 それでも、唯一Q2に生き残った野尻智紀/福住仁嶺組のARTA NSX-GT(ナンバー8)が孤軍奮闘。わずか0.003秒届かず2番手で予選を終えた。タイムアタックを担当した福住は「最終コーナーでミスが出てしまった。それがなければポールポジションだったかも」と悔しい表情を見せた。

「今回は各車、ポテンシャルを発揮できないまま終わってしまった。ポールポジションを十分に狙える力があっただけに......残念」。ホンダの佐伯昌浩ラージプロジェクトリーダーも、この事実を重く受け止めていた。

 予選上位6台のうち、5台はトヨタGRスープラ。第1戦・岡山と同じトヨタ圧勝の流れになるかと思われた。しかし、ホンダ勢にも意地がある。決勝で反撃の狼煙をあげたのは、予選11位に沈んでいた塚越広大/ベルトラン・バケット組のAstemo NSX-GT(ナンバー17)だ。

 スーパーGTでは第2戦から、コース上での小さなトラブルを安全に解決するために『フルコースイエロー(FCY)』というルールが新しく導入された。トラブルが起きるとコース全区間が時速80kmに制限され、追い越しは禁止。さらにFCY導入中はピット入り口も閉鎖される。

 31周目、予選3番手だった立川祐路/石浦宏明組のZENT CERUMO GR Supra(ナンバー38)の左後輪が外れてしまい、タイヤがコース脇に残ってしまう事態が発生。このトラブルにより、さっそくFCYが発動される。

 その時は、ちょうど1回目のピットインタイミングだった。しかしFCYが発動されたため、各車ともピットインはできない。そんななか、1回目のピットストップをすでに終えていた17号車は前方との距離を一気に縮め、ライバルがFCY解除後にピットインしている間にトップへと浮上したのだ。

 レース後半、トヨタ勢が後方からバトルを仕掛けるも、17号車は最後までミスのない走りでトップの座をキープ。1位から4位までがわずか1.5秒以内でゴールするという大接戦を制し、17号車が今季初勝利を手にした。

 2位は大嶋和也/山下健太組のENEOS X PRIME GR Supra(ナンバー14)、3位は平川亮/阪口晴南組のKeePer TOM'S GR Supra(ナンバー37)。さらにトラブルでレース終盤に脱落してしまったものの、関口雄飛/坪井翔組のau TOM'S GR Supra(ナンバー36)も30kgのサクセスウェイトを積みながらトップ争いを演じる速さを見せていた。

 重いサクセスウェイトを積んでいるにもかかわらず、上位に食い込んでくるトヨタの底力を痛感させられたレースでもあった。しかし、ホンダにとっても今後に向けて好材料となる要素が見られた。

 それは、2020年王者である牧野任祐の復活だ。今シーズンも開幕から山本尚貴とともにSTANLEY NSX-GT(ナンバー1)をドライブする予定だったが、昨年12月に髄膜炎を発症。シーズンオフは治療に専念して早期復帰を望んでいたものの、開幕戦には間に合わずに第2戦・富士からの復帰となった。

 決勝ではチームのベストタイムを叩き出したほか、キレのあるオーバーテイクも見せるなど、ブランクをまったく感じさせない力強い走りを披露。Q1のミスで最後尾スタートながらも決勝4位と、見事な挽回劇でポイントを奪取した。

「自分が想像していたより、うまくできたと思います。決勝でもけっこう長い時間を走らせてもらいましたが、(体力面も)思っていたより大丈夫でした。これに満足することなく、努力を止めずがんばっていきたいです」(牧野)

 ホンダ勢のなかで予選2番手と健闘した8号車(ARTA NSX-GT)は、レース終盤にトップを快走しながらも痛恨のペナルティ(黄旗追い越し)で8位に終わってしまった。ただ、8号車も今後に向けてポジティブな要素が見受けられた。

 昨年のARTA NSX-GTはポールポジションを3度獲得するなど、予選では際立った速さを見せていた。しかし、決勝では今ひとつペースを上げることができず、そこが大きな課題となっていた。

 ところが今回の富士では、予選・決勝でマシンセッティングに対するアプローチを変更するなど試行錯誤を繰り返し、予選ではポールポジションに匹敵する速さを見せ、決勝でもライバルに負けない力強いペースキープを実現した。8号車の福住はこう語る。

「ここまで予選と決勝でセッティングを分けて走るのは、今までやったことはなかった。それが今回はうまくいきました。もう少し改善したいところもあるので、それができれば決勝でも強いクルマに仕上げられるなと思います」

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 第3戦は5月29日・30日、鈴鹿サーキットで行なわれる。ここから始まる中盤戦はコースの特徴が大きく変わってくるため、勢力図が変わることも十分にあり得る。

 そこで気になるのは、日産GT-R勢だ。彼らは鈴鹿のコースを得意としている。序盤2戦で好結果を残したライバルたちのサクセスウェイトも大きくなっているだけに、この鈴鹿で上位に食い込んでポイント差を一気に縮めたいところだろう。

 2021年のチャンピオン争いは、まだ始まったばかり。トヨタか、ホンダか、日産か......第3戦・鈴鹿も目が離せないバトルが待っていそうだ。

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